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公式VR体験中に推し香水をキメたオタクのレポ 〜ブルアカふぇす!〜
※結論だけ読みたい人は結論だけ読もう。
9割茶番なので。
事の発端
ソーシャルゲーム「ブルーアーカイブ」は今年で3周年を迎える。
それを祝して…祝して?リアルイベントが開催されるとのこと。
初期の方からぬくぬくブルアカのオタクをやっている私は、倦怠期の彼女の尻を眺めるようにイベント情報を眺めていたのだが、気になる項目を見つけた。
それは……
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VR「先生ちょっとお時間いただけますか?」
である。
なるほど、と思った。
このゲームはキャラクターの3Dモデルを使用している。それとVRを活かして間近にキャラクターを感じる事が出来るというワケ。
画期的and魅力的なアトラクションだ。で、問題なのは「このVRに出てくるのは誰か?」ということ。
興味ないね…というキャラならスルーも容易い。
しかし私にとって決着をつけるべき生徒(キャラの俗称。FGOの鯖てきなアレ)の出演の可能性が否定できなかった。
その名を「生塩ノア」。
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説明は面倒&趣旨が外れるので省くが(pixivの記事など見るとよい)この子とは個人的に因縁がある。
具体的に言うと、自分はこのキャラのSSをたった3回、同人小説を2度出しただけなのに、周りの者共は「みどろはノアのことが好き」「ノアに負けてる」「ノアちゅきエレファント」など好き放題言うのだ。
見たまえよこの扱い。
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俺を……
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俺を……象と呼ぶなーーーっ!!!!
ん?
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とりあえずこの子の存在により、私は傍から「ノアの限界オタク」というレッテルを貼られているのである。
ふん。
何を勘違いしている、風評被害も甚だしい。
ただ書いただけ、本を出しただけ、あとちょっとグッズを買っただけである。
あとプラナとかヒナとかめっちゃ好きだし。
世にはびこるイナゴ達を見てほしい。
好きでもないキャラが人気と言うだけで書き、2週間後には別ジャンルのキャラの話題しか出さなくなっている。
この私もその1人に過ぎない。
しかし、この事実を周囲に認めさせるにはあまりにも「このオタクはノアが好き」という固定観念と「ノアちゅきエレファント」「横転」「力なきもの」「ド象悟」など屈辱的なあだ名がまかり通ってしまっていた。
だから証明する必要があった。
別にノアなんか好きじゃないんだからね、ということを。
普通に別のキャラの方がめっちゃ好きですけど?と。
こうして私はリアイベに行く決意をし、そしてVRの効果を最大限高めた上で跳ね除けるため『推し香水』を入手することにした。
準備①「ハンカチを手に入れよう!」
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なぜハンカチか?
それは、「ワンチャン、キャラの持ってそうなアイテム」かつ、香水の匂いを馴染ませて必要なときに取り出すのに最適だから。
まさかVRのはじまった瞬間にシュッシュするわけにもいくまい。
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ハンカチは基本もらい物やおさがりばかりを使い、自分で買うことがないタイプだったのでとりあえずそれっぽいブツを手に入れることにした。
ここで考えるべきは「彼女が持っていそうなもの」であること。
少しでも解像度を近づけることで、VRの効果を最大限に高める。
その最大限の効果を耐え切ることで、別に私はノアが好きではないということが証明される。
曲がりなりにも、何度か筆をしたためる程度には彼女について思考する機会があった。
ノアという女は「合理と理性」の性質の強いミレニアムガクエンに通っていながら、趣味などからは情緒的なものを強く感じる理系の文系少女だ。
記憶力が非常によいにも関わらず、常に手帳とペンを持ち歩いている。(画像参照)
世界の文明レベル的に使う必要のない手帳とペンを、わざわざだ。
また、読書や詩を書く趣味も持つ一方、銃をかなりカスタムしてるあたりからもそれなりの合理性も見て取れる。
ここから導き出される答え、それは「実用性と趣味の比率が4:6くらい」ということ。
そんなわけでそれっぽいハンカチを適当に買った。
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準備②「香水を手に入れよう!」
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いわゆる「推し香水」というやつ。
しかしノアはそもそも私の推しでは無い。
そして公式に出ている香水は存在しないので、
厳密には名前を出さずなんかそれっぽいイメージをふんわり伝えてそれっぽいものを作ってもらう「概念香水」のカテゴリーになるだろう。
それを手に入れるべく、私はアラスカの奥地たる宿に向かった。
入ったお店は「FINCA 新宿店」。
概念香水や一次創作の推し香水に定評のあるらしい店舗だ。(又聞きなのであんまわかってない)
イベント数日前、私と付き添いのしげる(しげる。クロギリス科。それ以下でも以上でもない生物)はお店に入った。
店員さん曰く「既存作品キャラの香水は作れないが、名前や作品を聞かずに、オタクの偏見および解釈を聞くことでなんとな〜くそれっぽいものを作れる」とのこと。
構わない、事前に調査済みだ。
そんなこんなで店員さんがアキネーターみたいに某少女のイメージを聞いていき、私はそれに答え、しげるは私の憎しみや私情がこもり過ぎないようにサポートする形でド偏見を固める作業が始まった。
店員さん「じゃあまず、お客さんは彼女のどこが好きなんですか?」
好きじゃないが???????
