月ノ美兎1stワンマンライブ 「月ノ美兎は箱の中」を観たはなし
月ノ美兎はおもしれー女。
そんな風に言われることが多いと思うし、実際わたしもそう言う事がある。
様々な企画や配信でデビューから4年も経とうしている今でも驚きや笑いをくれることの多い彼女の初ライブが先日あった。
歌をメインに据えて活動してきたわけではない彼女だけれど、時たまやる大人数が集まるライブや歌企画、ライブなどで披露する歌には魅力があって、ずっとずっとソロライブを個人的に待ち望んできた。
本当に、本当は現地に行ってすべてを観て感じたかったけれど、チケットが当たらなかったり、諸々の事情によりネットチケットでの視聴。
行けなかったのは悔しかったけれど、それでも筆を取らなければと思うくらいにはいいライブだったので、ここに感情を残しておくことにする。
開演前~ウラノミトまで
直前配信
にじさんじでは恒例となったライブ直前配信。
出演者へのインタビューのようなものもあるのだけれど、今回はいつもと少しだけ様子が違った。
月ノ美兎さんは月にいるらしい。
静凛さんや樋口楓さん、剣持刀也さんのお祝いの言葉を月で聴く姿。
まるで普段の小ネタを挟んだ雑談配信のようなノリにライブ前に浮ついた自分の心が少し落ち着いたような感じがあった。
この後に起こる事も知らずに……。
1.開演
開演前BGMに「雲は流れて」。
元はフリーのBGMなのに、この曲を聴くと月ノ美兎さんだなと感じるようになった。
もはやテーマ曲と言ってもいいかもしれない。
ライバーが配信中にかけているBGMはYouTubeのフリーBGMであることが多い。(中には有志のリスナーであったり依頼して作ってもらった曲あると思う)
そのため、Youtuber……Ytuberであったり他の動画や配信を見ていてる時にふとライバーが使っているBGMを聴くとその人の顔や配信が思い浮かんだりする……しない?
開演時刻を過ぎると徐々に音がバグっていく。
壊れたラジオのように同じフレーズが繰り返される。
後ろにはラジオのノイズのような音が混ざっている、新生みとらじのOPのようにラジオの周波数をチューニングしているみたいだ。
ただの開場前BGMじゃないのマジで粋。
2.月の兎はヴァーチュアルな夢をみる(OP映像)
ここに繋がるカァ~~~~~~~~~~!!!!
先ほどライブへの緊張感をほぐしてくれた直前配信を思い出す。
月ノ美兎は月にいた……。
映像は月から飛んでいき地球の大気圏へ突入していく「箱」。
「箱」の中身は丸まって眠る委員長。
予感通りお台場、今回の会場であるZepp Diver city TOKYOへ落ちていく。
会場に到着した「箱」が物理的にステージ上に運ばれてくる。
こんな粋な演出があるのかと膝を打ってしまった、まだ歌っていないのに。
それにこの「箱」!!!
「箱」の元ネタは月ノ美兎さんが出したエッセイ「月ノさんのノート」だ。
この中に書かれているあるイベントの時のやべー出来事が元になっている。
今だから笑い話になっているけれど、リスナー側からは軽々しくネタにするのも正直憚られる話。
それを自分のはじめてのソロライブのタイトルやテーマにする。
それがどういった意味があるのか、尖っているなとか月ノ美兎さんらしいな、なんて感想くらいで、終わりの時まで本当の所、わかり切っていなかったように思う。
3.光る地図
先ほど運ばれてきた箱の中からぴょこんと飛び出てきて歌い始める姿がウサギのようでかわいい。
光る地図、わたしはアルバムの中で上位で好きな曲なんですが、個人的に絶対このバチバチのイントロからライブに入って欲しい!!!という思いがあり、流れ始めた瞬間ウオオオ!!!と声が出てしまった。家の特権。
光る地図の不思議な魅力のあるサウンドが、月ノ美兎のライブの世界に突入するのにぴったりだな、などと思っていたのでマジ感謝。
背景映像も100%いい意味で今までと一線を画しているなと感じる力の入りよう。
電子の世界のバグのような、PS1のソフトにあったLSDの世界のような。
新生みとらじで使っていた古のブラクラのオマージュがあったりと芸が細かい。
そんでそんでARカメラがまたすげーーーーんだ!!!!
