「ふるさとマルシェ出展者からのメッセージ part5」~緑のふるさと協力隊を経験して~
過疎化・少子化に悩みながらも地域を元気にしたい地方自治体と、農山村での活動や暮らしに関心をもつ若者をつなげるプログラムとして1994年にスタートした『緑のふるさと協力隊』。
これまでに108市町村で850人以上の隊員たちが活動してきました。
2024年9月21日(土)22日(日)、東京国際フォーラムで開催される「第20回ふるさと回帰フェア2024〜日本全国ふるさとマルシェ」では、緑のふるさと協力隊の経験を活かし、全国各地で生業をみつけ定住しているOBOGの活躍を紹介します。
第21期隊員として、高知県大川村で活動をした和田さんからメッセージをいただきました。現在は、派遣先であった高知県大川村に定住され、現在は農業を中心として活動を続けるかたわら、村議会議員として日々地域づくりに奔走されています。
①隊員時代の思い出エピソード
〇大自然の中での暮らし
四国山脈の真ん中にある大川村は、周囲がすべて山に囲まれています。飲料水は川から直接引いており、家の前の畑にはシカやイノシシなどの野生動物が出没します。自分で釣った川魚の塩焼きや、村の方からいただいたジビエのBBQは絶品でした!
〇住民との交流
大川村は人口400人ほどの過疎地ですが、老若男女問わず魅力的な人がたくさんいます。狩猟の名人や田舎暮らしの達人のおばあちゃん、祭りを手作りして村を盛り上げる人…。村ならではの素敵な出会いがたくさんありました!
②協力隊の一年と移住定住、今の仕事への繋がりについて
農業や田舎暮らしに興味があったので、農家の手伝いや草刈りを中心に、高齢者宅の訪問や地域行事への参加など幅広い活動に取り組みました。
緑のふるさと協力隊の1年間で、大川村の全ての集落を回り、ほぼ全ての村民の方と交流をしました。人々の温かさや地域の魅力に触れると共に、村の課題や住民のニーズも見えてきました。
その後、地域おこし協力隊等を経て大川村に定住し、現在は村議会議員と農業を中心に、ラーメン屋や行商、草刈りアルバイトなどをしながら生計を立てています。緑のふるさと協力隊での経験が、今の仕事に大きく生かされています。
③お店の紹介
「大川村のかりんとう」は、私が住んでいる井野川集落で40年ほど前から作られています。生産者は地域の農家が中心で、私の妻のおばあちゃんやお母さんが中心メンバーです。最近、妻も製造に関わり、親子3世代に渡って味や製法が受け継がれています。
地元産のほうれん草や柚子、トウモロコシなど7種類の味があり、甘すぎなくて素材の味が楽しめると評判です。お客さんから「ひと袋があっという間になくなってしまう」という声をいただきます。
村のお母さんたちの手作りの味を、ぜひお楽しみください!
④次の協力隊になるかもしれない "あなた" へ
「お金に換えられない価値」ー。よく耳にする言葉ですが、新卒で入った会社で働いた時、現代社会の価値基準はお金で作られているのだと痛感し、生きづらさを感じました。
その後、緑のふるさと協力隊として大川村で活動し、様々な生き方があるのだと知りました。莫大な財産や社会的地位がなくても自分らしく生きている人たちに出会い、私の人生の方向性が見えました。
こうした気づきは、緑のふるさと協力隊がボランティア活動であるという点が大きいと感じています。緑の1年間での経験は、良いものも悪いものも全て「お金に換えられない価値」になりました。皆さんの一歩が、実りあるものになるよう願っています。