探しに探した特例措置
このひとつ前の記事で、箱根の家の売却について書いています。
先にそちらを読んでから、この記事を読んでいただくとわかりやすいかと思います。
https://note.com/midori_tree/n/n8eeaa9bcb3bb
何か行動を起こせば税がかかる...今の世の中では当たり前のこと。一般人であっても、素人であっても、自分でどんな税金がかかりそうか、予め調べておく必要があると私は思います。
不動産関連だけでも、消費税、印紙税、登録免許税、所得税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、住民税、譲渡所得税などなど。ケースによっては相続税、贈与税もかかってくる可能性もある。もちろんこれらの税金に対しての控除や軽減など特例もあるし、課税方法が異なるものもある。これらを誰かに任せっきりにしたり、予備知識を持たずに税務署に問い合わせたりすると、損をしてしまう可能性があるなと、今回の売却で感じました。その記録をここに残しておこうと思います。
売却の場合「譲渡所得金額」を先ず計算することから始めます。計算式は、
譲渡所得金額=譲渡収入金額ー(取得費+譲渡費用) です。
簡単に説明すると、土地や建物の売却価格(譲渡収入金額)から、土地・建物を購入・建築した費用(取得費)と売却の際に直接かかった経費(譲渡費用)を差し引いた金額が譲渡所得金額になります。この計算式で譲渡所得がプラスになれば課税対象、マイナスならば課税されないことになります。
概ねプラスになる方が多いと思います。この計算式で譲渡所得金額がプラスになった数字から、それぞれの売却ケースによって控除や軽減措置などが適用になれば特別控除額として差し引かれ、最終的に税金を納めることになったり、納めずに済んだりに分かれることになります。
さて、今回の私の場合です。23年前に相続で取得した土地と建物です。相続の時に所有権登記等の手続きは全て済ませていて、税金も滞りなく納めています。なんと、明治時代の精算されていない抵当権が土地に付いていましたが、これも自分で手続きをして平成25年に抹消しました。祖母は昭和44年に土地を買って、この土地に住居を建てた。その当時の登記済権利証はある。けれど売買契約書が無い。建築費用に係る書類も無い。つまり、取得費が不明の物件だったんです。
今回の様に購入時の売買契約書などが無く、取得費が不明な場合は、譲渡収入金額の5%相当額が取得費として認められます。例えば、譲渡収入金額が2,000万円だったら100万円が取得費。200万円だったら10万円。それを上記の計算式に当てはめて、出た答えがプラスだったら税額の計算に進みます。でも2,000万円の売却価格が付いた物件が、土地を取得した時は100万円とみなされちゃうんですよ。ってことは、よほど古い売買契約でない限り常識的に考えてもあり得ない額なんじゃないかなと。書類をちゃんと引き継いでおかないとこういう事になってしまいます。
でも無いものは無い。仕方ない。
で、計算すると30万円以上の納税。弟との共有財産のため、今回得るお金は半分ずつに分ける。税金と、譲渡費用と、譲渡費用に入らない経費を支払って手元に残る額は50万円/人以下。箱根の家にこれまで支払ってきた金額は税金も含めて約300万円。ここまで数字を出せば、感のいい方はとても低い額で売却したことがわかっちゃうと思います。それでもこの土地を使ってくれる人がいるならば、私は売却したかった。
それで何か控除や軽減される特例はないかといろいろ探したけれど、なかなか見つからない。譲渡所得税の管轄は、納税者の居住地の税務署になる。先ずはタックスアンサーに相談し、次に最寄りの税務署に電話。状況を説明して何か控除される法律はないかを聞いてみました。電話に応じてくれた税務署の職員から、「ちゃんと図面や書類を見て確認した方がいいかも知れないので、全ての書類を持ってこちらに相談しに来てもいいですよ」と言われ、4月21日の午前中に管轄税務署へ出向きました。
しかしこれが酷かった。
受付が終わって、担当部署へ取り次ぐ職員がいた。その職員は私に「譲渡所得税についての相談は確定申告時期しかしない。決まった計算式でしか税金は計算されないし、税金は公平性を保つため考慮も参考もしない。この相談内容で税務所に来てもいいなんて指導はしていない。誰がそんなことを言ったのか。もしそんなことを言った職員がいたとすれば注意と指導をしなければならない。こういう相談は確定申告時期に相談会場を設けているので、そこでの相談になるから、今日は担当部署にはおつなぎできません。」と。立ち話状態で、誰もが見れる&聞こえる所で職員はこう話し、突っ返そうと必死。私はその場で持参した書類を見せて経緯を説明したけれど、職員は担当部署には行かせない姿勢が強く、「今日のあなたの相談は今ここで私が相談に乗っています。たぶんあなたの物件は控除に当てはまることは何もない。せっかく来てもらったけど、こういう相談は記録も残さないし、担当部署におつなぎすることはできません。今渡す書類は令和2年の確定申告用なので来年の確定申告には使えないけど参考にどうぞ。」と言い、立ちはだかり、ある意味 門前払いを喰らいました。
これが相談に乗っている状況???
でも何で電話に出てくれた職員が「確認した方がいいかもしれない...」と言ったのか。その言葉がどうしても気になった。素人の私の頼みの綱はネット検索しかなく、とにかく調べに調べたら...
あったんですよ‼ 特例措置が。
これを見つけたのは、翌日明け方の4時でした。
今回の売却では、期間限定の特例措置の特別控除が当てはまりました。
それが「低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置」です。
長くなったので、この話は次回に。
先に結果を書いておきます。納税は免れます。
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