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【岡山県鏡野町】若葉のふるさと協力隊2024 活動レポート

4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊
今年も8月から11月にかけて日本各地で開催しました!

今回は、10月に実施された岡山県鏡野町からです。

5日間の様子をコーディネート役を務めた31期緑のふるさと協力隊・太田さんにレポートしてもらいました。

●日 程:2024年10月19日(土)~ 10月23日(水) 4泊5日
●参加人数:2名


1日目 10月19日(土)

午後 どんな人が来るのかいろいろな気持ちを抱えながら、スタート!
 13時に津山駅で参加者を迎えた後、鏡野町内の観光スポットである、奥津湖(苫田ダム)、奥津渓などを回りました。車で走行しながら苫田ダムができた経緯を説明しました。また、岡山県北部で瀬戸内芸術祭が開催されており、鏡野町にも3か所ほどスポットがあるので、そちらも見学しました。
 夕方、のとろ館でオリエンテーションをした後、のとろ温泉へ。露天風呂からの景色がとてもよかったと感動していました。その後、今回の寝泊まりする場所である、富地区にある五葉邸へ。
 今回は東京、大阪と2人とも都会から来ており、田舎の生活や環境に興味がある方でした。目的がはっきりしていることもあり、疑問に思ったことは遠慮なく質問するなど社交的な人で少し安心しました。

夜 歓迎会BBQ
(ひらめ!? 海の魚じゃなくて川の魚だったの!?)
 夜は五葉邸で協力隊OBの池田さん、森本さん、地域の人1人、参加者2人と私の6人で歓迎会BBQを楽しみました。肉や野菜とともに鏡野町の特産品であるひらめ(鏡野町での呼び名で、アマゴという川魚)も炭火でじっくり焼いて食べました。参加者2人は炭火で焼いたひらめをとても美味しそうにいただいていました。地域の人の参加者がひらめの加工場で働いている人だったので、ひらめについてたくさん質問していました。


2日目 10月20日(日)

午前中の活動① 富地区の朝市で談笑
 毎週日曜日の朝8時から10時の間に富地域の住民が運営している白賀朝市があり、遊びに行きました。この朝市は、近くに住んでいる方が育てている野菜を持ってくるほか、地元の人たちが集まって談笑する場にもなっています。地元の人も若葉の人たちに興味を持ち、「どこから来たの?」「普段、何をしている方なの?」などいろいろ聞いていて、緊張することなく笑顔で答えていました。参加者側からもどうやって生活しているのか、昔はどんなことをしていたのかなどたくさん質問をしており終始楽しそうに話していました。帰りにはぶどうをいただき、移動中にみんなで食べました。

午前中② 上斎原ふるさと祭り 婦人会の手伝い
(さっさとうどんを売り捌いて、祭り楽しむよ!)

 その後、上斎原地区に移動し、上斎原地区でふるさと祭りがおこなわれていたので、日ごろからお世話になっている婦人会の手伝いをしました。婦人会で出した食べ物はうどん。この日はかなり冷え込んでいたため、うどんがよく売れて忙しかったですが、参加者の2人はトッピングの盛り付けを一生懸命手伝い、婦人会の方々とも積極的に話をするなど楽しんでいるようでした。
 うどんが売れて、客足も落ち着いたとともに、他の出店も回りました。めだか、フリーマーケットなどたくさん見て回りましたが、昔の貴重な戦車のプラモデルの展示に目を引かれ、ブース展示者の方と長々と話していたのが印象的で、時間が少ない中楽しんでくれたようで良かったです。

午後 水田さん家 農作業(電柵はずし)
(水田さん家で電柵を外してみた!ついでにテレビの取材も受けてみた!!)

