夜にしがみついて、朝で溶かしてライナーノーツ#3
11.なんか出てきちゃってる
カオナシさんの曲調の後にまたイントロが不穏で続いてる感じがして面白い演出。(演出って言い方でいいの?)
ライブでどんな風になるんだろう。今回のアルバムには歌うというよりも喋るような歌があって、音に乗せる以上の何かが出てきちゃったんだろうなと勝手に解釈して楽しんでます。
一体何が出てきちゃってるのか、、、アレとか、アレとか?
この曲のMVを作るとしたら安直だけど気持ち悪い映像を作ってみたいなどと思う。クリープハイプのメンバーの頭から何か生えちゃってる系の何か、、、
12.キケンナアソビ
初めてHE IS MINEを聴いた時の感情が蘇る。いや、イノチミジカシかな、いや、オレンジか?…とにかく、クリープハイプはエロ本みたいな存在のバンドだと尾崎さん自身が何かで言っていたけれど、まさにこの曲はそんな感じ。言うて直接的な表現はそんなにないから家族でいるときにラジオからだったら流れてきても大丈夫な気がする。(気がするだけ)
MVはちょっと刺激的過ぎてYouTubeで見ようとすると忠告が出てきちゃって、大人でよかった~これはひとりで見よう。とひそかに誓いました。
よく、クリープハイプを好きな人はナントカだとか言われることがあるけれど、表面しか見てないやつに何がわかる。芥川賞にノミネートされるほどの人だということを忘れないでほしい。もっとっもっと奥にあるし、人それぞれ何かに重ねたりそれぞれの解釈で聴いてるだけだよばーか!(急なスイッチ)
でもこのバンドは「3時にいつものあそこで!」みたいな秘密基地のような存在でもあるので、そのままであってほしい気持ちもある。それにしても小説を読んだ後のような感覚にさせるこの歌を作れる尾崎世界観に猛烈に嫉妬してしまいます。その才能が欲しい。
13.モノマネ
「シャンプー」というワードを聴くとすぐに思い出すアノ曲。ボーイスENDガールズの続編と位置づけされた曲と知った時、どんだけワクワクさせてくれるんだ!と山頂から叫びたい気持ちになりました。
「ひょっとしたらひょっとした」ってこと、結構あるよなぁ。最近突然気付いてしまって苦しくなったことを、ちょっと聞いてください。
私は2か月ほど前に養成所を卒業したのですが、最後に卒業ライブなるものがあります。卒業=査定ライブ。マネージャーさんなどが見に来られているので、つまりこのライブでの出来次第で事務所に所属できるかはたまた別の道を歩むことになるのかが決まる人生の中でも結構な一大イベントでした。今までに感じたことのないレベルで緊張していたにも関わらず、あの時の自分の出番のことを嫌になるくらい鮮明に覚えています。出来ることなら私を含めあれを見ていた全人間の記憶を削除してほしいほどに。数週間後、結果が郵送で送られてきて、部屋で一人確認しました。そこには残念ながら~の文字。就活やいろんなライブでの「残念ながら~」なんていくらでも見てきたのに、それらとはまた異なる気持ちでした。ショックといえばそうだけど、妥当と言えばそうで、、、なんなんだろう、これからどうしようと考えていたら気付いたら半日経ってました。(怖)問題はそのあと。同期が他に数組いて、だれが受かって落ちたのか知らないまま時は経ち、情報解禁されたのも見ずに数日Twitterからは離れていた。そして2か月経った今になって「おめでとう!」って連絡してないじゃん・・・と気付いたのです。あまりにも、でしょ?うん、私もそう思います。時空歪んでるのか?Twitterでみんながおめでとう!ってなってるところを見て送った気になってたというか。送らないようにしてた訳ではないのだから逆にタチが悪いというか・・・これだから友達も少ないんだよな私は・・・と自虐的になっていて、でも今更送りづらいし・・・とモヤモヤが止まりません。思ってなかった訳はなくて、でも「待ってろよ!」と逆に燃えてきたというか、そんな気持ちでした。だからもしこれを見ていたらいいなという気持ちも込めて…おめでとうございます!絶対追いつくから待っててください。
