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【愛知県豊根村】若葉のふるさと協力隊2023 活動レポート

4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊
今年も8月から11月にかけて日本各地で開催しています!

今回のレポートは、8月に実施された愛知県豊根村からです。

5日間の様子をコーディネート役を務めた30期緑のふるさと協力隊・益子さんにレポートしてもらいました。

●日 程:2023年8月18日(金)~ 8月22日(火) 4泊5日
●参加人数:4名




1日目 8月18日(金)

役場担当者さんと東栄町までお迎え。
東栄町からの道中、開けた場所のない木々に囲まれたカーブばかりの山道と「コンビニもスーパーも村内にない」ことに驚いていたのが印象的です。
役場で改めて自己紹介と今回のプログラムを確認し、村長にご挨拶。
 
夕食はレストランみどりでチョウザメカツ丼を頂きました。
店主さんから豊根の暮らしの話を聞いたり、会話をしていくうちにみんなの緊張も少し解けてきた様子。
緑のふるさと協力隊OGである店主の奥様手づくりのチョウザメストラップをお土産にプレゼントしていただきました。
 
5日間の活動拠点となるチャレンジラボ空の家へ移動。
夜は愛知一高い山、茶臼山で星空観察。
この日は運よく霧もなく晴れて、地元の人も見たことのない珍しい銀河鉄道のように連なった人工衛星「スターリンクトレイン」が見えて盛り上がりました。


2日目 8月19日(土)

富山地区のとみやまの里で村岡さんご夫婦にお世話になり、特産品のゆずみそ作りをしました。
味噌やみりんなどが入った鍋を20分以上交代で火にかけ混ぜる作業は、暑くて夏場には大変な作業です。
10時のお茶休憩の文化に初めて触れたり、聞きなれない方言について質問したり、特に商店や診療所のない富山地区での暮らしの話は学びが多かったです。完成したゆずみそと希少な二ホンミツバチの蜂蜜をお土産に頂き、みんな喜んでいました。
その後は、静岡県浜松市との県境に位置する秘境駅 大嵐(おおぞれ)駅やヘリポートを見学し、昼食はコーヒーショップ栃の木で取りました。とみやまの里で作ったばかりのゆずみそをお店の味で食べてみたい!と、ゆずみそカツ定食を注文しました。
 
午後は三沢地区にある加工体験館をお借りして豊根の特産品のブルーベリーを使ったジャム作り。
今回使用したブルーベリーは加工館前のブルーベリー畑で収穫したものを管理人の黍嶋さんが譲ってくださいました。入っている砂糖の量に恐怖を感じながら作ったジャムでしたが、とても美味しくできました!
 
夜は豊根ドームで行われた納涼まつりへ。
立ち並ぶ屋台を楽しんだり、盆踊りに参加しました。今回のお祭りの目玉は村の企業による豪華賞品の抽選会!当選者が発表されると周りから歓声があがりました。村民同士が皆顔見知りであることに都会との違いを感じて、驚いたようでした。
若葉の参加者も2人、BOXティッシュが当たりました!


3日目 8月20日(日)

茶臼山の麓にあるグリーンステージ花の木で森の教室に参加しました。

午前中は元森林組合の方に山の役割の話を聞き、実際に自生している木や草花の観察をしながら森の散策をしました。解説をしてくれた皆さんは虫や草花の知識を沢山持っていて、質問するとなんでも教えてくれるのがすごかったです。

続いて、豊根の伝統料理 五平餅作り体験。
うまく串に握りつけられず苦戦していると、パっとスタッフのお母さんが手直しをしてくれてあっという間に綺麗な五平餅が完成!
手作りくるみ味噌の焼きたて五平餅は絶品でした。

午後は木工体験でモルックとしまうための木箱、そして木製キーホルダー作り。
みんな工具は不慣れで歪んでしまった木箱も、地元のお父さんたちの手にかかれば簡単に綺麗な形に。
ないものは作る・壊れれば直して使うことが当たり前な山間部での生活で培われた技術が垣間見えた瞬間でした。


4日目 8月21日(月)

三沢地区の坂口農園さんでじゃがいもの収穫と大根の種まきのお手伝いをさせていただきました。
オリエンテーションでは園主の坂口さんが「百姓仕事は休憩の方が多いくらいでやるのがコツ」という話にとても驚いていました。

午前中のじゃがいも収穫では男爵とキタアカリ、珍しい紫色のシャドークイーンという品種を収穫しました。土を掘りおこす係とじゃがいもを探す係を自分たちで自然と分担し協力しながら作業を行う姿に、4日間の団結力を感じました。

昼食は園主特製のカズヲカレー。
農園で栽培された夏野菜の素揚げをたっぷり乗せたカレーはとても美味しかったです。

午後は大根の種まき。しゃがむような姿勢での作業は中々大変。
今回は広い畑の一部を4人で作業しましたが、普段はおふたりで全て畑の管理をされていてそのすごさと大変さを身をもって感じられる体験となりました。
 
