断食月の生徒&先生たち
現在、インドネシアはイスラム教の断食月の真っ只中。
断食月の学校ってどんなのー?
見てみましょう。
断食月はじめの体の変化
断食月のはじめ4-5日間は体が慣れていない。
空腹で血糖値が下がり、眠い・だるい・頭が回らないなど体に変調をきたす。
また、日没時刻から翌日の日の出までは断食しないので、夜になると人々の活動が増える。友達と会ったり遊んだりするのも夜だ。昼夜逆転の生活スタイルになる人も多い。
例年、公立学校は数日間休校になる。
私たちの高校も休み4日間休みがあった。
断食月5日目、学校再開。
朝3時半に朝食を食べ、歯磨きをして仮眠。
5時半ごろに朝のお祈りをして、マンディ(シャワー)と支度をする。
「うわーん、また寝たい」と体をひきずるようにして7時すぎに学校へ。
私だってこんなだもん、生徒達なら尚の事「行きたくない」って思うだろうなぁ。
断食月の授業再開日のようす
案の定、生徒は半分くらいしか来なかった。
生徒たちは、高校は休みの日が少ないとブーブー文句を垂れていた。
※小中学校は県の教育局、高校は州の教育局が管轄しており、学校の行事カレンダーが多少異なる。
バリ・ヒンドゥー教の先生も休みたいと漏らした。
え、先生、イスラーム教ちゃいますやん。休みたいだけですやん。
それでは、生徒たちの様子をどうぞ。
みんな寝ている。
やる気はないw
おいおい、断食月で体が重いのも眠いのも知ってるよ。
でもここは学校。起きようぜ。
でも、前日にこんなツイートをしていたのを思い出した。
そうだ、ここにいる生徒は全員、学校には来ているのだ。
それだけで満点やーん。
私は生徒たちに「ありがとう、よく来たね」と賞賛した。
「うぇーい」
生徒たちは拍手して大喜び。
ちゃんとやれよと言うより、絶対、このほうが雰囲気いい。
このツイートをした前夜の私、グッジョブ。
日本語は勉強しません
「そんなわけで、断食月は日本語クラスは勉強しないから、まぁ適当に過ごして」
生徒たちの目が輝いている。
「勉強しないの?」
「うん、毎年そうしてるよ」
「帰ってもいい?」
「それはダメ」
日本語の授業では、断食月中は雑談したり、アニメを見たりすること、出欠はとるけど寝ていても成績には響かないことを説明した。
「だから、今日の授業も聞きたい人は聞いてていいし、休みたい人は寝てていいよ。だけど…」
「外に出歩かない!」
「ほかのクラスの邪魔はしない!」
「そう、よくわかってるね。静かにお願いね」
とまあ、こんなかんじでのんびりやってる。
この日は漢字の成り立ちについて少し話した。
生徒たちは適当に聞きながら、適当に休んで、適当に遊んでいた。
ほかの先生はどうしてるの?
もちろん、みっちり授業をする先生もいる。
逆に体育や実習のある授業などはあまり体を動かさないように通達がでていて、座学となる。
学校再開3日目、学校を見渡せる場所で座っていたら、隣にイダ先生(仮名)がやってきた。
全然授業にならないですよねぇなんて話をする。
「もう、日本語の授業は開き直って何も勉強してないんですよ」
「そうなの?」
私は生徒にしたのと同じ話をした。
「いいじゃない、それ!」
まさか、ベテランのイダ先生にそう言われるとは思わなかった。でも、本気でいいと思ってくださっているようだ。
写真はとらなかったけど、先生方も職員室の床にシートを敷いて寝ていたりする。
もうさ、断食月はまるまる一ヶ月休みにすればいいんじゃないの?
日本も40日間もの夏休みがあるけど、それでやっていってるし。
はじめからないとわかれば、そのつもりでカリキュラムも組むでしょうよ。
ほかの宗教の生徒たちは「家でゆっくりする」でどうかなぁ。趣味に走るなり家族で旅行行くなりできるよね。
ダメでしょうか、教育局の先生方。
ちょっと考えてくれませんかね。