14.幽霊失格
「そんな夜を」で始まるので、M-1のトップバッターのモグライダーのネタを思い出してしまった。曲が始まる前に何か会話があったから「そんな」で始まるんですよね?別に気の毒とは思いませんが(笑)だったらイントロの間に会話を想像しちゃいましょう~!って脳内で会話を始めても面白いかもしれません。嘘です。
この曲は犬に例えている部分がありますが、そういえば犬って見えるって聞いたことあるなぁ。2年前に亡くなった愛犬のナナのことはたまに思い出して謝ってばかり。もっと散歩してあげればよかったなとか。その時は実家から車で1時間くらいの場所に一人暮らしをしていたので、ソニ時期実家にはほぼ毎週帰っていたが会うたびに老いていく姿に切なくなったことを覚えている。最後に会った日の帰り、一度車に乗って発進しようとする直前になんとなくこれが最後かもしれないと思って、車から降り、ナナを抱き締めた。その2日後に亡くなった知らせが来た。私は霊感とかそういう第六感?的なものは全くないけど、そういう時って何か感じることがあるもんなんだなと思った。思い出させてばかりだと幽霊失格・・・ナナがいなくなった悲しみに打ちひしがれている時、ある人に「こちらが悲しんでずっと思っていると成仏できないんだよ」と言われたことがあった。その理論でいけばこの歌の主人公は幽霊失格って言ってるけどそうさせてるのは思い続けている主人公の方、になるのかな。
写真にだけ写る美しさとか幽霊ならではの表現で好きだなぁ。でも一番最後のパート(落ちサビ?)には好きが詰まってる。なんでこんなにいいんだろうか。ラスト1曲を残してもう語彙が喪失。
15.こんなに悲しいのに腹が減る
タイトルだけでもう、わかるわかるそうそうそうって首がもげるくらいに共感してしまった。
昨年の夏、辛くて辛くてたまらなくてもう逝ってしまいたいと本気で思ったことがあった。今までだったら、ある程度辛くても「あのライブに行くまでは」とか「これから見届けられなくなるのが嫌」だから死にたくないと思ってた。そうやってなんとかすり替えて生きてきたしそれが自分にとっての普通だった。後にも先にも本気で思ったのはその一度で、その時はこんなに好きなバンドがいるのに、音楽があるのに生きる目的も明日を生き抜く力もなくなり空っぽだった。でも痛いの嫌だし、親に申し訳ないしギリギリのところでほんのちょっとあの好きなバンドの音楽をもう一度生で聴きたいとかいう思いが湧いてきた。そんなどん底にいるときでも、お腹は減ってしまう。もちろん、1食2食くらいは抜いたとしても、結局食べ物を欲する。まさに「こんなに悲しいのに腹は減るのか」と半分呆れながら食欲を満たした。それで私は昨日までの人生は一度終わったことにして、明日から新しく生きていこうと決めた。一度死んだのだから、好きなことやためらっていたこともやってみようと思って養成所に入ることを決めた。お笑いなんてA面の私とは対極にあるものなのに、やりたいと思ってしまったから仕方がない。どうせ死んでるし。みたいな開き直りのような。あと今後の人生はいかにB面を見せられるか、みたいなこともやっていきたい。だから今は死ぬほど売れたいし死ぬほど生きたい。まずはプロになるところからなのですが。笑
尾崎さんのやさしい声とフェードアウトしていくアウトロがまた次を欲して料理に繋がるという最高の流れ。エンドレスリピート。
ごちそうさまでした。
歌詞から思い出したことを中心に書きましたが、言葉だけでは絶対に思い出せなかったこともたくさんあるし、「音」のことは言葉にするのがすごく難しい。なんか、意識のもっと内側にあるものに響いてくるというか。最近いろいろサボってばかりだったので最後まで書ききれたのが嬉しい。こんな機会を作っていただきありがとうございます。
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