情報の紐付けと手放せないもの
朝の通勤、散歩、仕事での移動などで私達は必ず何かしらのカメラに映っている。
前から来る車のドライブレコーダーに、またある時は街の防犯カメラにと、至るところでどこかのカメラに映し出されている。世の中が便利になればなるほど管理と監視が厳しくなってくる気がする。
トムクルーズ主演の映画を思い出した。あの当時は、そんな未来はまだまだ先だと思っていたけれど、だんだんと現実味を帯びてきた。ニュースにもなっていたが、顔認証で改札を通れるように実験をするらしい。まさに映画にあったワンシーンのようだ。
マイナンバーカードでの様々な情報の紐付けは生活の利便性を格段に上げてくれるだろう。そして、犯罪の抑止にも役立つに違いないと思う。
だが、それは良い方向にその力が利用されればの話。
どんなに強固なセキュリティをしても、結局管理するのは人間だ。ちょっとしたヒューマンエラー、うっかりミスなど考えられるが、一番怖いのは、必ず勘違いしてしまう人間がいることだ。
今までにない情報を知った時、果たしてその管理者は正常でいられるのだろうか?
いろんな誘惑に勝てるのだろうか?
最終的に情報の紐付けが行き過ぎてしまった時、秘密が秘密で無くなる日の始まりで、ある種のホラーな世界であることは間違いなさそうな気がする。
気づかないうちに、『大切な何か』を失いながら、どんどん便利で楽な世界になっているのかも知れないと思いつつ、その一方では、便利で楽な世界になることに逆らえない自分がいる。
そして
便利すぎるツールを手にしてしまった私は、それらのツールを手放すことが出来ない。これからの便利で楽な世界を受け入れるしかないのかも知れない。