若葉のふるさと協力隊2024 参加者感想文【中編】
2024年度全国11か所で開催した、4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊」。
参加した方々に感想文を書いていただいたので、その一部をこちらでご紹介します。
①「温かい人ばかりの諸塚村で感じたこと」 活動先:宮崎県諸塚村
緑に囲まれて田舎体験をしたい、学生のうちに色々経験したいという軽い気持ちでこの活動に参加しましたが、想像以上に実りある5日間を過ごすことができました。
正直活動に参加するまでは小さな村に関心を持ったことすらありませんでした。山奥での農業は平地に比べて生産性が低いことに加え、生活しやすい都会に人々が移ってしまうのは避けられないため、山奥の小さな集落が消失してしまうことは仕方のないことだと思っていました。
しかし、実際に諸塚村で過ごしてみて生産性や便利さ以外にも大切なことがたくさんあると実感しました。
活動中に味噌の麹作りのお手伝いを行なったとき、子供がこの味じゃないと駄目だから送ってやっているのだと嬉しそうに話す様子をみて、地元の味、家庭の味があるって素敵なことだと感じました。
また、諸塚村の人々は本当に温かい人ばかりでした。村の皆が繋がっていて、家族のように気遣い、支え合って暮らしている様子はとても印象的でした。
そして今回お世話になった全ての方が初対面にも関わらず暖かく迎え入れてくださり、食べ物をご馳走してくださり、体調や今後の予定などを気にかけてくださりました。
諸塚村の人々の優しさに触れたとき久しく感じていなかったような温かい気持ちになり、人との関係が希薄になるばかりの街中で暮らす私にとってはとても幸せな時間でした。
5日という短い期間だったのも関わらず温かさのおかげで距離が縮まり、諸塚村の人々がただの他人ではないような感覚になっています。今はやりたいことがあるためその夢に向かってしばらく街中で頑張ってみようと思っていますが、諸塚村の温かさを忘れることなく繋がりを持ち続けていきたいです。
そしてこのような地域がこれ以上減らないように自分にできることを模索するとともに、都会に暮らす人々にもこの温かさに触れてほしいと感じています。
街中の雰囲気に疲れて温かさを感じたくなったらまた諸塚村に遊びにいきたいです。
②「イキイキ」 活動先:宮崎県日之影町
宮崎県日之影町は、イキイキとした人たちでいっぱいでした!
初めて市役所前に着いた瞬間、「ここに住んでみたい!」と本気で感じるほど山々の景色は圧巻でした。
初日の夜に行われたバーベキューでは、緑のふるさと協力隊の大宮くんが一生懸命食材を集めてくれて、役場や町の人たちが手伝いに来てくれてちょっぴり感動しつつも、みんなで炭を焚いたり料理したり、わいわいした感じが本当に楽しかったです。
特に地元の人たちののんびりした雰囲気が僕は好きです。町の人との日常の会話など何気ないことでほっこりしてました。
民家に泊めて下さった甲斐智佐世さんが私たちに涙を見せてくれたこと、忘れられません。
この5日間で、たくさんの人と深く接することができて、僕にとって最高の思い出になりました。みなさん元気にされてるでしょうか。
忙しいなかお手伝いにきてくださった、河野くん、井ノ久保さん、甲斐未有希さん、関さん、滝川さん。
体験の際にたくさんのお話を聞かせてくださいました、寺尾さん、小川さん、甲斐哲也さん、横山さん、岡田さん、菊浦さん、田中さん、みなさんの優しさが今でも心に残っています。
宮崎さん、宮本くん、本当にお疲れ様でした!
そして、ともに頑張ってくれた大宮くんには大感謝です。
日之影町、ありがとう。バンザイ!
