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見逃したらもったいない! 石岡瑛子展

東京都現代美術館の展覧会(終了)は長蛇の列と聞いて諦めました。

何とか銀座のギャラリーのは訪れたいと思い、会社を休んで訪ねた個展。前期をすでに見逃していたので今度こそと意気込み、ドアを開けます。

入ってくるのはまず映像。これが見ているだけで楽しい。階段を下りたら、待ちに待ったポスターや本の装幀をしたデザイン画の指定紙や実物が展示されています。本を作るにあたっての指示が書かれた現物に吸い寄せられます。本を作る人、本が好きな方は見ないと損です。

この地下の会場内では石岡さんのかつてインタビューされたときの声が流れているのですが、その言葉が痺れる内容ばかり。ポスターを見ながらも耳はしっかり石岡さんの言葉を聞き逃すまいと必死です。「紙媒体が好きだけど、デジタルの波には逆らえないからそこは若い人たちがたくさんいるので絵筆のように若い人たちに頼る」「デジタルになってコピーは簡単にできて増えるかもしれないが、オリジナルはまた違う」「優秀な女性はたくさんいる。デザインの世界にも女性が入ってくると、そこからどうしてもはみ出る男性が出てくる。男目線で見てみるとそれが……。日本に帰ってきたときに感じたのはそうしたところ(閉鎖的社会)」といったような、なかなか今も変わらない男性社会のムラ社会について冷静に分析されています。


70歳を超えてからも意欲的にチャレンジをし続けて制作をされた石岡さん。2階では、地下には展示されていないパルコのポスターや角川文庫のポスターなどが映像で紹介されています。

その時代の空気が感じられるとともに、色褪せない作品の数々。今見てもそのセンスの凄さにグッと惹きつけられます。

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