夫の兄弟たちを自慢する!w
「アッサラームアライクム(こんにちは~)」
挨拶をすると、義兄弟がそろって返事をしてくれた。
「わ~、いっぱい来てるねぇ!」
今日は長兄の住んでいる村のマウリッド。
マウリッドとはイスラム教の預言者ムハンマドの生誕祭のこと。
本来は生誕祭は誕生日だけ行われるのだが、私の住んでいるロンボク島では生誕月の一か月間、あちこちの村で日替わりでお祝いをする。
A村は1日、B村は2日、C村は3日…といった具合だ。
今日は長兄の村のお祝いの日なので、私たち家族は食事に招かれていた。
長兄の村には長兄と次兄、末妹が三軒隣同士で住んでいる。次兄は離島に働きに出ていて不在なので、長兄と末妹がホストだ。
ほかの村に住む家族・親族が続々と集まっていた。
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夫の父親はどうも女性が大好きだったようで、何度も結婚/重婚を繰り返した。驚くなかれ、11回も結婚をしている。
私の夫は11人目の奥さんとの子どもだ。
いつも冠婚葬祭があると9人目、10人目、11人目の奥さんとその子ども・孫たちが一堂に集まる。
私ははじめとても驚いた。
「ええ~、異母兄弟と交流があるの~⁉ しかも仲がいいって⁉」
冠婚葬祭だけでなく、こうして祝祭日も集まるので、もうしょっちゅう顔を合わせる。そうでなくても、みな半径1キロ圏内にいるのでちょっと顔を出しにいったり、市場で会ったり。
義姉たちは、異母兄弟の嫁の立場である私にも、本当の兄弟のように扱ってくれる。
フェイスブックに私との写真を掲載するときは「最愛の妹みどりだよ~」「超かわいい妹のみどり」などと紹介する。
夫がボートを作って操業しはじめたときも、「がんばれーーー!!」「うまくいきますように♡♡♡」ともんのすごい声援を送ってくれた。
異母兄弟ともこんなに仲良くできるのかぁ。
しかも、その外国人嫁もこんなに兄弟として受け入れるのかぁ。
この村に嫁いできた日から今日まで、ずっと続いている感動…。
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夫の兄弟たちに「みどり、みどり」と名を呼ばれるたびに考える。
片親が違っていても、(私のように)出身国が違っていても、こんなふうに人が人を受け入れたらどんなにか世界は平和になるだろうか。
振り返って、私はどんなふうに人と接しているだろうか。
世界の偉人伝を読まなくても、こんな身近なところに平和や愛を生み出す人がいることをとても嬉しく思う。