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「自分の好きは自分で守る」ことは難しいよねっていう話。

突然ですが、「最強の推し!」という曲をご存知でしょうか。
鈴木愛理さんという方が歌われている、ドラマ『推しが上司になりまして』の主題歌とのことで。私はこのドラマを見れていないんですけれども、この曲の存在はYouTubeにおすすめされたことで知って、その歌詞に感動というか……そうだなあ、心惹かれたんですよね、とっても。

というのも実は私もオタクでして。漫画・アニメでは名探偵コナン、Vtuberではにじさんじから剣持刀也さんが好きなんですよね(推しに敬称を付けるのもどこかむず痒いですが呼び捨てにするのは身内ノリが過ぎるかなと。にわかではないです叩かないで……!)。どちらもかなりのガチオタです。剣持さんについては一年半くらい、コナンはもう六年とかになるのかなあ。グッズを集めるのも結構好きで、学生の身ながら限られたお小遣いを必死にやりくりしつつ、結構買い込んでいた時期もありました。推し以外に対する欲が無さ過ぎて子供の頃からしていた貯金が役立った。
とまあ、こうして並べてみれば、それなりに充実したオタク生活を送っているなあと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、私のオタ活には、最大の障壁がありました。

親がオタ活に理解がない。

いや、まあ、正直分からなくもない。子供の頃は漫画やゲームが悪いものだと制限してきた親からすれば、自分の子がコナン(=漫画)にガチになるなんて青天の霹靂でしょう、それも悪い意味で。それでも嫌な顔をしつつも最初は強硬手段に出なかったのだから、それは感謝してます。ええ。
ただ子供というものは、大人の機嫌にはやはり敏感なものでして。
言葉では時々チクチク刺してくるレベルでも、やはり空気感というか、なんというか。ああ認められてないんだなあって感じる瞬間が多々ありますよね。

まあそのビミョーな空気感が最後に生み出すものなんて一つしかないわけですよ。
起こりました。大喧嘩。
といっても数年前のことですが。

具体的な内容は長くなるので割愛しましょう。とにかく簡潔に言えば、その一件だけが原因では全くなく別件も色々絡んだ挙句、現在私のグッズは監禁状態にあります。
唯一救い出せたのは剣持さんと相方の伏見ガクさんのぱぺっと、計4体のみ。他は全部ゴミ袋に詰まってタンスの中。
私は今現在浪人生なんですけれども、来年の受験が終わったら売りに出せと言われています。

まあそこに至るまでに、私に至らない点があったのは言うまでもありません。先の大喧嘩の一件以来家で和やかに話す気にどうしてもなれず、また親も度々推しの悪口を言う。好きなものを貶めされては私も余計に機嫌が悪くなるばかりで、けれどそれに反論しようものなら更なる親の「三種の神器」の一つ、「スマホ没収するよ!」が飛んでくることが火を見るよりも明らかでした。だから更に無口になるばかり。現役時代の受験によるストレスや、インターネットを介したネッ友たちとのやり取りも親の気に食わないことの一つだったのでしょう。更に言うならば、親も更年期である、というのも理由の一つかもしれません。

ともあれ、現状はこんなもので。けれど私はグッズは好きだし買うけれど、すごい執着があるわけではありません。先に書いた通り、元々が物欲が薄い人間なので、グッズに愛着はあれど、正直推しを見ることができるならなんとでもなる精神性はしていますから。

とは言っても、これだけは本当にキツいんだよな、と言うことがありまして。前置きが長くなりましたが、これが私がこのエッセイで一番叫びたいことです。

好きなものの悪口を聞くの、マジで辛ぇ。

マックに行ってはコラボ中のコナンの画像を見て眉を顰め、私がコラボ商品でないバーガーを注文すると「よかったよかった」と笑いながら褒められる。家で親がドラマを見ていれば、そのドラマの内容が倫理観にそぐわないもの(なんでそんなアブノーマルなやつを見ているのかと言う疑問も湧きますが)であればそれを私のネッ友付き合いやコナンに結びつけて全てを批判する。それに反論すると悲惨なことになるので私はその場では何でもない振りをして、後で推しの歌を聴きながら一人涙するわけです。日々演技力を磨かされている気がしてなりません。私はいつの間に俳優養成所に入所したのでしょうか。

あ、そうそう。これは不幸中の幸いなんですが、幸い親にはまだ私が剣持刀也さんを好んで見ていると言うことはバレていません。もうね、ぱぺを見られた時は必死にコナンのキャラクターだと誤魔化しました。あの時の誤魔化しでアカデミー賞主演女優賞取れると思う。その結果コナンに二倍三倍の憎悪を向けられることとなりましたが二つの界隈のどちらも被弾するよりは集中砲火の方がマシでしょう。私のメンタルのために(ごめんよ名探偵)。

そんな環境にいると、自然とタイトルのような感情が湧き出てくるんですよね。「自分の好きは自分で守る」って難しくね?と。

この言葉、実は冒頭で取り上げた「最強の推し!」の歌詞の一部なんです。

確かに側から見たなら私は正気の沙汰ではない
だけど人生を賭けるだけの価値があるから仕方がない
心配ご無用 至って正常

自分の「好き」は自分で守る
これが私の曲げないルール
たとえ誰かに何を言われても

「最強の推し!」/鈴木愛理

この歌詞のように、誰かに何を言われても自分の好きを貫き通す、というのは、なかなかどうして難しい。
特に否定してくる相手と自分の間柄によってはいっそう困難になるわけです。

私の場合は親に否定されているわけですが、言われる内容としては

  • 企業に洗脳されてる

  • 宗教みたいなものでしかない

  • 親が頑張って稼いできたお金を家に還元もしないでくだらない物に注ぎ込んでる

エトセトラエトセトラ。
そんな風に言われ、「あなたの価値観はおかしい!」と断言されると、どうしても自分の根幹を揺さぶられている気分になるんですよね。
推しは私にとっては誰より尊敬している人たちです。
自分もそうありたい、こういう人間になりたいと思い、指標に据え、目標にし、元気と勇気、それから夢を与えてくれる存在たちなんです。
そこを否定されると……ねえ。もう何を信じていいか分からなくなりますよね。

さて、ここまで書いておいてようやく言うのもなんですが、このエッセイには結論はありません。
タイトルから何かを期待して来てくれた方がいらっしゃったらすみません。でもこれはただ、私の心情を吐き出しただけの文章なんです。
私はまだこの難しさにどうやって向き合って、付き合って、どう解決していけばいいのか分からないんです。
私自身がまだ道半ばなので。

とはいえ、そんな尻すぼみで終わってしまうのも何だか悔しいので、私が時々元気を貰いに行っている剣持刀也さんの配信を一つ紹介して終わりたいと思います。Cパート、いわゆる配信終了後のまとめの一言に定評があるとファンの間で評判な彼の配信ですが、非公式Wiki(有志によって作成されたにじさんじの非公式データベース)に名言まとめが作られるほどの彼の言葉の中に、一際好きなものがいくつかあります。これはその一つです。

今後あなたの人生にどんだけ大きな障害が出たって、あなたを怒る上司が現れたって、先生が現れたって、世界があったって。それ全部僕がもう吸い込んだことあるやつだから!っていう感じで捉えればね、なんか、いいんじゃないですか。しょぼく感じて。

【気持ち良すぎ】全てを巻き込みデカくなるゲーム【塊魂アンコール】/剣持刀也

ゲームの内容を知らないと何言ってんだこの人?ってなるかもしれませんが、一度ぜひこの配信を見てみてください。という布教も兼ねて。

それではここら辺で。お読みくださりありがとうございました!

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