当たり前なんてない。心疾患児に起きる日常のグレーについて
娘の体調について書いていこうと思います。
初めて会う方や娘の体調を知らない方に「こういうことあるんです」っていうテキスト必要だなって最近感じていて。
見た目で分からない「内部疾患」ということで、伝わりにくいこともあるかなと思ってます。
風邪のような明らかな症状がない、いわゆる「グレー」な体調の日も多い。
この場で記載させてください^^
こんなに大変だったんだよー、とか思ってほしいわけでは全くないですw
事実をありのままに知っていただきたい!
子供って元気に生まれてくるのが当たり前だと思ってたた考えが180度変わった出来事。知っていただけたら嬉しいです。
今のチームの皆さん、本当に理解があって有難い。
ちなみに・・・
TOP写真は入院中ずっと見ていたモニターですw
この数字見て一喜一憂していた日々が懐かしい。
治療歴
生後2日に心疾患が分かり、現在根治手術が終わっています。
病名は「エプスタイン奇形」。
心疾患の中でも珍しい病名で、心臓の弁の病気です。
右心房と右心室の間にある三尖弁の位置が心臓の内側に落ち込んでしまっているので、三尖弁の奇形ということになります。
これによって血液が逆流したり滞留するため循環が悪くなり、サチュレーション※が下がる。少し動くとしんどくなったり、息がハカハカしたり、顔色や唇・手足の色が悪くなるチアノーゼの症状が出ます。
数年前、国が指定する難病医療費助成制度の対象疾病(指定難病)になりました。
※サチュレーション:血中酸素濃度。一般的には95~100%。
(引用:https://medical.jiji.com/medical/007-0077-01)
エプスタイン奇形の中でも症状は様々で、自覚症状のない軽度~娘のように手術して手術の必要がある最重度まで幅広いです。。
以下、簡単に娘の治療歴を。
①生後6か月:スターンズ手術
②生後11か月:グレン手術
③(1歳2か月:横隔膜を下げる手術)
④1歳6か月:フォンタン手術(TCPC)
⑤4歳:肺動脈をまっすぐにする手術
⑥4歳:血種を取り除く手術
6回の手術。うち5回は開胸手術。頑張ってますね・・・。
一番最初のスターンズだけ、心臓を止めて行いました。
心臓を止めるってスゴイですよね。
手術に対しての知識がそれほどなくて、且つこの直前に急変していたので、とにかく治してほしい一心で手術室へ送り出しました。
事前に知識とかあったらどうなっていたことか・・・。
知らないほうがいいこともありますね(笑)。
この手術歴に加え、手術のない年には全身麻酔をして行う心臓カテーテル検査を受けて、心臓の状態や血管の状態を検査していました。
保育園卒園まで、毎年何かしらで入院。
手術があるときは最大3か月病院で暮らしていました。
最重度ということで完治するものではなく、今は根治。
今後は定期検査を受けて不具合が見つかったら適宜治療をする、という感じになります。
娘は覚えてる?
娘に「手術のこと覚えてる?」って聞くと、ほぼ記憶にないそうで。
「手術室に入るときに、看護師さんがお話してくれた」
「足首とか、首に注射したのが痛かった」(点滴とるときのことです)
注射は少し苦手だけど、入院自体は好きでw
入院中はパパかママが必ずいるし、DVD見放題だし、何より看護師さんや先生に会うのが大好き。
複雑だけど、本当に色んな方のサポートでここまでこれたんだなって思うと感謝しかないですね。
今の娘の心臓
通常心臓には4つの部屋がありますが、娘の心臓は3つで動いてます。
スターンズ手術・グレン手術・フォンタン手術を通して循環を変えていて。
(フォンタン手術とは、下大静脈を肺動脈につなげて、すべての静脈血がそのまま肺へながれるようにする手術のこと。)
幸い左心室・左心房は問題なかったので通常です。
日常生活の支障は現状なく、チアノーゼの症状はありません。
サチュレーションも99%。
トレッドミル負荷検査という、どのくらいの強度の運動をするとどんな心拍数が出るのかの検査結果も「フォンタン児ではかなり動ける」と判断いただける数字。
(こういう検査です。マスクが大変そうでしたw)
本当に奇跡的に、心臓の動きはとてもいいです。
■学校生活(補足)
階段の上り下りも問題無し。
体育も普通に参加してます。
学校生活管理指導表も、低学年のうちは「E」判定。
但し水泳・マラソンは見学しています。
(とはいえ、全校マラソンの時間はマイペースで校庭を走り、先日100週達成しました・・・スゴイw)
■偉業(さらに補足)
娘の希望でチアダンス習ってるんですが、大会出てます・・・。
どう説明したらいいんだろうwどうなてるんだろうw
執刀医の先生も驚いてます。
「無理しないようにね」と前置きありつつも、応援してくださっていて。
人間の身体ってすごいですよね。
こんな症状でます(娘の場合)
心疾患児ちゃんたちの症状って十人十色。
あくまで娘の場合を書いていきますね。
■爪の色が悪くなる
血液の循環の関係で、手足が以上に冷たいことがあります。
娘はこの場合は不調な日のサイン。
爪の色って皆さんピンクが普通だと思うんですが、娘の不調時は爪の色が紫になります・・・。