わたしは一期生ライブ「initial Step」ではじめてその破壊力を味わったわけだけれど、今回は月ノ美兎さんだけに一生スポットが当たって使われるわけで。
超美麗推美顔超超超謝謝茄子。
4.ウラノミト
この曲も個人的にOPにぴったりだと感じていた曲なので役満です、ほんと感謝…………………………ワンツーフィニッシュ……。
MVのフリを完全再現していてこれまたかわいい、かわいい。
特にAメロの足を左右に振ってリズムを取るようなフリが本当に好きでずっと見てしまう。
間奏でいきなり登場新衣装でお尻からひっくり返ってしまった。
心の準備が出来てないがすぎる、え?2曲目です。
新衣装の自分と一体になって着替える演出も最高。
また一段進化して、新しい姿を手に入れたんだなという感が強い。
全くそんな意図はないだろうけれど、ちょっとロックマンのボス撃破後っぽいなと思ってしまった。
MC1回目~ウェルカムトゥザ現世まで
MC1回目
起立気を付け着席でコールアンドレスポンス、なんだか懐かしいまである。
みと夏でやったようなやらなかったような記憶が蘇る。
様々なイベントに出てきているけれど、一人のイベントは本当に久しぶりなんだとここで改めて実感。
トーク中にもいろんなところが動く新衣装に目がいく。
頭の耳は身体を揺らすたびに前後左右に揺れるし、腕章も実際につけていると良くなるぐるぐる回るやつが再現されている。
あと、左足についてる風車に視線がいく!
足元の揺れモノってあまりないイメージがあるので珍しさと綺麗さに目が奪われる~!!
背中側の髪のグラデは正面からでは見えづらい所、AR背面カメラでカバーできているし、前から見たときだけに見えるスカート内側が、地面に零れた油が日の光で綺麗に見えた時のような色で素敵。
どの角度どのタイミングで見てもどこかが特徴を出してくる、とてもいい衣装だなと3Dになってなお感じた。
5.魅惑の巴里サーカス急行!
にじくじ……………………………………。
この曲はあの伝説の番組「にじさんじのくじじゅうじ」の2期OPを飾った曲。
まさかこの曲を選ぶとは、歌うとは。
当時毎週水曜日21時をまるでドラえもんを楽しみにしている子供のようにワクワクして待っていたのがぶわーっと思い返されてぐっと来て涙ぐんでしまった。
上部モニターにもデカデカとにじくじのハイライト映像が流れるし、オタクはもうだめ。
この曲もめちゃくちゃにフリがいい!!!!!
TUKADUのところで汽車のように動くのもかわいいし、指揮者のようなフリに左右に飛び跳ねて足を伸ばす所も最高。
スクショ禁止なので伝えきれているか……伝われ!!!!!
んで、歌もさっきまでがダメとかなんとかじゃなく、MC挟んでから120%以上の歌唱力に振り切ってない??大丈夫???MCで雑談挟んで力が増すの、委員長らしくてとても良い。
6.こんがらがった!
ちょうど1年前のクリスマス歌配信で歌っていた曲!!
2曲連続で長く追っていればいる程盛り上がるタイプの曲を並べてくるの、OPといいセトリの組み方上手い上手い。
感想は入る前の指でびしっ!とこっち差してくる所、めちゃくちゃによくないですか?わかるよね??
7.ウェルカムトゥザ現世
ライブで聴きたくて聴きたくて仕方ない曲キタ!!!!
なんか舞台袖からキタ!!!!!!
謎ノ!??!?!?謎ノナンデ!?!?!?!?!
実際こんなテンションでした。勢いだけで生きてる。
正直、以前上げていた月ノ美兎練習風景の動画がここに繋がるなんて思わず、またまた委員長w自分のダンス練習風景載せちゃって……なんて思っていたけれど、綺麗にやられました。
増える謎ノにはもはやツッコミいれないけれど、全員ダンスキレッキレなのに時折めちゃめちゃな動きをして、4人それぞれが別々の個性をしっかり持ってるのが月ノ美兎から産まれ出たモノ感強くてよい。
タイムシフトではしっかり修正されていたけれど、生で視聴していた際には会場左ナナメからのカメラがあって、そこからのアングルだとARの壁の向こうに謎ノがいて、そこだけバックダンサーにしっかりなっているのもちょっと面白かった。
ここまで謎ノについてしか話してないけれど曲も最高だから!でもどうしても謎ノに目がいっちゃうの!!!主役!!!!????
MC2回目~みとらじギャラクティカをまで
8.ありふれた毎日の歌
それゆけ!学級委員長のカップリングとしてカバーしていたこの曲。
正直刺さりすぎていてリゼさんが最速感想放送で言っていた(美兎委員長の)オリジナルだと思ってました、もよくわかる。
ここまでのアップテンポな曲と違ってしっとり目の曲だけれど、しっかりステージ全体を使ってフリ、とまではいかないまでも体を動かしているのを見てパフォーマンスのうまさに舌を巻いてしまった。
9.部屋とジャングル
前曲ラストで白い椅子に座ったところから、部屋のソファーに座っているこの曲のはじまりに繋がるの、曲間の繋ぎが上手すぎる。
後のMCで話している事だけれど、にじさんじの誰か別人が使っている部屋背景に使わせて貰っているとのこと。
扉やテーブル、観葉植物にソファ。レバガチャの一つ目の部屋と二つ目の部屋をミックスした感じかな?と思ったけれどあっているかな?どう思います?
