三島由紀夫🎥3本づくし
なぜか思い立って、Amazonプライム・ビデオで視聴可能な
三島由紀夫が出てくる映画を立て続けに見た。
というわけで、いきなりですが、
感想回のはじまりはじまり〜。
はじまりは太宰治からだった。
🎥人間失格 太宰治と3人の女たち
この作品にちらっと出てくる三島由紀夫が印象的だった。
「太宰の作品は嫌い」と真っ向から主張する彼の度胸に度肝を抜かれる。
信念というか想いの強さというか。登場は一瞬だけなのに強烈な印象だった。
この作品での主人公である太宰に感情移入していたため、嫌な奴。としか思わなかったが、今思うとこの時、誰も言わないであろうことを、臆することなく主張する三島にすごく惹かれていたのかもしれない。
一体この人はどういう人なんだろう?
🎥三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
学生運動?で東大が占拠されている中、講堂に呼ばれほぼ敵地に赴くような状況なのに、討論しにいった三島由紀夫の実録。
みんな難しい言葉を使って、ほとんど何いってるのかわからない……。
だけど、熱量は感じ取れた。
自分の主張があって、それを伝えたいために行動する。どんな主張であれ、暴力はいけないことだと思っていたが、それを鎮圧する国もまた、暴力で解決しているのだと思うと、暴力でしか主張できないのだと納得し、やるせなくなる。
どう生きるか。自分はどうあるべきか。
戦争を体験しているが故の、戦後のやりきれない、くすぶった波のようなものがあったのかもしれない。それは、平和ボケしてしまっている私には計り知れない葛藤であり苦悩であったのだろう。
人間とは?他者とは?自由とは?
この議論の中には、人間であるが故の苦悩が見える。
動物ではあり得ない、言葉と言葉のぶつかり合い。一つの言葉を取っても、どのような意味を持つのか、口にする人によって変わってくる。その言葉一つ一つに誠実に、そして感情的になることなく、冷静に対応する三島に震える。
わからないままみたにも関わらず、率直に思うことは、
三島由紀夫はかっこいい。
そして優しくて、誠実な人だった。
🎥11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち
三島由紀夫の自決までの日を描いたもの。
さっき討論会を見たこともあり、完全に三島由紀夫のファンになりつつある私。
ちょろいな。
ものすごい作家でありながら、作家の道を捨て、軍隊への体験入隊を経て、楯の会を結成。
そして、自分が信じる道を突き進む。
まさに文武両道を地で行く男の中の男だった。
「健全な精神は、健全な肉体に宿る」
それを体現するかのように、自分も体を鍛え抜き、20も年の離れた青年たちと一緒に訓練をする様はさながら、鬼のようだった。しかし、その青年たちに心から信頼を置き、尽くしていた。
この人に敵はいないんじゃないか?
そう思えるほどの人格者に見えた。
時代が彼を作ったのか、彼が時代を作ったのか。
歴史は得意ではないけれど、時代が変わる時、ターニングポイントになる時には、必ずこのような人格者は現れるような気がする。
織田信長しかり、坂本龍馬しかり。
どこか常人では果たせないことをやり遂げることができるのは、
こんな風に変わり者と呼ばれる人たちなのかもしれない。
どれだけ馬鹿げていると言われようと、真剣に全身全霊でそれにぶつかって行く。
それが、本当にどれだけ凄いことか。
三島由紀夫の作品はまだ一つも読んだことがないけれど、興味が湧いてきた今がチャンスなのだろう。
早速図書館で借りたいと思う。
今の熱量で言葉を残せてよかった。
三島由紀夫の最後は美しかった。
ありがとうございます。
出会ってくれて。