青い船

青い船が浮かんでいたわ
二人で乗っていたはずなのに
何気ない日常を航海していたら行く先を見失った

タイタニックほどたくさんの人の想いがあるわけではないけど
私にとってはそれはかけがえのない人だった

青い船が濡れていくわ
夜な夜な朝までしんしんと
笑顔を向けていた白い帆船は
風にさらされて傷んでいく

青い船を残していくわ
いっそ燃やしてしまえばいいのに
決断できない気持ちや未練を燃料にして灰にしてほしいのに

タイタニックを沈めた氷塊にだって
負けないほどの後悔が残っているのよ
今でも間に合うならとありもしない到着地点を探している

青い船が浮かんでいたわ
1人で大海原を漂っている
いつかまた他の人が乗る日が来るのかしら
今はまだ何も何もわからない

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