はじめて夏目翠プロとお会いした時のこと ~JUNのミド活ヒストリー⑤
あなたは推しさんとはじめて会った日のことを覚えていますか?
その日、2021年3月19日金曜日。
夕方からのひよこ堂ゲストの夏目翠プロとお会いするために昼過ぎの新幹線に乗った。午前中普通に勤務しての午後半日休暇だったが、時計ばかり気にして業務どころではなかったのを思い出す。
予約したホテルの最寄り駅に花屋があった。
ふと思い立って、夏目翠プロに「桜蕾戦ベスト8進出のお祝い」で花束を買った。バラを8本入れてもらったのだが、内の1本だけ目立つ他とは違う色を入れてもらった。「8人の中から1人抜きん出たこの1輪になって下さい!」という意味だった。
翠プロは仕事終わりからの19時からのゲスト。
同卓できるかは分からないけれど、なるべく早めにお店には行っておこうと思い17時前に到着。
今思い返すと、この日が私にとってはじめてのノーレートフリーの麻雀であった。
1戦目は、「フリー麻雀経験はそんなに多くはないです。」と伝えた私の為に、メンバーの方が卓に入って下さった。
ただまぁマナーも含めて無難に打っていた私を見て「問題ないですね。」と次戦から放任。
その2戦目が今もすごく印象に残っている。
フリー雀荘デビューのカップルが来られて私の卓に入られた。
緊張している二人が初々しかった。メンバーが後ろ見をしながらサポートをされてたし、卓内の私ともう一人の人も必要最低限のサポートをした。
打ち終わって後に聞いたのだが、ネット麻雀をやっていてリアルを打ちたくなったらしい。とにかく、お店のメンバーも卓内の対局者も無茶苦茶優しくて、『自分もこんなお店でフリーデビューをしたかったなぁ』と自分のフリーデビューのことを考えていた。
そんな初心者の二人に気を取られていてすっかり私の頭から大切なことが抜け落ちていた時に、その方がお店に入って来られた。
「お疲れ様で~す!」
私はその時、お店の入り口すぐ横の卓で打っていた。
私の右方3mくらいの所にいるその人はまごうことなき、な…
夏目翠プロだっ!
まだ同卓しているわけではないのに、私のドキドキは止まらず牌をツモる手は震えていた。
そしてその半荘が終わって、デビューのカップルが帰って行き席が空いた。
「じゃあ、夏目さんはこの卓に入って下さい。」とメンバーの案内の声。
「この卓」とは私が打っていた卓!!!
『えっ!いきなり!!!!!』
「よろしくお願いしま~す!」
翠プロは私の上家。
先ほどの初心者カップルから卓に残った対面の人がかなり仲良さげに翠プロとお話しながら麻雀を打っている。私はとてもそんな余裕はない。
その時、翠プロの口から出た言葉!
「ケンちゃんは………」
えっ!この人があのケンタさんなのか!?
私は、前年の投票選抜戦で夏目翠プロサポーターになってから、Twitterで流れてくる翠プロのお写真をスマホにコレクションしていた。その中で、飛び抜けてたくさん翠プロのお写真をTwitterにあげて下さっていたのがケンタさんだった。
確かにあのTwitterのアイコンのお顔だった。
私は思い切って声を掛けてみた。
「ケンタさんですか?いつも夏目翠プロの素敵なお写真をありがとうございます。」
Twitterをフォローさせていただいていたので自己紹介もする。当然、その卓におられる夏目翠プロもリアクションして声を出された。
「あっ!JUNさんですかっ!?」
リアルで繋がった瞬間。この一瞬を私は生涯忘れないだろう。でも、その半荘の麻雀の内容を覚えていられるほど私は冷静ではいられなかった。
夢のような半荘が終わり。
改めて夏目翠プロにはじめましてのご挨拶。花束のプレゼントをお渡してお写真を取らせていただく。そして、選抜戦でのマッチングで勝利したキラカードにはじめてのサインをいただいた。
「桜蕾戦ベスト8頑張って下さい。」と「明後日のさかえ松戸さんのゲストも行きますね。」ってことくらいしか話せなかったと記憶している。
打ち終えてケンタさんと一緒にお店を出た。
秋葉原駅まで一緒に歩いて「明後日のさかえ松戸も行けたらまた打ちましょう。」と言ってもらえた。
その後の記憶は全くない。いや別に酔っぱらっていたわけでも何でもない。
私の記憶中枢が他の事を記憶できなくなるくらい、夏目翠プロの一挙手一投足がインプットされていた。
ぽわ~んとした何とも言えない気持ちがずっと続いていた。
夢を見ているのか?
