みなし残業とは?
「みなし残業」って聞いたことありますか? アルバイトや社員の求人を見ていると、「みなし残業込みで月〇万円」なんて書いてあることがあります。
でも、「みなし残業」って何?お得なの?損なの?」と感じる人も多いと思います。
今回は、「みなし残業とは何か?」を解説します。
1️⃣ みなし残業の基本的な考え方
みなし残業とは、会社が「これくらいの残業はするだろう」と最初から想定して、基本給にその分の残業代をあらかじめ含めておく仕組みのことです。
【ポイント】
会社が「毎月、これくらいの残業が発生するはずだ!」と決めて、あらかじめ残業代を給料に含めている仕組みです。
たとえば、「月20時間分の残業代を給料に含めますよ」といった形です。これが「みなし残業20時間込みの月給」と表現されます。
実際の残業が20時間より少なかったとしても、その分のお金はもらえます。逆に、20時間を超える残業をした場合は、その分の追加の残業代が支払われます。
💡 例で説明!
月給25万円(みなし残業20時間含む)という求人があったとします。
20時間分の残業代は最初から「固定の給料の中に入っている」という意味です。
もし残業が10時間だった場合も、もらえる給料は変わりません(むしろお得)。
でも、30時間働いた場合は、超えた10時間分の残業代が追加でもらえます。
これが「みなし残業」の基本の仕組みです。
2️⃣ なぜ「みなし残業」を導入するのか?
会社側の理由と、労働者側の理由がそれぞれあります。
🔹 会社の理由
残業代の管理が楽になる:毎回「何時間残業したか」を細かく計算するのは手間がかかりますが、「みなし残業」にすれば一定額を毎月支払うだけで済むため、会社の事務作業が減ります。
人件費の予算が立てやすい:残業が多い月と少ない月があっても、毎月の給料が一定なので、会社は人件費の見通しがつけやすいです。
🔹 働く人(労働者)のメリット
仕事が早く終わってもお金が変わらない:たとえば、20時間の残業が見込まれていたのに、実際の残業が10時間だったら、その分はもらい得になります。
毎月の給料が安定する:毎月の給料が一定なので、「今月は残業が少なかったから給料が減った」という心配がありません。安定した生活を送りやすくなります。
3️⃣ みなし残業のメリットとデメリット
✅ メリット
給料が安定する:毎月の給料が同じなので、家賃や生活費の計画が立てやすい。
仕事が早く終わるとお得:想定よりも残業が少なかった場合は、多くの給料がもらえることになります。
❌ デメリット
残業時間が多いと損する:例えば「みなし残業20時間分込み」なのに、毎月30時間も残業するなら、労働者は損していると感じるかもしれません。
残業の上限が分かりにくい:「20時間の残業が前提」とは言っても、20時間ピッタリ働くわけではないので、「結局、どれだけ残業するの?」と感じる人もいます。
ブラック企業の温床になりやすい:悪い会社では、実際の残業時間が想定を大幅に超えるのに、追加の残業代を払わないことがあります。
💡 例で解説
「みなし残業20時間込みで月給25万円」の場合、もし毎月30時間の残業をさせて、追加の残業代を払わない会社があったら、それはブラック企業の可能性が高いです。
ちゃんとした会社なら、20時間を超えた分の残業代は追加で支払われるのがルールです。
4️⃣ 「みなし残業」と「固定残業代」の違い
「みなし残業」と「固定残業代」は、基本的に同じものだと考えてOKです。どちらも「あらかじめ給料に残業代を含める」という考え方だからです。
ただし、法律上の呼び方は「固定残業代」とされており、求人情報に「固定残業代〇〇時間込み」と書かれていることが多いです。
みなし残業:どちらかというと日常的な言い方(会話でよく使われる)。
固定残業代:法律での正式な呼び方(求人や契約書に使われる)。
5️⃣ みなし残業を選ぶときの注意点
「みなし残業がある会社はブラック企業?」と思うかもしれませんが、そうとは限りません。ただし、以下のポイントに注意してください。
🔍 チェックポイント
超過分の残業代が支払われるか?
「みなし残業20時間」と書かれているなら、21時間目からの残業代は追加で支払われるか確認しましょう。
そもそも何時間分がみなし残業になっているか?
求人では「みなし残業20時間込み」や「固定残業45時間込み」といった表記があるはずです。これを確認して、本当に納得できるかをチェックしてください。
残業が多い会社かどうか?
みなし残業20時間なのに、毎月50時間も働かされていたら要注意。その会社はブラック企業かもしれません。
まとめ
みなし残業とは、あらかじめ想定される残業代を給料に含めて支払う仕組みです。
仕事が早く終わると得をする一方、残業が多いと損をする可能性もあります。
ブラック企業を避けるためのポイントは、みなし残業の超過分が支払われるか、みなし残業時間が何時間なのかを確認することです。
「みなし残業」という言葉を見かけたら、事前に会社の仕組みをチェックして、自分に合った働き方かどうかを考えてみましょう!