夕方からは報告会準備と懇親会準備。
役場の地域振興課の皆さんが流しそうめん用の竹を切り出し、セットしてくださいました。

空の家で行った活動報告会には役場の地域振興課や地域おこし協力隊、地元の方など12名が参加してくださいました。
たくさんの活動写真を貼った模造紙には活動中の楽しそうな様子がびっしりまとめられています。4日間でお世話になった活動先や空の家での共同生活の中で感じた都会との違い、村の良さ・気が付いた問題点など一生懸命発表してくれて、最後とても楽しかったと言ってくれたのが嬉しかったです。

報告会後は懇親会をしました。流しそうめんとBBQ、そして参加者の皆さんに持ってきてもらったバラエティー豊かな一品料理が並びとても豪華でした。ゆっくり話をしたり、子供たちとスイカ割りや花火も楽しんで、あっという間な時間でした。


5日目 8月22日(火)

最終日の朝、5日間の拠点である空の家の掃除をしてもらいました。
 
役場で終了証の授与式と、村長に挨拶を行いました。
村長からは「今回豊根に集まった4人の縁をぜひ大切にしてくださいね」とお言葉を頂きました。
 
東栄駅12時前発の電車に乗ったのを役場担当さんと見送り5日間のプログラムは終了しました。


【参加者の感想より】

・野菜も動物も人も近くにある村での暮らしを通して、人間生活の本来あるべきことを発見し、体験できたと思う。東京では人とすれ違う回数が多く、スーパに野菜があり、動物園があったとしても遠くあると感じる。そのため、それを近くに感じさせる力が村にあるのだと実際に行き分かった。

・先の見えない将来に対して日々不安を抱いていましたが、豊根村での5日間を通して、そういった不安が取り払われたように思います。「大丈夫、どうにでもなる」という気持ちが湧き、肩が軽くなりました。それは、人とのつながりが充足していたからかもしれませんし、地に足の着いた生活を目の当たりにしたからかもしれません。

・今回の4泊5日の経験で村の方々の強い繋がりを知ることができました。電波が通りにくいことや、物資の調達が大変なこと、救急車がくるのに時間がかかることなど、様々な不便なことがあると思いますが、これらを村の方々の繋がりで補って生活されていると考えました。豊根村さんのような素敵な地域が日本に増えていくことを願っています。

・村について「何もないところだよ」と語る方もいましたが、そこには「何でもできる」多才な方が集まっていると感じました。また、窓辺に座っているだけで虫の声や雨風の音などいろんな音や動きが感じられてまったく退屈しなかったのを覚えています。私たちが簡単に語る「何もない田舎」には、本当はたくさんのものがあって、気づいていなかっただけだったんだな、というのが大きな気づきとなりました。


【地域の方の反応】

みんな「遠くからよく来てくれたね」といっていて、豊根の外から来た人を温かく迎え入れていれてくれる人柄の良さを改めて感じる瞬間に沢山出会えました。
また帰り際には「また遊びにきてね」「来年以降の緑のふるさと協力隊として豊根にぜひ!」と、今後も豊根との関わり続けて欲しいという思いが感じられることが多かったです。


【緑のふるさと協力隊・益子さんの感想】

コーディネーターとして大変だったこと
一番大変だったことは日程調整でした。
既に日時が決まっているイベントに合わせた日程組みと、村長挨拶など役場の都合、参加者を募りやすい日時など2か月前に行った日程決めは決定後に日程変更を行うほど悩むことが多かったです。同時に、様々な都合があり妥協も必要な中で、自分がやりたいことや優先したいことが分からなくなることもありました。
また、若葉開催1か月前になってもまだ詳細や開催可否さえわからないイベントもあり、なかなか内容が固まらないことへの不安も大きかったです。

「若葉のふるさと協力隊」を通して学んだこと・感じたこと
協力隊を受け入れる側の大変さを身をもって知れたことはとても良い経験でした。沢山の人が動いて、受け入れに協力してもらっていることを再確認し感謝の気持ちが一層強まりました。
今回「いつもお手伝いを頑張ってくれて助かっているから」と、サービスをしてくれた活動先の方々が多くいらっしゃいました。豊根にきてから若葉開催までの4か月の間、今までの私の活動の仕方でみんなの役に立てているのか不安になることもあった中で、このような言葉をかけて頂いたのは本当に嬉しかったです。
移住から2か月ほどしか経っていない中で準備を始めて、魅力を伝えられるほどの知識量や人脈のなさへの不安が大きかったのですが、このプログラム企画・実施を通して、村の皆さんとの繋がりの大きさや温かさを改めて感じる機会が多くありました。その結果、村の一番の魅力は「ヒト」であることに気が付いたと共に、魅力を伝える立場と学ぶ立場の両方を体験する良い機会となりました。
また、若葉の参加者の反応を見て、私が4月に豊根に来た時に感じた新鮮な感覚を改めて思いだし、一層今後の活動を頑張ろうと思いました。

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