科学館レビュー10:大阪市立科学館
◆ポイント◆
日本初の科学館である「大阪市立電気科学館」を前身とする科学館
物理・化学系の展示が特に充実しており、収蔵資料も豊富!
2024年8月にリニューアルオープン!
この企画もついに10本目の記事となりました!
2024年8月訪問。大阪・中之島エリアにある科学館です。リニューアルオープン直後かつ夏休みということもあって、館内は大変混雑していました。
内容
建物は惑星軌道をイメージして楕円形となっており、建物の中央は地下1階から4階まで巨大な吹き抜けになっています。
展示場入り口を入ると、まずは4階までエレベーターで昇り、楕円の外周を惑星のように周回しながら、だんだん下っていくような順路となっています。4階は宇宙や物理、3階は化学、2階は身近な科学をテーマとした展示内容となっていました。
独自性★★★★☆
どの展示も面白く、よく練られていると感じましたが、個人的に一番気に入ったのは、月の満ち欠けに関する展示。自分が地球になったつもりで、くるくる回りながら、月の満ち欠けを直感的に理解することができます。
また、各階の窓際を探すと「偏光ステンドグラス」という展示があり、偏光板を通して科学館の入り口付近を見ると色づいた絵が現ます。窓をうまく活用した目を引くデザインで、親子で不思議がっている様子が印象的でした。
地域性★★★★☆
地域と科学のつながりに関しても、展示内容が充実しています。産業とのつながりや、大阪大学・大阪市立大学での研究など、多くの面積を使って展示や解説がされていました。
現物展示★★★★☆
実物周期表をはじめとして、現物が豊富に展示されています。天文学・化学・物理学などに関連する資料が、2000点以上収蔵されているそうです。
最先端★★★☆☆
前身となった電気科学館の頃の展示から、最先端の研究内容に関連した展示まで、幅広く解説されています。全館リニューアルしたばかりということもあって、これまでのいいところを残しつつ、内容がアップデートされたようです。
対象・客層
文系でも楽しめるか★★☆☆☆
エレベーターで4階に出ると目の前に巨大な太陽の立体映像があったり、磁石を動かすとモールが動いて花が咲いたように見える展示など、見た目にインパクトある展示も多く、ワクワクした雰囲気が空間全体に満ちています。また、体験型の展示も多く、つい自分で試してみたくなるような工夫がされています。
理系でも楽しめるか★★★★☆
展示方法が工夫されており、知っている内容でも楽しみながら見て回ることができそうです。電気科学館を前身としている名残なのか、特に物理系の展示が豊富に感じました。
また「化学」についても珍しくワンフロアが割り当てられており、展示が充実しています。
大人も楽しめるか★★★☆☆
科学の歴史や社会とのかかわりなど、読み応えのある展示も多く、大人も楽しめると思います。
子供も楽しめるか★★★☆☆
特に2階は身近な科学の内容をベースに、楽しみながら科学に触れることができるスペースとなっており、にぎやかな空間となっていました。
イベント・設備
サイエンスショー・実験教室★★★★☆
3階のサイエンスステージでは、物理や化学に関連したショーが行われています。空気についてのショーを見たのですが、単純に見て面白いだけでなく、なぜそうなるかの検証や、しっかりとした解説がされており、非常に良い構成だと感じました。
プラネタリウム★★★★☆
プラネタリウムのドームは直径26.5mと大きく、さまざまなプログラムが上演されています。学芸員スペシャル番組を観たのですが、解説も上手で、夏の星座にものすごく詳しくなりました!
お土産コーナー★★★☆☆
展示場出口にお土産コーナーがあり、オリジナルグッズやオリジナル書籍も販売されています。
その他カフェなど★★★☆☆
地下1階の広場にカフェがあり、プラネタリウム投影機を眺めながらひと休みすることができます。
基本情報
広さ★★★★☆
展示場の面積は3000㎡以上。サッカーコートの半分ぐらいの面積があります。
交通の便★★☆☆☆
大阪メトロや阪神電車、京阪電車の駅から徒歩数百メートル。最寄りのバス停からも数百メートル歩きます。ちょっと不便な立地かも?
所要時間★★★★☆
ざっと見て回るだけでも1時間以上、じっくり回ると半日以上滞在できそうです。
「実物」「本物」「生の現象」にこだわっているということもあり、科学を楽しむ文化の醸成というテーマを大切にしていることが伝わってきました。地元大阪に関する展示も充実していて、この科学館ならではの展示内容も豊富です。
あえて気になった点を挙げるとすると、入場する際やプラネタリウムのチケットが、QRコードにも関わらず自動化されていなかった点でしょうか。係員の方が順番待ちの列を一人ずつチェックする方式は改善の余地がありそうに感じました。
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