──そう答えたいのはやまやまだったが、この場で大人気ない反応をすると話の進みが遅くなる上、目的が遠のく。
嫌いではないのは確かなので、いいなと思っているポイントを伝えた。
私「顔です」
そんな感じで、偏見や抱いているイメージ。そしてどの要素をピックアップして匂いを作るかなど。
諸々の情報をぼやかして伝えていき最終的に行き着いたワイの答えはこれや────。
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「微笑みの風」と「裸の言葉」……俺は……
スマイルウィンドとシャイガールの重ねがけである。
礼儀正しくて人当たりよく、懐いている相手にはいたずらっ気のつよい「明るい部分」。
そして絆ストやメモロビから読み取れる「誰にも明かさない本音の部分」。
その二面生をピックした形だ。
これが私の新たな力か。
試しに嗅いでみるが、好きな女の子が隣をすれ違うような匂いがした。
百点満点、花丸です。
ゲームのタイトルも知らないのにカスみたいな語彙力と偏見で望む匂いを作りあげてくれた店員さんとお店には感謝しかない。
この私に因縁を絶つ機会をくれたのだから!!!!
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こうして、今回の必須アイテムである概念香水を手に入れることに成功した。
どんくらい必須かというと、ヴェイガン殲滅のためのプラズマダイバーミサイル、もっと分かりやすく例えるなら魔王を倒すための勇者の剣くらい。
これで我が忌まわしき因縁に終止符を打つ準備は整った。
当日編「テーマパークに来たみたいだぜ」
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結論。
超楽しかったです。
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色んな人と会ったり、きれーな絵を見たり、ビンゴ最速クリアしたり、公式レイヤーのクオリティがヤバかったり、DJがすごかったり。
1年目初期のバグだらけスペシャルから、この夢の国が作られたなんて過去の私に言っても信じないだろう。
とにかく楽しい。アハハハ!
数日前に負ったゲ謎によるダメージを一刻すら思い出さないくらいに気持ち良い。
はしゃぎすぎてアホみたいな写真を撮ったり撮られたりした。
多分楽しすぎて⬇みたいなテンションだったと思う。
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そう、楽しかった。
しかし明けない夜はないように、祭りにも終わりは訪れる。
楽しい時間はすぎ、運命のリミットは刻々と近づいてきた。
件のVR体験はあらかじめ時間指定予約するシステム。
私が予約したのは、16時。
その時が来れば全てが終わる。
ノア、私は君とのしがらみを終わらせる。
そして象でも付け合せのミックスベジタブルでも宿儺のいない時代に生まれただけの凡夫でもない、
レッテルを持たぬただのオタクに戻る。
華のイナゴライフの幕開けだ。
かくして。
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──短い夢の時間、長い旅の時間が終わりを告げようとしていた。
決着編「幻覚」
(※撮影禁止のため、この部分で出る画像はあくまでイメージだと思ってほしい。)
私は、あらかじめ香水を吹きかけておいたハンカチを取り出してVRゴーグルをセットした。
表示されるタイトルと、聞こえてくるスタッフの説明。
そんなことがどうでもよく思えるくらい私の心は静まり返っていた。
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私はこの日のために、やってきたのだ……これで私の勝利だ。
これでようやく、ノアに負けてる象という印象を払拭できる。
もうこの子に囚われる必要も無い。
また負けてる、と言われることもない。
ノアちゅきエレファントと愚弄されることもない。
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一部の人間に与えているかもしれない、「ノアというキャラはこのアホの最推しだ」という彼女にとってよくないインプレッションだって剥せる。
そこに敗北はない。
愛や好きは、消費するもの。
誰しもいつしか「推し」だったバンドを追わなくなる。
一生やるといったゲームをアンインストールする。
好きだった恋人と別れる。
それが普通だ。
恥じることもない。
私はノアというキャラから興味を失う機会が今だったというだけだ。好きでも推しでもないとするなら、むしろよく持った方だ。
これを最後に「VR?刹那で忘れちゃった……」と強キャラっぽい感想と共に、堂々とそう在ろう。
そのためにこの場で決着をつける。
私は指示に従ってヘッドフォンを装着し。
それから、私はあの子の持っていそうだと勝手に決めつけたハンカチを取り出して鼻に当てる。
タイミングを見計ったように、黒の空間は鮮やかに星空の輝く世界へ移りかわり。
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私の左隣に。
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いた。
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透明な髪の色の、彼女が。