③「感想」 活動先:福島県川内村
私にとっては2回目の「若葉のふるさと協力隊」への参加でした。
1回目は大学4年生の終わりに友人と参加し、今回は社会人になってから1人での参加でした。前回の楽しい思い出と、社会人として3年間働き今後の自分の人生とやりたいことを考えるようになって、ふとこのプログラムを思い出し、参加を決意しました。
私にとって福島県はゆかりのある地ではなく、東京から近いことやプログラムの日程を見て申し込みを決めたため、事前情報もほとんどない状態での参加でした。まず、川内村に到着しての第一印象は”広い”でした。私の想像する協力隊の派遣先は、狭隘な土地で人口も少ない“田舎”だったため、川内村は道路や橋が新しく、コンビニもあり驚きました。そして、この3泊4日のプログラムを通して、ゆったりとした時間の流れや地域の人との交流などここにしかない魅力を感じることができました。
今回、特に楽しい時間を過ごした3つの思い出があります。
1つ目は遠藤きのこ園でのシイタケの収穫体験です。
初めての経験で楽しかったことはもちろん、社長である遠藤さんの経営に関するお話はとても勉強になりました。また、3.11の震災後の地域について、地元、そして経営者としての視点でのお話はどれも興味深いものでした。
収穫したキノコをお土産としてくださり、3日目のBBQの際にいただきましたがとても肉厚で美味しかったです。
2つ目は地元の方も参加してくださったBBQです。
同世代の方が集まってくださり、たくさんのお話をすることができました。川内村が地元の方もいれば、地域おこし協力隊や大人になってから移住した方など、色々な方のお話は、今の私にはとても考えさせられるものになりました。実際に派遣先となるような地域に住んで感じることなど生の声を聞くことができ嬉しかったです。
3つ目は協力隊の大槻さんと参加者の3人だけでカフェ「秋風舎」に行ったことです。
3日目のお祭りが早く終わり、時間ができたため急遽大槻さんの提案で連れて行ってくださいました。カフェではゆっくりした時間が流れ、とても良い時間でした。前回参加したときは参加者が多く、また様々な体験をさせていただいたきました。そのため派遣された地域やそこでの生活、また自身のことをお互いに話す機会は少なく、今回そのような話をできたことで、このプログラムのことをより具体的に身近に考えることができたと感じています。
今回、このプログラムに参加してとても良かったと思っています。前回とは感じること・考えることが違い、自分にとって良い経験となりました。
受け入れてくださった川内村の皆様はもちろん、コーディネートしてくださった協力隊の大槻さんにはとても感謝しています。
ありがとうございました。
④「記憶が街をつくる ―生きられた空間としての白峰―」 活動先:石川県白山市
地域創生に関する各地での取り組みを実際に見てみたい――。
そんな思いから若葉のふるさと協力隊に応募して白峰で過ごした5日間。結論から言えば、非常に濃密で学びの深い5日間だった。
この白峰での活動で自分の印象として最も感じたことは、町の歴史や記憶が形となって今街を生きる人々に継承されているということだ。
このことは、やはり緑のふるさと協力隊の皆さんと白峰の住民の皆さんが強く結びついて様々な生業に従事しているところから強く感じられた。
例えば、白峰の名産品である栃餅を売っているお菓子の小売店や林業、福祉施設など様々な場所で緑のふるさと協力隊の方々が地域の仕事に従事しており、25年という協力隊の活動の中で昔からの白峰の生活が実態を伴って今を生きる人々に継承されているということが如実に表れていた。
また、以前婦人会で行われていた三味線の演奏を協力隊の方が学びに行き、再び白峰の中で演奏のためのコミュニティが生まれるといったように、生業に限らず文化全般においても、緑のふるさと協力隊の方と地元の方とのつながりの中で再生産が行われていた。
また、住民の方の中でも文化の再発見や維持は行われており、かつて白峰全体で作られていたものの年が経つにつれ作られることがなくなっていた大根寿司に関しては、地元の方たちが作り方を習い継続して作るようになり、現在では商品という形で多くの人が食べる機会を持てるまでに至った。
このように街を生きる人々の中で紡がれてきた記憶や歴史を、今を生きる人々が自身の生活の中に取り込みながら再生産していく様相はまさに生きられた空間と呼べるだろう。
これはひとえに白峰の古くからの隣人にもよそ者にもオープンで分け隔てのない気風と、緑のふるさと協力隊の長年の活動によって白峰という地域に愛着を持つ人々が継続して現れてきたことにあると考える。その証左こそが、白峰に滞在し住民の方々の語りを聞いたり営みに参画したりする大学村や我々若葉のふるさと協力隊の存在だろう。
もちろん、こうした空間を維持されていくのは簡単なことではないだろうし、町の外観というハードの面で見れば、歴史的な街並みを残すことは補助金の助成基準の問題などから住民の方々にとって課題は存在する。
また、かつて存在していた映画館などの建物は消え、火災の影響で大きく街並みが変わってきたという歴史もあることから、まったく同じ外観の空間を維持することは難しい。
しかし、そうした町のダイナミクスに常に人々が関わり、自分たちで主体的に街をつくってきたことこそが生きられた空間そのものであり、安易に地域を記号化した町にしてしまわない点に私は白峰の魅力を感じた。
地域創生は地域ごとのケースバイケースであり、こうした白峰の取り組みが他の様々な地域に適用できるわけではないが、地域への愛着と熱意という点において私はこの先過疎が進んでいく地域において忘れてはならないことだと再認識することができた。この白峰を生きる人々の姿勢を胸に刻み、自分も地域創生問題に真剣に取り組んでいきたい。
最後になりましたが、白峰の皆さん、緑のふるさと協力隊の皆さん、この5日間本当にありがとうございました!
おまけ(事務局より)
農山村の地域づくりに取り組むプログラム『緑のふるさと協力隊』の第32期(2025年度)隊員の二次募集が始まっています。(2025年1月15日(水)まで)
『緑のふるさと協力隊』は、農山村の暮らしや生き方に興味がある若者と、地域を元気にしたい農山村を結ぶ1年間のボランティアプログラムです。来期で継続32年目、OBOGは全国に850人以上います。総務省が行っている「地域おこし協力隊」のモデル事業であることはあまり知られていません。あなたが変わる一年間、そんな"1年"をぜひ過ごしてませんか?
☆申し込み方法や資料請求など、詳しくは下記ホームページまで☆
今期よりオンラインでの申込も受付しています。まずは、こちらからお問い合わせください。
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