デジタルのおかげで、またアナログで。
1つの女性DJの動画(猫有り)が、僕の気持ちを押してくれた。
DJを始めたのは18歳、1995年の夏前だったと思う。「不況になるとダンスミュージックが流行る風潮がある。だからDJやるとモテるぞ。」当時のバイト先の先輩から聞かされた、論理的には破綻しているが、上京したて&10代クライマックスを迎えた男子にとって、これ以上魅力的なフレーズはなかった。
あれから25年。DJはおろか、アナログレコードをすらほとんど触らなくなってしまった昨今だったが、先日たまたまyoutubeで見かけたAmelie Lensのvinyl only home sessionという動画シリーズをみることによって、重い腰を上げるきっかけになった。
動画は、このアメリアさんが自室(?おそらく。)にて猫1匹のオーディエンスを前にしてアナログレコードでDJをする、という内容。特にテクニックの解説や音源の説明があるわけではなく、レイブ会場などの熱狂が伝わってくるわけでもないが、僕よりひとまわり以上若いアメリアさんが、デジタル音源と比べて手間のかかるアナログレコードを使って、楽しそうに、手際よくDJプレイをしているyoutubeの様子を見て気づかされた。
「もはや箱でプレイすることにこだわる必要は、ない。」
デジタルメディアでは時と場所に構わず、自分のやりたいことを世界中の人に表現できるのだ。ありきたりで陳腐な言葉しか見つからないのが大変に残念だが、でもこの気づきは「演者側」のスタンスでメディアを覗いたことで、その特性をやっと理解できた瞬間だったように思える。
アナログだデジタルだと、読んでいる方に分かりづらい内容になってきたが、兎に角、このyoutube動画のおかげで、また、アナログレコードでDJがしたいと思えたのだ。
さて。25年前のあの気持ちとともに、僕も久しぶりに埃まみれのレコードコレクションを開けてみよう。
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