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ベビーベッドを捨てた日

息子と娘の睡眠を守ってくれたベビーベッドにさよならをした。

我が家のベビーベッドは知り合いから譲っていただいたもので、とくにこだわって買ったとかめちゃくちゃ思い入れがあるわけではない。だから捨てるのを決めた時も「もうしばらく使わないだろうし、少し古くなってきたしいいかな」くらいの気持ちだった。しかしいざ捨ててしまうとなんだか切ない。きっとこの胸がきゅーっとなる原因は、もう二度と子どもたちはベッドにおさまるサイズに戻らないとわかっているからだろう。

よく覚えているのは息子が生まれてはじめて我が家にきた日のこと。
日中どこに寝かせていいのかわからなかった私たちはとりあえずベビーベッドをリビングのど真ん中において、そこにやさしくやさしく息子を寝かせたのを昨日のことのように覚えている。窓から入るあたたかな日差しに照らされてキラキラと輝いていた新生児。一日のほとんどをベッドの上ですやすやと眠って過ごしていた日々。手狭になって捨てたはずのベッドが大きく見えたあの頃。

娘はベッドがあまり気に入らなかったのか、甘えん坊だからなのか早々に私たちの隣で寝るようになったので卒業が早かったのだが、それでも夜中に何度も心配になってベッドを覗き込んだり、ベッドに寝かせた瞬間に泣き出す背中スイッチにこちらが泣きそうになったり、なんてことない瞬間が幸せな気持ちとともに頭に、心に残っている。

1年経たずしてこんなに大きくなるなんて。ベッドだけじゃない。沐浴に使ったベビーバス、フリフリのセレモニードレス、ゆらゆらすると嬉しそうに笑っていたバウンサー。

あぁ、どれも子どもが成長していくにつれて記憶になって、現実ではなくなっていくんだなぁと思うと切なくて。本当は子どもの記念館を作って全部保管したいくらい。

でも成長した分だけ増える物と引き換えに、ちゃんと手放す選択もしていかなくちゃなと思う。 

私は雑な性格でお掃除も苦手なんだけど、手放す日までは大切に子どもと同じくらい愛をもってものを扱うようにしたい。

ものには魂が宿るというけど、こういう人々の想いや愛がものに命を吹き込んでいるんだなぁと子どもを産んでから強く思うようになった。

#子育て #greennote #note100本チャレンジ

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