9.みとらじギャラクティカ
ギャラクティカーーーーーー!!!!!
わたしがアルバム曲で1,2を争うくらいに好きなみとらじギャラクティカ!
現地にいたらギャラクティカコールしたくて爆発してたと思うので家で良かったかも。
一人画面の前で叫んでました。
ARライブ「AR STAGE "LIGHT UP TONES」(以下LUT)でも使っていたハリボテブースがしっかり再現されていて歓喜、曲中ステージ横からのARカメラでもしっかりとぺらぺらのハリボテが再現されていて大歓喜。
1番!コメ読まれたガールが凛先輩で大大歓喜。
だれだれ!?って声の変化に戸惑っている風の委員長も良い。
2番!ヤンキー星のリア凸ガチ勢さんが樋口さんで大大大大歓喜。
少し声量大きめでちょけてる風の返し。
原曲ともLUTとも違う慣れ親しんだ相手へのちょっと~w感あって個人的に大好きポイント。
サビに入る所の手と足を前後に動かして歩くようなフリが大好きなんですけど分かる人いる?いるよなぁ!?
あのフリが本当に好きで好きでそこだけ繰り返してみてしまうくらい好き。
そんでいつもの爆発パート!
ここでまたこちらの次元にある洗濯機。
現実の洗濯機は本体が揺れる程の煙をぶわぶわと吹いて画面上では洗濯機の中から出てくるサイコロやらバットやら……。
見ているうちに一体になってどの次元に何があるのかわからなくなるような錯覚までしてくる演出、すごい(小並感)
みとらじギャラクティカはライブでやるたびに小ネタが全部変わってくるから何回でも見たい。
MC3回目~NOWをまで
MC3回目
みとらじギャラクティカの2番にまさかそんな秘密があったとは思いませんでした、多くは語りません、現場からは以上です。
10.恋?で愛?で暴君です!
この曲は初見だったのですが、初見でもノれるノりやすいいい曲だと感じました。
Wake Up, Girls!の曲なんですね。
「好きの最終宣告です」のARカメラワーク、神がかってません???
ぐいっと回るカメラで顔の正面に持っていくの表情も相まって最高of最高。
にじさんじライブのカメラワークはどんどん進化しているし、今まで不満点があった部分はどんどん良くなっていって非常にgood……。
あと、委員長の踊りが上手すぎる。
にじクロの時にも思ったけれど、踊りの基本スキルが高い……名実ともにバーチャルアイドルだな、と。
個人的にもっと踊っているところが見たいなと今回のライブでより強く思った。
11.ラブカ?
ラブカを月ノ美兎さんが……歌った!?!??!
バグっちゃって未だに疑問形なんですけど、マジらしいです、今見ながらこれを打ってるので確かですけど、多分見終わったら記憶消えてまた同じこと言うと思う。
めちゃくちゃにカッコいいタイプの月ノ美兎さんの歌い方でここは口開けて見入ってしまった。
ただでさえ女性ボーカルの低音に弱いのに月ノ美兎さんにそれをやられるととてもよわい、わたしは……よわい…………。
ライブも後半に差し掛かってるのにむしろまだ調子を上げていく歌声もどうなっているんだろう、戦えば戦うほど強くなるサイヤ人かなんかか?
12.NOWを
待っていました真打登場、ラップノ美兎。
わたしがアルバム曲の中で唯一ピンと来ていなかった曲。
ライブでどうなってくるのか一番楽しみにしていたと言ってもいい曲。
バッチリしっかりどっしりと仕上がっててゾワゾワゾワっと鳥肌立ちました。
アルバム曲について語ったnote
アルバムで聴いたときは月ノ美兎さんの曲にまだ完全になりきっていない、なんとなく作ってくださっている、いとうせいこうさんの影響を受けているのかな?とわたしは感じていたのだけれど、ライブではもう完全に自分のものにして、月ノ美兎の「NOWを」になっていた。
生で見ていた時は途中から出てきたミトダヨーさんが可愛すぎて視界をずっと奪われてしまっていた。
ちゃんと縦ノリ出来てえらいねぇ、かわいいね……可愛いものに目がないので活躍の場が増えることを祈っています。
MC4回目(衣装チェンジ)~Moon!まで
MC4回目
ミトダヨーと戯れているのを見て満点笑顔になってしまった。
体がデカすぎてZeppの壇上に登れないのもかわいい、かわいい……。
13.浮遊感UFO
アルバムの中で一番好きな曲を決めるのが難しい中で一番……と言いたい曲!
