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「観察者」から「生活者」へ

【OBOG体験談】大学休学編
 第24期協力隊 高知県大川村派遣
≪Profile≫
大学4年生を休学 ⇒ 緑のふるさと協力隊として高知県大川村で活動 ⇒ 1年間の活動を終えて大学に復学、就職活動 ⇒ 大学卒業 ⇒ 民間企業に就職

協力隊に参加しようと思ったきっかけ

休学して何処かへ行きたい、そう考えていた時に協力隊のポスターを見かけたことから始まりました。

もともと農学部で、農業サークルにも所属していたので、農山村へはよく訪れる側でした。訪問すればするほど地域に精通するようになりますが、いつまで経っても「お客さん」。大阪市内で生まれて育った私からすると「生活者」としての実感をなかなか持てないことに限界を感じていました。

将来どう生きていくか、覚悟を決めるためにも、自分の視点を増やしたい。大学での研究ではどうしても学習者ー対象者の枠組みになってしまう。
ならば、自ら農山村に飛び込むしかない、そう思い休学を決めました。

幸い、緑のふるさと協力隊は生活していくだけの環境が保証されており、地域おこし協力隊と違って「実践」より「経験」、つまり暮らすこと自体を目的にしています。まずは「知る」ことから始めたい私にとってはうってつけのプログラムだと感じ、応募しました。

サブ

休学する決断をしたときの周りの反応

今だから話しますが、正直なところ家族からは大反対を受けていました。
海外留学ならまだしも、名も知らない農山村で一人暮らすなんて想像がつかないし、行かせられないと。
でも私はどうしても行ってみたいと思っていたので、何とか家族を説得して参加しました。
1年間の活動期間を終えて変化した私を見て、今は理解してもらえたと思っています。

友人や大学の先生は、私のことを「そのうち、どこかへふらっと行ってしまいそう」と思っていたらしく、休学して協力隊に参加することを話すと、「予想通り」という表情でした。活動期間中もひょっこり村に遊びに来てくれました。家族からは賛成してもらえなかったので、理解・応援してくれる人がいるのは大きな心の支えでした。

復学後、学生生活での変化は?

農山村のくらしを「自分ごと」として語れるようになったことが大きな変化です。

授業の中で論じられている「農村」が大川村と比べてどんな違いがあるのか、日本の農山村の中ではどんな位置づけなのか、大局観を得られたことは大きな変化でした。
過ごした時間は短いですが、1人の生活者から見たとき、その土地への考え方など主体者として捉えられるようになったと思います。
大学に戻ってきてからは、学びに納得感が生まれました。

休学前はそのまま大学院へ進学するつもりだったのですが、戻ってきてからは真逆。早く就職したいと思うようになりました。

村に暮らす若者が高校を卒業してすぐに働いている姿を目の当たりにしたこともありましたし、だんだんと元気がなくなっていく村の様子を見ているうちに「ずっと観察者のままじゃ、そのうちに村が失われてしまう」と危機感を覚えたことが大きかったです。

今思えば、自分の意志と仲間さえいれば、どんな環境だろうと「したいこと」ができたかな、もうちょっと落ち着いて考えればよかったな、と悔いる気持ちも少しありますが、これはこれでよかったかなと思っています。

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就職活動の面接での反応は?

休学期間として「何を」「どこで」「何を思って」活動していたのか、それを経験して「どう変わったのか」を尋ねられました。正直なところ、具体的なエピソードまで掘り下げて話が盛り上がるかどうかは五分五分でした。面接官の方自身のルーツが農山村にあるとか、興味が近いところにあればお話ししやすいのですが、テーマが「暮らし」と抽象的で、ましてや定量的な成果を持っているわけではないので、評価がしづらかったのではないかと思います。

ただ、協力隊のお話をすることで自分自身の視点がどこにあり、どんな視座を体験してきたかは伝わるので、企業との相性を見定めるうえではよい判断基準になったと感じています。

相手がどんな環境にいる人であれ、やってきたことに自信と情熱をもってお話すればきっと伝わるものはあると思います。

未来の隊員に向けて

感性と情熱はナマモノ。感動は一生モノ。

「やってみようかな、どうしようかな」と思う気持ちが少しでもあれば、ぜひ一度相談してみてください。
学びでもよし、ふるさとが欲しいもよし、自分を変えてみたいでもよし。やりたいこと、なんでもできます。

思い切って一歩踏み出してみませんか。

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