2024年九州遠征、夏と勝ち点3+α
突然だが、僕は焼酎が飲めない人間である。
別にお酒が苦手なわけではなく、ビールも日本酒もワインもマジの怖さもだいたいOKなのだが、焼酎は昔からどうにも肌にあわない。
そんな僕が、結果として毎日焼酎を呷ったというのだから、九州というのはやはり魔性の土地だ―――
3泊4日の九州遠征、振り返ります!やっぱりアウェイ遠征っていいね!!
今回は夫婦揃っての遠征となった。インバウンド最盛のこの時期に、大人二人で九州に4日間。果たして総額いくらかかったのかについては、かたくなに目をつむり、考えないこととする。
初日、7/19(金)。
午後休をいただき、羽田から福岡空港へひとっ飛び。
到着したらさっそく夜ご飯。
博多には妻とも何度か足を運んだことがあるが、そういや水炊きは食べてなかったね、ということで「水炊き料亭 博多華味鳥 西中洲店」に訪問した。こちら、トリゼンフーズが運営するチェーン店で、なんなら我が地元にほど近い海老名駅にもお店があったりするんだけど、宿からも近いし、味に間違いはないだろうということで、ここにしました。
お店の雰囲気もよかったし、主役の水炊きはもちろんのこと、前菜からデザートに至るまでどれも美味だったので、おすすめですよ。
ここで今回の旅行一発目の芋焼酎「凛華の雫(オリジナルブランドの焼酎らしいです)」をいただく。芋焼酎らしい豊かな風味はありつつも、癖もなくすっきりした後味だったので、僕でも美味しく飲めた。ただし、この焼酎と、そのあとに頼んだ梅酒ロックが僕の脳を蝕んだのも確かだったようで、ホテルに戻った後の記憶は、あんまりない。
2日目、7/20(土)。
幸いなことに二日酔いはなく、起床。
この日は、博多が誇る料亭「稚加榮」でランチをすることと、試合を観ること以外はなにも予定を立てていなかったので、支度を済ませたあと、適当に天神エリアをぶらつく。
稚加榮のランチは11時30分からだったので、先に岩田屋に寄り、老舗和菓子屋「鈴懸」で家族へのお土産と苺大福を購入する。写真は撮り忘れてしまったのだが、こちらの大福もとてもよかったです。
買い物を済ませたら、お待ちかね「稚加榮」のランチ!!
巨大な生簀を中央に配置した店内が特徴的なこの料亭、夜に行こうものなら庶民の我々には手が出ないお値段なわけだが、ありがたいことに比較的リーズナブルなランチ営業もやっているので、行ってきた。
思えば、サッカー観戦のために博多に訪れるのは、2015年以来2回目なのだが、そのとき自分はまだ大学生、朝にひとりで長浜屋のラーメンを食べ、昼にまたラーメンを食べ、試合観戦後に牧のうどんでお腹を満たし、ストゼロを飲みながら安宿に戻った記憶がある。今回は妻と2人、食事もちょっと贅沢になり、アビスパとの試合の舞台もJ1になった。10年近く時が移ろったことを、改めて感じる。
それはそうと、この日の暑さは尋常ではなかった。ランチ後に大濠公園も散歩したが、酷暑でちょっとばて気味になった我々は、大半の時間を公園内のスタバで過ごしたあと、いったん宿に戻った。
ベスト電器スタジアムも、当初はバスの混雑を避けるために福岡空港から歩こうかと考えていたが、最終的に博多駅発の路線バスで向かうことに決めた。徒歩部の名が泣く。が、徒歩で征くべきか否かの見極めが正しくできてこその徒歩部ではないか、と思い直し、水分をたっぷりとってから、再びホテルを出た。
結局、スタジアム最寄りのバス停に到着したのは18時手前になってしまった。
大慌てで牧のうどんをすすり、スタジアムに到着。時刻は18時20分になっていた。
そう、今回の旅で唯一の後悔は、鈴木惇の引退セレモニーを見届けられなかったことだ。
惇については、以前自分のブログでもちらっと書いたけど、
アビスパユースで10番をつけて、トップ昇格後にJ1でもプレー経験を積み、これから名実ともにアビスパの顔となっていく、というあのタイミングで、なぜウチに移籍?っていう疑問はずっと抱いていたのだが、それに対する答えが本人の口から語られてましたね。ヤスが熱心に口説いた結果だったのね。
