英語論文の書き方(基本の構成と過程)

こんにちは。NYの音楽家、英語コーチのみどりです。今回は英語論文の書き方の基本中の基本についてです。大雑把に言って、introduction、body(本文)、そしてconclusionから成り立っています。意外かもしれませんが、この中で一番書くのが難しいのがintroduction!なぜかというと、introductionでは、このペーパーにどんなことが書かれているか、という要約が必要だからです。要約、というとconclusionと同じような気がしてきますが、少し違います。Introductionは、これからこのペーパーを読もうとしている人が、ペーパーのトピック、どんなことについて書かれているか、ということをざあーっと理解するためのもの。一方conclusionは、本文を読んだ人に持ち帰って欲しい大切な情報をギュッとまとめたもの、そんな役割です。なので、最初のintroductionではあまり深い話はしません。この記事では、ペーパーの基本の構成と、その過程について書いています。


Introductionは最後に書く!

意外かもしれませんが、introductionは最後に書くのが賢明です。なぜかというと、結局最初に書こうとして意気込んで何時間もかけて書いたところで、本文を書き終わった後に、「あれ、introductionで触れなかったことについてたくさん書いちゃったな」というようなことが往々にしてあるからです。なので、ここではintroductionについてはまだ触れません。

とりあえず書き始めない!まずは何が求められているか確認。

実は書いてしまった後で、重要なポイントを外していたりして後悔したりすることがよくあります。もっと残念な場合は、一生懸命夜も寝ずにペーパーを書いて提出した後に、教授から「ポイントがずれてる」と言われてしまうことです。(涙) なので、まずは何が求められているかを把握します。これ、本当に大事です。

トピックが指定されている場合

例えば、"Compare and contrast Beethoven's three periods"というようなお題だった場合、まずはベートーベンの3つのperiodsが出てこなければなりません。第一periodだけたくさんペーパーに登場してあとはほんの少しだけ、というわけにはいかない訳です。ここで分かってくるのが、それぞれのperiodを比較するに必要なくらいの情報収集をしないといけない、ということですね。

自分でトピックを決める場合

セメスター最後のタームペーパーとかによくあるタイプです。これ、好きなお題を決められるから楽なようで、実はすごく難しいです!何もないところから自分であれこれと決めていって制限を設けるのって、誰かに制限を設けられたものを「はいどうぞ」って渡されるより、ずっと時間も労力もかかるのです。お勧めはもちろん興味のあるテーマですが、情報収集に時間のかかるものは選ばない方がいいです。タームペーパーって大体情報量がたくさん必要なので、面白いトピックだったとしても参考文献がほとんどないようであれば、締め切りまでにいいペーパーを書き上げることはできません。

とにかく情報収集する!

ペーパーを書き始める前にこれが重要!これを十分にしなければ書きたくても書けない!知らないことについてはあれこれ話したり書いたりできませんよね。当たり前のことですけど、結構忘れがちです。どこまで情報収集するか、というと、これはある程度は感覚なのですが、タームペーパーで10くらい引用のソースがあれば、それなりにサーチしたのだな、という想像がつきます。理想は、古過ぎない(過去10年以内くらいの)本やジャーナル記事がバランス良く含まれていることです。本だったら頭から全部読む必要はありません。必要な箇所だけ読んで、あとはまた別の文献を読みます。ノートの取り方にもコツがありますが、それについてはまた今度。

情報収集が済んだら、書けそうな事柄について箇条書きにしてみる

この段階では文章にしなくて良いです。単語だけジャンジャン書いてみてください。スペルとか気にしないです!日本語でも良いのでぱっぱと書いてみてください。自分のノートを見て、あ、これとこれは一緒の段落に入りそうだな、と判断して決めていきます。ポイントは、一つの段落は一つのことに絞る、ということ!あれもこれも書きません。これ面白そうだけど段落にするには情報が足りない、という場合は、それについて再度情報収集をしましょう。もし関連情報が見つからない場合は、それは今回のペーペーに必要な情報ではないのかもしれません。もしくは、『情報がないけれどとても大事!=現在知られている情報の穴』ということになるので、その重要さについて書くこともできます。

間違えを直さない!

箇条書きにする段階でもそうですが、いざ本文を書くときも、文法やスペルは気にせず、ガンガンジャンジャン思いついた順に言葉をだーっと書きます。日本語が混ざっていて結構!要は、「あれ?これなんていう単語だったっけ。調べよう。」とか、「この時制間違ってるな、直そうっと。」とか、頭の中にある情報を前に出す作業に邪魔が入ると、「あれ?私何言おうとしてたんだっけ?」ってな悲しい状況に陥るので、それを避けるのです。

単語と単語を繋げながら文章を作っていく

まずは自分が分かればいいので、どんどんと単語を書いていってみてください。それから、文章にしていきます。主語述語、目的語をここで初めてちゃんと意識しながら文を作っていきます。新しい単語を調べて使用するのも良いでしょう。ここでも、大体の文章が出来上がるのが目的なので、あまりキチキチと文法を完璧にしようとしません。

自分の本文を要約してみる

本文が書き上がったら、それぞれの段落で何を言っているのか自分で要約してみます。声に出して言ってもいいですし、書いてみるのもいいでしょう。もし要約できなければ、その段落で言おうとしていることが曖昧か、いろんなことについて書こうとし過ぎてる可能性があります。

Conclusion、introductionを書く

要約できたら、それがconclusion、そしてintroductionのもとになります。Conclusionとintroductionの基本的な違いは以下の通りです。Conclusionは「私のサーチの結果、これこれこういうことが分かりました(もしくは分かりませんでした←情報がありませんでした)、ということを書くところ。一方introductionは、これからこういうことについて書きます、というスタンスです。もっと高度な論文になるとこれも変化してくるのですが、説明が複雑になるのでここでは触れません。

ライティングセンターに持って行く前に自分でプルーフリーデンングする

プルーフリーダーは、スペルなどもちろんチェックしてくれますが、最低限は自分でやっていきましょう。なぜなら、プルーフリーダーに、できればコンテンツのclarityや全体のorganizationについても目を通してもらいたいからです。結構忘れがちなのが、プルーフリーディングしてもらう時間、そしてそれをもとに直す時間を予定に組み込むことです。ライティングセンターが混雑する学期末などは予約が取れなくてみてもらえない!なんていうことにもなりかねません。早めに予約をしておきましょう。締め切りの最低1日前にはプルーフリーディングしてもらって、直しも入れましょう。

いかがでしたか?結構いろいろな過程があるので「あ〜、しんどい」と思うこともあるでしょうが、そんな時はこれを経てなりたい自分になっている自分を想像して楽しく乗り越えていきましょう!!


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