おはなし聞かせて
「ママー、ベッドタイムストーリー」
娘プーちゃんは、毎晩寝るときに短いお話を求める。
これまでに、私は桃太郎・浦島太郎などの日本の昔話やイソップ童話などの小話を話してきた。
が、ときどき話の内容に注文が入る。
「今日は、とびきり可笑しい話がいい」
「こわいけど最後はハッピーエンドなのがいい」
「今までに聞いたことのない新しい話がいい」
そんなにいっぱい話知らんがな。
ついには、こんなことまで言い出した。
「なんで『昔むかし、おじいさんとおばあさんがいました』ばかりなの?『おとうさんとおかあさんがいました』がいい」
知らんがな。
しかし、その主張はもっともだ。
おぬしなかなか鋭いのぅ。
わたしは自分で「おとうさんとおかあさん」が主人公の話をつくって娘に聞かせた。いやはや、むずかしいいいい。即興で短い話をまとめるのは思った以上に高度だった。
*
そんなとき、世にChatGPT様がおでましになった。
「これやん!」
私は苦しいときの神頼みならぬAI様にお願いをして、小話をつくってもらうことにした。
私「9才の娘のためにベッドタイムストーリーをつくってくれませんか?」
AI「あいよ」
私「ありがとう、娘はとても気に入っていました。もう一つお願いします」
AI「あいよ」
すごー。あっというまに2つも作ってくれた!!
娘とすごいねぇと感心した。
だけど、どちらも話がよく似ている。
主人公がいて、その主人公に困り事がおこり、「マジックなんたら」とか「ミラクルなんたら」のおかげで解決。めでたしめでたし、だ。
現実はそんな簡単にマジックやミラクルは起こらないんだぞ。
娘と、もうこうなったら最初から「マジック」や「ミラクル」が出てきそうな素材でいこうと話した。
私「妖精が登場する話をお願いします」
AI「あいよ。昔々、不思議と魔法の国に、とても勇敢で好奇心旺盛な妖精が住んでいました…」
私&娘「早速『魔法』かい!」
あまりに狙い通りで大笑い。
次はもう少し場面設定をして話を作ってもらった。
私&娘「次のようなお話をつくってください。
1.主人公はカエル
2.カエルがクマに会って友達になる
3.カエルとクマは冒険をする
4.おもしろストーリー」
AI「あいよ。昔々、魔法の森に、ジャンピーという名前の小さな緑色のカエルがいました…」
私&娘「また『魔法』かい!」
どんだけ魔法が好きやねん。
でもすぐに話を作ってくれて大助かりだ。
*
最後に、今日は特別に読者のあなたのためにベッドタイムストーリーを作ってもらった。
んー。今日は不調だったのかな。
でも私にはものの数秒でこれだけの物語をつくることはできないから、そういう意味ではすごいよなぁぁぁ。
とはいえ、正直「勝った」と思ったぜ。
みんな、おやすみ。