午後は、上斎原地区でお世話になっている水田さん家の農作業。この日は獣よけの電柵の取り外し作業。農作業と言っても収穫とは違う作業だったので、農業経験者の参加者も新鮮な気持ちで取り組んでいました。水田さんが農作業の大変さと楽しさを説明して下さり、2人とも興味津々に話を聞いていました。作業の様子をテレビ局が取材に来ており、参加者が取材を受けましたが、日ごろからテレビの取材を受けていると感じるほど非常にてきぱきと質問に答えていて驚きました。帰りには水田さんが参加者2人に新米を提供して下さり、とても嬉しそうでした。


3日目 10月21日(月)

午前中 田中さん 落花生、秋野菜収穫、昼食づくり体験
(感動づくしで心もお腹も満たされる!)

 富地域に住んでいるひとときの田中さん家で活動。もともと京都から移住された方で、10年ほど前に夫婦で鏡野に移住。
 活動内容は落花生収穫、大豆、シカクマメ、ナス、ムカゴなど各野菜の収穫。お昼ごはんは取った野菜、落花生等を使って全員で協力しながら昼食づくり。5種類の具から3種類の具を選んで作る手作りおにぎり、むかご、シカクマメなど8種類もある山菜のてんぷら、小鉢のコシアブラのおひたし、そして石窯で焼いたサツマイモと非常に豪華な昼食を作りました。普段食べないような山菜ばかりで、美味しさのあまりに私も含め全員感動。昼食後は、外にあるコスモス畑でティータイムの時間を用意して下さり、それにも感動。青空の下でなぜここに移住したのか、鏡野の生活スタイルについてなどいろいろ聞いていました。
 この活動のすべて、そして受け入れてくださった田中さんのホスピタリティなど、感動尽くしで、参加者2人とも目が生き生きしている印象でした。

午後 白賀渓谷散策、富地区の歴史の学習!
 富地域のことを知るうえで欠かせない白賀渓谷とたたら製鉄を、白賀渓谷を守る会の佐古さんに説明してもらいました。白賀渓谷の概要、歴史、富地域の言い伝えなど、参加者はもちろん、私も白賀に関しては知らないことも多かったので、勉強する良いきっかけになりました。
 参加者たちは、都会では実感できない大自然を心行くまで楽しんでいました。

夜 傘踊り&銭太鼓 体験
(傘って回していいの?)

 午後の活動終了した夕方に温泉に入った後、普段私が携わっている傘踊りと銭太鼓の体験をしました。触れたことのない銭太鼓と傘踊りに興味津々の印象でした。初めて踊ったこともあり、全然うまくいかない!と嘆きながらも一生懸命取り組んでいました。動きが激しかったのか参加者が汗をかいたため、お風呂にもう一度入りたい要望があり、傘踊り体験終了後に瀬戸川温泉に入ることに。その日は2回温泉堪能するという少しリッチな経験もしました。瀬戸川温泉は私も初めてだったので、ちょっと新鮮でした。


4日目 10月22日(火)

午前中 高山さん家 菊芋掘り体験&昔話を聞く。(菊芋って聞いたことはあるけど?)
 午前中、奥津の羽出地区に住んでいる高山さんのお宅にお邪魔して、菊芋の収穫をしました。菊芋の収穫は、参加者だけでなく私も初めてだったので、同じ境遇で楽しむことができました。菊芋は土の中深くまで生えているので、掘っても次々と出てくる菊芋に対して宝探しのように夢中になって掘っていました。
 その後は、鏡野町に纏わる昔話の話を「民話語りの会 かじか会」のメンバーである中西さん、美若さん、小椋さんの3人が一人ずつ話してくれました。鏡野町の地名として残っている人形峠の昔話、姥捨て山の話など、2人とも真剣に耳を傾けていました。
 昼食は、民話語りの会の方と高山さん夫婦、さらに地元の人で協力隊OBでもある須田さんの奥さんと取り、掘った菊芋の天ぷら、煮つけにしていただきました。その他、ゴーヤの酢漬け、赤飯のおにぎりまで用意して下さり、全員大満足でした。菊芋の食べ方、この地域で食べる食文化(鹿、猪、うさぎ、タヌキを肉にして食べる)などの話題で盛り上がっていました。

午後、夜 活動報告会、懇親会
(今回の総括!そして、リラックスして最後の地域交流!)

