SCP‐113‐jp 石化あずきバー
西暦3000年7月10日の日曜日。九州地方の梅雨は2日前に明けた。鹿児島男児の俺はスーパーの楽マートで買ってきたあずきバーをガブリと噛んだ。
チリーンと風鈴が鳴る。
噛む噛む噛む噛む。
突然ゴリって音が鳴り歯が抜けた。
「ワシも昔はよくやったよ」
和服をおじいちゃんは口を開ける。歯が一本も無い。
「あずきバーどんだけ食べたんだよ」
と俺は笑った。
テレビアナウンサー
「ぴーかんニュースの時間です。やー今日も暑いですねー早速ニュースです。アリクイペットブームの影でアリクイが減少~犬や猫よりも飼いやすいため違法業者が耐えません。」「次あずきバーで身体に…」
俺はその時気付いた。口の中の歯が無いことを!鏡の前に行こうとしたら身体が正座したまま動けなくなった。
アナウンサーは続ける。
「全国であずきバーによる頭痛、吐き気、下痢、身体が堅くなる、一日三食を拒否し、赤飯やあずき、あずきバーを欲する症状が出ているそうです。いやーつらいですねー」
あれから3年が過ぎた俺は歯が3本抜けただけだった。最悪の場合全て抜けるらしい。おじいちゃんを見なかったら、俺は全てあずきバーを食べただろう。
あれ以来井村屋は餅味や草原味やガーリック味といった意味不明なアイスを作り売り上げを落とした。でもあれはもしかしたらSCPの仕業かもしれない。
ディスコミュージックが流れる。
テレビCM 「カカオス社コーヒーブレイクあいすだよーん?粒入り」
公園にリラックスした若者が現れた。テレポーション的に。
SCP報告書はここで終わ