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時間を掛けて淹れたコーヒーは旨い

ドリップ方式のコーヒーは一般的には3分ぐらいで淹れる
事になっていますが本当はもっと時間を掛けた方がおいしくなります。
3分というのは多分、現実的に辛抱できる時間や
お湯が冷める時間が関係しています。
ゆとりがあれば本当はお湯を保温や再沸騰させながら
15分程度は掛けて淹れる方がうまいです。

私は表面を濡らす程度に少量のお湯を注いで1~3分待つ
という工程を何度か繰り返して抽出
しています。

抽出後のコーヒーは濃厚かつ微量なので
お湯でかなり薄めます。
そうして完成したコーヒーは不味い味が少なく
旨い味が引き立ちます。

具体的なお湯の量や回数などは環境や好みに応じて調整すると良いでしょう。お湯を注ぐたびに出てくるコーヒーを味見するのがお勧めです。

以下でもう少し説明します。

まずゆっくりと淹れる理由ですがこれは
短時間でお湯を注いでも
抽出しきれないコーヒーの成分が多い
からです。

一般的には
「蒸らして1分ぐらい待って90℃以上のお湯で
2,3回に分けてお湯を注ぐ」
のが良いとされていますが
この場合、全体的に高温で抽出し過ぎていて
苦みが強いわりに、まだおいしい味が
抽出されずに残る
事になります。

大雑把に言うともっと低い温度で時間を掛けて
淹れるべきなのです。

お湯さえ沸かせば5分以内に抽出が終わるので
時間的コスパはありますが、
15分掛けて淹れたら味や量のコスパとして倍程度にはなる
気がします。

ではゆっくり淹れれば良いと言っても
どうやるのか?
一滴づつ垂らすのが理想なのかと言うと
そこまでするのは現実的に難しいし
一滴が落ちる間に空中で冷めてしまうので
ある程度まとまったお湯を投じて
しばらく待ってから再びお湯を投じる事の
くり返しとなります。

コーヒーを抽出するのに適する温度は
96~90℃程度と言われたりしますが
この温度が何を指すのかは考え出すと難しい
です。
沸騰直後の100℃のお湯を注いだつもりでも、
コーヒー豆に到達したお湯はすぐに90℃以下になり、
フィルター内部に至っては
70℃前後にしかならない事もあるからです。

私の言うゆっくり淹れる抽出方法では
先の細いケトルで少しづつお湯を注ぐのが理想ですが
この場合、やはり100℃あってもコーヒーに
到達した時点で十分に冷めてしまうので
ケトルに入れている時点で100~90℃をキープ
するようにしています。

で、実際その様な温度管理でうまく抽出できます。
多分、100℃のお湯だけを注いだり
90℃のお湯だけ注ぐのではなく
変化していくお湯の温度を利用して様々な温度帯で抽出する
事でコーヒーの多様な成分が抽出され豊かな味になるのだと思います。

さてこの様に温度管理を工夫しても気を付けないと
いけない事があります。
それはフィルター上層のコーヒーは高温にさらされ易く
下層のコーヒーは低温にさらされ易い

という事です。

コーヒーの成分は多様であり、高温で抽出され易い成分と
低温で抽出され易い成分が含まれています。
フィルター上層のコーヒーからは高温で抽出できる味を、
下層のコーヒーからは低温で抽出できる
味を抽出するというのは一つの考え方だし
実際私はブレンドを淹れる場合、熱に強い浅煎りを
上に、熱に弱い深煎りは下に敷いたり
もします。
しかしそれにしたってお湯が直に当たる
表面のコーヒーと下の方のコーヒーでは
温度条件が違い過ぎるので、気をつけないと
上部のコーヒーが加熱し過ぎになります。
また全体的にまんべんなく成分を抽出したほうが
お得でもあります。

では具体的どうするかと言うと
私が2~5杯分ぐらい淹れる時のやり方は次のような感じになります。

まずぎりぎりお湯の粒ではなく流れになる程度の
細いお湯の線でフィルター上部に螺旋を描く様に投じます。
乾いたコーヒーにこれをやると、上の方が濡れる程度ですが
これを1,2分かけて3回ぐらい繰り返すと
割と全体が濡れている感じになると思います。
なぜ1,2分かけて3回で注ぐのかと言うと
細い線とは言え連続で投じると全体的に
熱くなりすぎるからです。

この1,2分かけて少量のお湯を3回注ぐ
ことを1セット
とします。

もしも使用する器具の都合などで細いお湯の線が
作れない場合は、1セットで投じるお湯の回数を
1回にしてください。(この場合、一回で大分
加熱してしまうことになるので連続では注がずに
3分待ちます。)

さて1セットこなした後には2,3分休憩します。
その間に抽出が進むし、投じるお湯の温度も
変わってくるので再び次のセットを1~2分かけて
行うと良い味が出ます。

はじめの1セットは蒸らしに相当するので
まだ下からコーヒーは出てきません。
2セット目からコーヒーが垂れてきます。
3セット目を終えたあたりで湯の温度が90度を下回るので
再沸騰させます。
4セット目で高温の抽出を行う事になります。

これで抽出の全工程が完了になります。
1セット1分で休みが3分なら15分程度で抽出できる事になります。
1セットで太いお湯を一回投じて淹れる場合は
2セット程度増やして6セットぐらいで淹れると良いでしょう。

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