和歌山でもがく(社会人編)
地元に帰ってきた。
まずは仕事を探さねば。
職歴に傷をつけたくなくて、お堅い役場などのアルバイトを転々として、ごまかしてきた。
そこでも、「死ね!一回死んで、生まれ変わったつもりで頑張れ!」
と激励はもらったけれど、そう言われるほどに、仕事はへっぽこだった。
下手にプライド高くて、最初だけ仕事ができる風を装って、実際何もわかってない。あとから聞くこともせず、自分で思い込んで突っ走ってしまう。
できないなんて言えない。助けてなんて言えない。
本当に、無駄なプライドだけが高くて、邪魔して、苦しかった。
だから、そんな自分を捨てろと、何度も何度も言われていたのに、その時は、どうしても認めることができなかった。苦しかった。
仕事が苦しい。今までこうやって、嫌になって、私は逃げてきたんだ。
わかってる。わかってるのに、うまくできない。素直になれない。
誰か、、、助けて。自分じゃどうにもできない。。。
同じ立場の女の子と比べ、比べられ、さらに自己否定が強くなる。
どうせ、私にはできない。
どうせ、あの子のようには振る舞えない。
どうせ、コミュニケーションなんて取れない。
どうせ、、どうせ、、、、、。
この時、同い年の子がたまたま5人いた。
その中で、一番不器用だった。
何もできなかった。みんなと自分を比べて、さらに落ち込んだ。
でも、その同い年の子たちは、励ましてくれた。それがまた辛かった。痛かった。優しさが悲しかった。自分の殻に閉じこもった。
1年契約だったから、その後、続けず、別の仕事に就職した。
その仕事も、1年目で辞めますと、言った。
そして、新しい人が入ったから、引き継ぎを。
その人は、先見の目があったのだろう。
「私とあんたは得意分野が真逆やから、0.5+0.5でやっと1や。
今までは、一人でしていた仕事を、二人で分担すれば楽になるで!
こんなん一人じゃ無理や。二人でやらな回るわけない。
会社には説得して、二人で居れるようにしよう!」
と言われた。今思うとものすごいことを言うてる。
でも、この一言がなければ、残ろうとも思わなかったし、後々、この人が、私の人生を変えてくれるなんて思いもしなかった。
それから、6年がたった。
その人とは、めちゃくちゃ仲が悪かった。
お互い必要事項以外は口をきかないことなんてザラだった。
2週間口をきかなかった時は、もうしびれを切らして、こっちから謝ることもあった。何に怒っているのか聞くと、大概は私の態度の悪さだった。
何度も何度も、直そう、言われたことを直そうとはするものの、素直になれず、嫌いな自分と向き合うのが嫌で、相手を嫌いになろうとした。
でも、直感が、「この人に嫌われたら、私終わりやで。」って言ってる。
もうどうしたらいいのか。泣きながら、腹を立てながら、自分と向き合うしかなかった。会社でも泣いていた。周りから見れば、私が泣かされている。でも、実際は、私がひどいことを言って、その人から反撃を食らって、自滅している。結局、悪いのは私。
「臭いものに蓋をしてるから。その蓋を取るんや。」
「ブラックな自分を出したらいいやん。そっちの方が面白いから」
「相手の気持ちを考えな。自分のことばっかりやん。」
「感謝の心がない。感謝せなあかん。」
いっぱい、本当にいっぱい、数え切れないくらい、繰り返し何度も何度も、根気強くたくさんのことを私に伝えてくれた。今ならわかる。ぜんぶ大事なこと。
なんでわからんかったんやろう。それくらい、自分のことに囚われて、必死で、苦しくて、悲しくて、自分がいなかった。認められなかった。寂しかった。わかって欲しかった。
最後まで、険悪ムードはあったけれど、最初の頃より、なんでも話せて、四六時中一緒にいないから、今は本当に戦友のように話せる。
親よりも私を知っている人。
本当に大切な人。
知らない間に、この人に救われていた。
ひどいこといっぱいしたのに。やだなぁ。ごめんなさい。
どうしてこんな素直じゃないんだろう。私、やっぱり私が嫌いだ。