正直、彼がヴェルディにいた2年間はチームも暗い時期で、2013年のアンバランスなサッカーではタスク過多なワンボランチを任されたり、財政難に陥った2014年はJ2残留争いに巻き込まれたりと、タフな経験ばかりだったはずだ。
キャリアに瑕がつく選択だったのではとすら思えてしまうが、それでもこの動画内で「いい時間だった」と振り返ってくれて、引退セレモニーもウチとの試合に合わせてくれたところに、彼の人柄が出ていると思う。
セレモニーでは、これまた僕が敬愛する川島ソーナー氏の動画も流れた、とのことで、見逃してしまったことはすごく後悔しているのだけど、それはそれとして牧のうどんも絶対に逃がせなかったので、しょうがないのだ。
さて、アビスパ福岡との一戦。
さっきもちらっと書いたが、このスタジアムに来るのは2015年以来となる。その時はアウェイ恒例の円陣をやっていて、ぼっちだった僕はそれを遠巻きに眺めていた。今回も、あの時とだいたい同じ、応援の中心から少し離れたメイン寄りの席に陣取った(妻が少し疲れていたので)けど、9年前とは違ってそこにも人がたくさんおり、大声でチャントを歌って跳ねてもぜんぜん恥ずかしくない雰囲気になっていたのは、感慨深かった。
あの頃と違って、自分の顔を知ってくれている方々が増えたのも、本当に嬉しいしありがたい限り。喋るの下手な人間なのでアレですけど、よければぜひ話しかけてくださいね(なおきさんとはまたどこかでゆっくりお話したいです)。
ここにきて3バックシステムの練度も増してきたように感じるヴェルディ。特に飲水タイム明けから、齋藤功佑と見木の位置取りが目に見えてよくなり、アビスパが2人を捕まえきれなくなってきてからは、もうこっちのもんだった。功佑はピッチを退いてからも、ベンチで熱く声を張り上げているところがとても好き。ヴェルディに来てまだ1年半だとは思えないほど、なくてはならない選手です。今年のアウェイユニは8番にしたけど、誇らしい。どうかケガなく今シーズンを完走できますように。
試合は山見のゴールで1-0で勝利!!
アウェイの地でやるラインダンスは、ホームとはまた違う一体感が感じられていいものだ。最近ヴェルディサポーターになった方も多いと思うけど、アウェイ遠征の魅力に取り憑かれたが最後、人生におけるサッカーのプライオリティがまたぐんと上がったりしますので、皆さん、ぜひ一緒に道を踏み外してみませんか。
そして、試合後。彼ら2人が、また挨拶に来てくれた。
自分はホーム味スタ戦に足を運べなかったので、改めて凌我と祐二に直接エールを送ることができて、それだけでも来た価値があるというものだ。
巷では「不義理移籍」についてまた論争が起きているけど、ある程度はそうした移籍も受け入れていかなければいけないフェーズに来ているのかな、と個人的には思う(ちょうどふかばさんのブログを読んでいた)。
言葉を借りると「コモンなフットボールリーグとして世界の流れに対応していく必要がある」ということだと思うし、なにより、そうした時代の潮流が顕著になればなるほど、功佑や凌我のようなフォアザチームを体現する男が、より一層輝いてみえると思うから。
さて、ヴェルディサポとしてのアウェイ遠征は、ここでお終いなわけだが、
翌7/21(日)・7/22(月)の2日間で、熊本まで足を伸ばしてきたので、もう少しだけ日記は続きます。
今回は阿蘇のコテージに宿泊することに決めていた。夏の阿蘇を思う存分満喫したかったんですよね。
あいにく初日はゲリラ豪雨に見舞われたので、宿泊する黒川温泉エリアまでのドライブは、阿蘇の絶景を楽しむどころではなく、数メートル先の視界すらろくに開けない恐怖との戦いであった。
それでも、なんとか無事にコテージ付近にまで辿り着いた頃には、雨もすっかり上がり、美しい青空が開けていた。
ちなみに、お昼は「Kitchen NenRing」というところで食べたんだけど、あか牛のハンバーグもポークソテーも絶品でした!ランチ営業しかされていないけど、もし機会があったらぜひ!!