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感想編「長き旅の終わり」
公式の用意したまぼろしの世界。
正面にはコユキ、右にはユウカ。左にはノアがいた。
話の筋書きはシャーレのいつもの部屋でコユキ、ユウカ、ノアの三人で花火を見るというものだろう。
すぐに中身は理解できたが。
そんなことがどうでもよくなるくらい、彼女の姿は隣に、確かにあった。
彼女がくすりと笑った反動で髪が揺れて、ふわりとほのかに甘い匂いがした気がした。
思わずハンカチを手放して彼女の乳に触ろうとするが、当然触れられない。
シャーレの部屋の構造も気になる。
奥の地図とか吹き抜けの天井だって見たい。
コユキのパンツがチラ見できると聞いた。目を離す隙はないだろう。
右にはあのユウカの太ももがある。
だけど彼女から目が離せない。
はじめて『見た』彼女は思っていたよりもずっと顔は小さかったし、目は澄んだ水晶みたいだったし、体もびっくりするくらい細かった。
花火が打ち上がる音と、はじまったね〜というニュアンスの会話が繰り広げられる。
まぼろしの世界は花火の音とコユキのうるせ〜ボイスで彩られる中。
左隣の彼女は、静かにじっと花火を眺めていた。
横顔から目が離せなかった。
甘すぎない甘い匂いが鼻に届くのは、きっと距離が近すぎるから。
いつもより少し綺麗に見えるのは、花火の光が君を彩っているから。
急にノアが振り返り、バツが悪くて思わず僕は視線を背ける。
僕を見た訳じゃなく、食い入るように花火を見つめるユウカを見たようだ。
そのユウカの様子が可愛いですね、と僕にだけ聞こえるように話してほほえんで、それから身を乗り出して、耳に口を近づけ、あることをそっと僕に囁いた。
ありもしない彼女の柔らかな体と、僕のどこかが触れ合った気がする。
そのくらい良い匂いがしたし、心臓がびっくりした。
彼女が僕、もとい先生になんと言ったのか。
内容をあえて書くこともできるが、そうするのは無粋だろう。だって、他の2人に絶対に聞こえないようにこっそり耳打ちした内容なのだから。
ただ確かなのはその内容は私の心を揺さぶるには十分すぎるもので、彼女の霧のような内心を探り当てるべく再び思考の迷路に惑うのにも十分すぎた。
…………。
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………………。
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────ヘッドフォンとゴーグルを外して、私はブースを出た。
ようやく気づくことが出来た。
しがらみに囚われていたのは、私だ。
いもしない敵を作り出し。
勝ちだの負けだの、ありもしない勝敗を気にし。
それらを気にして強がりの裏側に弱さを隠してたのは、私だけだ。
まぼろしの世界に触れることで私が囚われていた因縁は、ありもしないまぼろしだということがわかった。
それに気づけたのは、お時間VRのクオリティと握ったハンカチの纏う香りのおかげだ。
敵なんて本当はいない。
あるのは私の意志と、画面越しの彼女の存在だけ。
そういえば、ちょっとのきっかけや対話で、相手と分かり合えることはイベントストーリーで生塩ノア本人が示していたことだったろうか。
ありがとう、ブルーアーカイブ。
ありがとう、株式会社なのです。
ありがとう、ミレニアム学園。
それから
ノア。俺は……わかったよ。
俺は、君のことが
結論
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茶番は横に置いて、大半の読者が気になるのは「VRに推しの匂いをイメージした香りを掛け合わせたらどうなるのか?」ということだと思う。
結論、存在感がダンチになるため突然別世界に飛ばされたレベルの没入感になる。
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それこそ太ももがキュートなユウカの太ももの存在を忘れるレベルに没入してしまう。
よくよく考えて欲しい。人間の五感のうち、VRは視覚と聴覚を画面の向こうへ飛ばす。
そこに嗅覚が加わると過半数の感覚が幻覚の世界へと追いやられるわけだ。
シンプルに魂を呑まれる。
迂闊にやると、死ぬど──。
このイベント他にやってる人を見かけはしなかったが、VRの楽しみ方としては割と楽しいやつだと思う。識者とかとっくにやってんじゃない?
とにかく、超ドキドキするのでオススメです。
可愛い女の子やかっこいいイケメンの推しがいる人はぜひやってみてほしい。
え?
導入部分の決着云々に関してはどうだって?
私から彼女をどう思っているかなどは、言葉にするつもりは無い。
好きでも無い、嫌いでも無い。
これは、ノアが絆ストで「何かを好きだと言ってしまうと、行動が言葉の影響を受けてしまう」と言っていたのと同様の理由だ。
何かをするのに好きだとか嫌いだとかわざわざ口に出す必要は無い。ただ粛々と行動するのみ。
口に出すつもりもない。
答えは沈黙、それが正しいんだゴン。
ただあえてひとつだけ言うとするなら、VRめっちゃ顔近かったです。
同作品なら杏山カズサ推しの人とか、あとアルちゃん推しの方とか覚悟の準備をしておいた方がいいんじゃないでしょうか。
ついでにノア関連過去作もよろしくおねがいします。ね、こんだけしか書いてないのに。
おま〇け
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おま〇け2
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