 1日目から4日目のことをまとめる活動報告会。2日目の夜からどんな内容でどんな形で発表するのか話し合っていたので、午後の3時間でスムーズに作業が進められ、模造紙1枚にうまくまとめられていました。発表もこれまでの活動で学んだことを緊張もありつつも楽しそうに話していて、聞いている私も嬉しくなりました。
 懇親会では、役場の方と今回の活動でお世話になった方々、鏡野町の緑の協力隊のOB4人、そのほか地域の人約20人が参加して下さり、中華オードブルを食べながら歓談を楽しんでいました。


5日目 10月23日(水)

午前 ひらめの餌やり体験
(ひらめの秘密に迫る!)

 富地区にあるひらめの養殖場にお邪魔しました。ひらめの特徴は赤い斑点があるのが特徴でたくさんあるほどおいしいなど、それぞれの疑問を質問することで、ひらめの理解がさらに深まった印象でした。さらに餌やりの体験もさせてもらいました。全体に満遍なく餌をやるのがコツなので、考えながら取り組んでいました。
 その後、役場の人との挨拶、お土産を買って、昼食を済ました後、時間が余ったので森本さんが津山駅周辺を案内して、無事に津山駅に到着。それぞれ見送りながら駅を後にしました。


おまけ


今回、宿泊した五葉邸の前の芝生で、早朝、やぎが2頭放されていました。参加者が2日目の朝にヤギを偶然発見したところ、毎朝ヤギを飼っている石原さんという方がこの場所で放しているそうです。それ以降、最終日まで毎朝のようにヤギと触れ合ってから活動に出向くという生活スタイルでした。かわいいですね!(名前はゼゼとポポというそうです。)


【緑のふるさと協力隊・太田さんの感想】

「若葉のふるさと協力隊」を通して学んだこと・感じたこと

 私自身も緑の協力隊になる前の去年、一昨年の2回それぞれ別の場所で若葉のふるさと協力隊に参加していたので、若葉の要領は、ある程度分かっていましたが、それでも受け入れる側になると大変なことが多かったです。特に大変だったのは2つあります。
 一つはスケジュール組みです。地域の人との関係を築くことから始め、その中で遠くから来た参加者がすごく濃い5日間にするには、どの活動を入れてどの時間に組み込むのか考えるのが大変でした。今回組んだスケジュールは天候によって大きく左右されるリスクがあったので、代替案も考えなければならず、ネタ切れになったらどうしようと考えるなど、不安が尽きませんでした。
 二つ目は実際に場を回すことです。スケジュール通りにこなしていくだけで、今回は、天候よる影響はあまりありませんでしたが、色々なことへの「気遣い」の連続でした。受け入れ側であることを意識しすぎて途中からあまり楽しめなくっていました。それでも、地域の人が協力して下さり、参加者は都会の生活ではできない体験と地域の人との交流をたくさんできて大満足の様子で帰られたので、逃げずにやり遂げられてよかったと心から思います。地域の人からもたくさん助けられ、この地域の人の温かさを改めて感じた出来事でした。


「若葉のふるさと協力隊」を振り返って

 若葉のスケジュールを組み込むまでの期間はまだ地域の人と深く関係が築けていない状態だったので、その状況で協力依頼をするのも勇気が入り、やり遂げられるか不安でした。それでも、受け入れを協力して下さり準備して参加者をおもてなししてくださった地域の方々、事前準備や当日の運転など協力して下さった森本さんには感謝しかありません。
 同時に人にお願いする時の姿勢、打ち合わせの段取り、大きなプログラムを運営していく中での事前準備、運営中にやることなど、若葉の協力隊で学べたこともたくさんあり、一つの自信になったほか、これからもっと積極的に活動を頑張っていこうという気持ちにもなりました。別の機会で今回の経験が生かしていきたいと感じました。


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参加者の皆さま、ご協力いただいた鏡野町役場をはじめ鏡野町の皆さま、ありがとうございました!

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