そこはかとない「Os-宇宙人」感を何回聴いても感じるし、同じ宇宙題材な曲であるのと、以前委員長自身が「Os-宇宙人」を歌っているのが余計にそうさせる。
(2019年ニコニコ超会議にて歌唱:アーカイブ無し)
委員長には宇宙を題材にした曲が本当によく似合う……。
ふわふわとした無重力のようなこの曲もその一つ。
間奏で指さした先にこちらの次元にある白いUFOのようなものがあって、それを映しながらニュース番組のような画面にするのも非常に面白かった。
小ネタがバッチリ差し込まれているのが、まるで委員長の配信を見ている時のような感覚にさせてくれる。
14.それゆけ!学級委員長!
みんなー!わたくしがっ!学級委員長だっ!
いえーい!
マジで疲れ切って脳死してそうな台詞でハチャメチャに笑ってしまった。
この後のMCで本当に何にも考えてなくて出てきた言葉だとばらす所までセットで笑う。
でも、笑い事じゃなくここまでで1時間以上ずっと歌いっぱなし踊りっぱなしで休みなしなんだから仕方ないし、電流金網デスマッチで凛先輩に片腕でも負けて、樋口さんには言わずもがななフィジカルでよくぞやってると逆に褒める所……。
この曲は擦り切れる程聴いたくらいには好きなんだけど、フリがあるとまた違う!
1番と2番が始まる時のヒーローポーズとサビの足を レ ←こんな風にするやつがすき。
ラスサビ前の初期配信のサンプリングと完全に同調して話すところで「今」と「昔」がリンクして交信してるように思えて、グッと来た。
オタクは積み重ねのエモーショナルに弱いので。
15.Moon!!
何度聞いても泣いちゃう……。
Moon!!は歌詞だけみるとオモシロ曲の筈なのに、もうメロディ聴くだけで鼻の奥がツンとしてきて泣いてしまう。
長く長く見てきて、ここまでの彼女の足跡や文脈を知っていればいる程刺さってしまう。
聴くたびに委員長が好きで良かったし好きだなと再認識する。
encore~終演まで
アンコール超スピード?!?!??!で笑った。
でもアンコールが早いのはそれだけ盛り上がった証拠だとも思う。
でも休ませたげて、とも思うので難しいね。
謎ノまた出てきてうれしい、運び役のお姉さんがちょっとにやにやしてて楽しそうで良かった。
encore1.Wonder NeverLand
まさかこの曲を、にじさんじの全体曲であるこの曲をENCOREで歌うなんて本当に思わなくて度胆を抜かれた。
なんというか、にじさんじへの愛というかそういう部分が見えた気がしてすごく胸がきゅっとしたし、先頭切って走ってきた月ノ美兎さんがVirtual to LIVEやこの曲を歌うとやっぱりいろいろな思いが生まれてきて……。
にじさんじの月ノ美兎として歌う曲をここに持ってくる事に、とてもとても心を動かされた。
「遊び続けよう」の部分で背中から観客席側に向けて体を貫通するカメラアングル!天才?!これこそバーチャルにしかできないやつで別種の感動。
encore2.アンチグラビティガール
やっぱりアンチグラビティガール~~~~~~~~~~。
この曲が公開されたとき、鬼リピしながらいつかソロライブでこの曲を聴きたいと願ってきた曲。
サウンドと月ノ美兎さんの芯から絞り出すような声が本当にいい。
小さな体を全部使って宇宙の先まで届きそうな歌声。
小さな箱の中では収まりきらないくらいの歌声。
これが5,000,000,000,000,000 subscriberになる女の歌声だって1ファンながら誇らしいくらいの歌声だって思えちゃう。
終演
委員長は箱の中に戻りまた月に戻っていく。
はじまりがあって終わりがある。
まるで映画のようなライブで読後感が本当にいいライブだった。
エッセイの一節をここで入れるのが本当に粋で痺れる。
「今は紛れもなく自分が主人公」これをソロライブで言うのが本当にもう最高。
ここにライブのタイトルや題材が繋がってくるの、脳にいい物質が生まれるくらいに気持ちがいい。
終演後に終わってしまった……という悲しい気持ちより、見終わった気持ちよさや見て良かったという嬉しさを残してくれる、そんなライブ。
いつも面白い作品を作り出す月ノ美兎さんのソロライブとして最高のものになったと思う。
それに、誰でもない、月ノ美兎にしかできないライブになったとそう思った。
願わくば、次もその次も、月ノ美兎さんのライブという作品が見られますようにと祈りを綴ってこのnoteを締めたいと思う。
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