そう思ったが、私のスマホの中にはツーショットを含む翠プロのお写真があり、手元にはサインの入ったキラカードがある。
夢じゃないんだ。そしてまた明後日翠プロに会えるんだ。
そう再会を楽しみにしながら眠りについた。
2021年3月21日さかえ松戸店
この日は、正午から夏目翠プロがゲスト。
はじめて行くお店なので30分前に到着。ルール説明をしていただく。
「とにかくこれだけは注意して下さい。」と言われたのが、赤5筒にまつわる特別ルール。
赤5筒を使えばそれが1役になってそれ以外の役がなくても上がれる。
例えば、下の手牌がハイテイが付かなくても北で上がれる訳だ。
それよりも私がこの日緊張していたのは、このお店のレートだった。
敢えて数字は書かないが、私はこのレートでフリーを打つのがはじめてだった。
登録の際の住所を見てルール説明をして下さった店長さんが「遠くから来ていただいてありがとうございます。」と12時のスタートでの翠プロとの同卓をご配慮下さった。
翌年2月の夏目翠プロのゲスト活動休止までに私は4度ほどさかえ松戸店に伺わせていただいたが、2、3か月に一回しか来ないのに私のことをよく覚えていて下さって、その度に翠プロとの同卓をご配慮下さった。
翠プロがお店に来られた時にはケンタさんも到着されていて二半荘同卓をした。確か結果は4着、3着であったと記憶している。
親の翠プロに跳満を放縦してしまう場面もあった。
帰りの新幹線の時間もあり名残惜しいが夏目翠プロとお別れ。
この二日間のお礼を言ってお店をでた。
ミドレンジャーとしての師匠、ケンタさん
お店を出る時にケンタさんも次があるとのことで二人一緒に撮影会。その時にケンタさんから「女流プロのお写真をお願いする時は盛れる画像アプリで撮って、SNSにはきれいな写真を使ってあげるのがマナーなんですよ。」と教わってその場でUlikeをインストールして翠プロの写真を撮らせていただいた。
この日の翠プロのお写真をあげられたTwitterに私が二日間のお礼を書いているのを見て、翠プロから「2人も仲良くなっててうれしかったです」とリプが届いた。
この東京遠征の後、私は約1か月あることの“長考期間”に入ることになるのだが、その間翠プロのことと同じくらいケンタさんのことを考えていた。
いや、ケンタさんを通して夏目翠プロを応援するミドレンジャーの人たちを見ていたのである。
ケンタさんは翠プロのことをそれこそプロ入り前からずっと応援されてきたミドレンジャーの大先輩。そんな人が私のようなポッと出の新人ミドレンジャーに本当に優しく接して下さって、この二日間だけでも色々なことを教えて下さった。」。
「ファンは推しの鏡」
私はこの言葉が好きで、誰かのファンを語る時には常に襟を正してきた。
実際にお会いして夏目翠プロを応援していこうと決めた私の目が間違いではなかったと実感した。お仕事をされて駆けつけた雀荘で翠プロはずっと笑顔だった。
そして、そんな夏目翠プロを応援しているミドレンジャーも素晴らしい!
この東京遠征でケンタさんと出会っていなかったら今の自分はない。
翠プロを応援し続けてはいるだろうが、その形はきっと今とはずいぶん違ったものだっただろう。
そう!翠プロではなくミドレンジャーの方を向いた“推し活”への道筋がこの時に付いたのだった。
そして、私は自然とケンタさんのことをこう呼び始めた。
師匠と。