宿泊先は「黒川 森のコテージ」というところだったけど、こちらもとても居心地がよかったです。オーナーさんのフレンドリーさは、まるで実家に帰ってきたのかと錯覚するレベルだった。あと、飼い犬のレンジくんのあまりの人懐っこさに癒された。ひと夏の思い出を作るのにふさわしい場所でした。
夕食はバーベキュー。DAZNで昨日の試合を振り返りながら、近くのスーパーで買い込んだ肉を焼く。橙色の美しい西陽が、コテージの軒先に降り注ぐ。至福のひと時。
1杯目のビールを飲み干した頃、コテージの外でなにやらうごめく影が見えた。
オーナーさんが「外にゴミ出しっぱなしにしとくとキツネが出るで」と言っていたから、ホンドギツネが来たのかなと思ったが、それはサバトラの猫ちゃんであった。
こちらが近づこうとするとさっと逃げていくのだが、「おーい」と呼びかけるとまた顔を出し、遠巻きにこちらを眺めている。
そんなほほえましい光景を肴に、冷凍庫で作った氷をガバガバ入れて飲んだ白岳ロックは最高に美味かった。
肉を焼き始めてはや2時間。だいぶお腹も満たされてきたので、ちょっとだけコテージを離れて、阿蘇の夜空に広がる満天の星空を眺めた。飲みすぎた焼酎で火照った体に、涼しい夜風がとても心地よかった。
「春は夜桜 夏には星 秋には満月 冬には雪 それで十分酒は美味い」などと比古清十郎の台詞をのたまいながらコテージに戻ると、少しだけ残してあったはずの牛肉がきれいさっぱり消えていた。
最初は酔いがまわった自分の記憶を、次に妻の隠し持った早食いの技術を疑ったが、いやいやどう考えてもお肉は残しておいたはずである。
ふと下を見ると、地べたに1枚だけ生肉が落ちているのを見つけた。
・・・なんと、これは彼(彼女かもしれないが)の立派な犯行の痕跡である。
「おーい、出てこい」さっきのように何度も暗闇に呼びかけるも、もうあいつは出頭に応じることはなかった。
あわれな被害者である我々は、おとなしく残されたエリンギをじゅうじゅうと焼き、バーベキューを終えたのである。
翌7/22(月)、この日は終日阿蘇の名所を巡る旅。
阿蘇の山々を車で駆け抜け、大観峰からカルデラの絶景を望み、噴煙の上がる阿蘇山の火口を間近で眺めた。
そして、まさしく絵本の中にいるかのような景色が広がる葉祥明阿蘇美術館(余談だが、母が熱心な葉祥明ファンだったこともあり、まだ小さいころにここに連れてきてもらったのだが、もう記憶にない)や、午後の紅茶のCMで有名になった熊本県南阿蘇鉄道の見晴台駅にも訪れた。行きたいところ、だいたい全部行けたなあ。とにかく晴天に恵まれてよかったし、勝ち点3+αのものを得られた気がします。
そして、旅の締めくくりは、密かに楽しみにしていた阿蘇くまもと空港!!
某界隈で「西のエスコン」(あるいはエスコンを「北の阿蘇くまもと空港」と呼ぶ過激派もいるとのこと)と称されるスポットとのことで、帰りの便の出発2時間30分前に、気合入れて到着しました。
なるほど言われてみれば、モノトーンな内装もさることながら、質の高い(ついでにお値段もちょっぴり高い)食事処の数々、クラフトビール・お酒の美術館(スタンディングバー)・ワンコイン焼酎自販機と、とにかくあの手この手で酒を飲ませようとしてくる設計などなど、西のエスコンとは言いえて妙であった。僕もまんまと策略にハマり、平家屋のいなり寿司をつまみに、ビールを飲み、焼酎を飲み、したたかに酔っぱらいながら、締めにコッコファームの親子丼をいただいた。最高。
・・・というわけで、僕の遠征記は終了です。
言いたいことはだいたいこの記事の中盤で言ってしまったんだけど、
アウェイ遠征に足を踏み入れるというのは、また泥沼の新しいサポーターとしての扉を開く行為だと思うし、
それこそ、それなりにたくさんのアウェイ旅をしてきた自分ですら、今回改めて焼酎の魅力に気づくという新たな発見があるわけだし、
とりわけ新しくサポになって下さった方にこそ、味スタはもちろんだけど、遠方アウェイ、マジいいよ、って伝えたいのです。
っていう締めの文を、九州で余らせてきた白岳を飲みながら書いているから、どうにも締まらねえ・・・・・・
結論、九州で飲む酒は最高です!!!!!!!!