足の爪も顕著。
「寒い寒い」と訴えたら様子みるようにしてます。
→最近この症状が多いです。
寒暖差や疲れかなー。
■唇の色が紫or白に近いピンク
寒い時に顕著に出るのが唇の色。
よく子供がプールの授業で寒くて震えているときに唇紫になってますよね。
仕組みはあれと同じです。
あと、最近分かったのは、しんどくなるもう1つのケースがあるということ。
貧血ぎみ?のときに、唇の色がほぼ城に近いピンクになります。
あと口の周りが白っ!ってなる。
これは数回しか経験がないんですが、血の気が無い。
この症状が出ると回復に時間がかかってます。
■急に寒がる+サチュレーションが急降下する症状
これは娘の他聞いたことが無いのですが・・・
急に寒い寒いと訴え顔面蒼白、サチュレーション※を図ることができないくらいのチアノーゼが起きます。体温も35℃台に低下。
その後数時間で急に39℃代の発熱。
サチュレーションも99%くらいに戻ります。
そして数時間で平熱に・・・。
コワイですよね・・・。
半年に1回くらいのペースで起きているので、自宅で起きた場合は「寒い寒い」と訴えて顔色が白い時は、即湯たんぽ作ります。
毛布で全身グルグル巻きにして手・お腹・足を温めます。
今のところ全て自宅で起きているので対応できていますが、学校で起きたら・・・
担任の先生・保健室の先生・校長先生にも共有していて、学校で症状が出たら念のため救急車を呼んでいただくことになってます。
学校で症状が出ませんように。
ちなみに我が家、この症状を把握できるためや、気休めにはなるんですが、パルスオキシメーター買いました。
心拍数とサチュレーションを図れる機械。
簡易版だと思いますが、結構正確な数字が出るんです。
恐らくフォンタン手術前の数字w
こんなに小さい手でも測ることできました。
■朝起き上がるのに時間がかる
頭は起きているんですが、身体が追い付かないことがあります。
心臓の循環の関係であろうと。
血圧がなかなか上がらないのかなぁ。
前日の疲れ・寒さに弱い傾向。
なので起きないといけない時間の30分前くらいには、余裕を持って起きるように言ってます。
なまけとかではないので、ここは今後もうまく付き合っていきたいですね。
■しんどいと動けない
さっきまであんなに元気だったのに、急に横になって動かなくなることもあります。
完全にスイッチをオフにしたくらい、返事だけしかしないw
ずっと横になってます。
幸い学校(私の目の届かないところ)で、この症状が出たことはないのですが。。。一緒にいるときは何回もありますね。
こういうこともあって、私の娘への声掛けで「無理しなくていいよ」というのが定番化してます。
ーーー☆
こう見ると結構ありますね。
症状が出る前って、母の感なのか何なのか、毎回察します。
重症化する前に対応できてるからいいのですが、やはり行動範囲もどんどん広がってくると不安が尽きないですね。
心疾患児の家族として
そんな大それたことではないのですが、私の想いや今の気持ちを書きますね。
急な体調変化、風邪症状のように前触れのない不調・・・。
これがあるから私は理解者でありたいし、寄り添ってあげたい。
以前は罪悪感に苛まれながら保育園へ送り仕事へ、やっぱり呼び出しがあったり、翌日体調が回復しないで「なんのために働いているの?」って自問自答する日々でした。
また仕事を辞めて娘に付きっ切りを決意するも、そういう時に限って体調が好調で「仕事できたかも」等々モヤモヤしていたので・・・。
私が今のワークスタイルになってから、娘の症状に寄り添いつつ、私も仕事が出来るという事で本当に精神的にラクになりました。
娘も「ママが今日は家にいて、何かあってもすぐに来てくれる」という安心感があったようで、「今日はちょっと身体が疲れているから学童お休みして帰ってくるね」とか「今日は元気だし●●して遊びたいからお迎え遅くていいよー」って自己申告してくれるようにw
ライフスタイルとワークスタイルのバランスがとれているなーと、こういうことを考えるたびに充実感というか、満たされている感覚になります。
娘に心疾患がなければ、私が働き方を模索することもなかったし、今の会社で働いていないと思います。
そして、こういう病気があること、治療、執刀医の先生や看護師さん、入院生活、そして子供の将来・・・
ものすごく視野が広がったし、考えるようになりました。
私視点になりますが、私にしかできないことってあると今は感じてます。
空回りしないように、役割をはたしていきたい!
そして娘が障がい者手帳を持って社会に出る15年後、少しでも選択肢が増える世の中になっていたら母嬉しい。
そして娘も「心疾患があるから」ということをネガティブに捉えるのではなくて、「私だからできること」をポジティブに変換して、自分らしさを発揮してもらえたら最高かなと。
私はそのためならいくらでも頑張れる!
これからも病気とは上手に付き合っていきたいものです。
今回も読んでいただきありがとうございました☆
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