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休校の長期化・エリア拡大を想定して、いま学校にしてほしいこと

※現場で参考になりそうな情報が入ったら、ちょこちょこ更新しています。
(4/11:eboardさんのnote記事をいくつかリンク貼りました)

各学校において「議論の叩き台」として使っていただきやすいように本記事の内容をPDFファイル化しました。管理職への提案や、職員会議での提案などの際に必要に応じて印刷してご活用いただければ幸いです。

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2月末の突然の全国一斉休校の際に、change.orgで #コロナ休校SOS キャンペーン(以下リンク)をやった私ですが、もはや、今の段階では休校地域の拡大・休校が長引くことはやむを得ないと思いいます。(あのタイミングでの全国一斉休校は違ったはず、と今も思っていますが。)
現在、ハイリスク地域ではGW明けまでの休校が想定されていますが、個人的には世界の動きも踏まえて考えれば、少なくとも夏休みごろまでの休校を想定して動くべきではないかと思います。

ただ、休校するのであれば、それを前提として学齢期の子どもたちの安全・安心(セーフティネット)と、学習保障をどうしてもしないといけない
国や自治体にしてほしいこともたくさんありますが、ここではまず、主に全国の学校の先生、教職員の皆さんに向けて発信したいと思います。(フリースクールやオルタナティブスクールのスタッフの方にも参考にしていただけたら嬉しいです。)

まず結論から書きます。

全国の各学校で、今早急にすべきことは、この2つだと思います。

①学校の持つ機能を、休校中にもなるべく確保する方法の検討

学校の持つ機能とは、保護者との連絡(情報提供/やりとり)・学習(あえて授業と書いていません)・子どもたちとのコミュニケーション・セーフティネットの4つを想定しています。「今まで通り」「全部」は無理です。その辺りは、何をどこまで追求して、どこは思い切って諦めるか、もしくはまったく新しい方法を取り入れるか、など自治体ごと、学校ごとの判断が求められます。

②サポートの必要な家庭のリストアップと、その家庭を支える方策の検討

後でも書きますが、インターネット環境の有無 / 家庭で子どもが使えるデバイスの台数の確認は早急にしておくべきだと思います。以下のニュースのように、政府は、ルーター貸し出しを検討しています。4月3日時点で「来週中にも決定する」とありますが、所得制限や通信費用の負担はまだ決まっていませんので、それがどうなっても機敏に対応できるように「まずは把握を」、ということです。

ちなみに、把握の際はGoogleフォームを使うと便利です。簡単にアンケートがつくれて自動で集計し、グラフ化もしてくれますよ。

そして、家庭学習を保護者がサポートするのが難しい家庭や、日中子どもだけになることがある家庭虐待がある・そのリスクが高い家庭など、先生方が元来把握している情報をリストアップし、校内で・学年で共有してほしいです。休校中は「しんどい家庭」はよりしんどくなります。自粛のストレス、就労の不安定化などから保護者が追い詰められ、それが子どもに向かうというリスクも高まります。ちょうど学年が変わってクラス替えが行われたタイミングです。新しく担任になった先生は、クラスの子どもたちの家庭状況がわからないと思います。引き継ぎを例年以上に丁寧にする必要があると思います。
 
以下、①の4つの機能ごとに、理想的だと私が思うものからA-B-C順に、選択肢を提示しました。なぜ複数の選択肢を提示するかというと、学校によっては「新しいこと」「思い切ったこと」をやる判断(教職員の合意形成 / 管理職の決断)が難しい、という場合もあると思うからです。その際に、Aは無理でもB、せめてC、と粘ってほしいのです。。

※ 重要 ※
何か新しいことをやったら「差が出るからやらない」という「判断」をする管理職がいますが、それは違います。
機会提供を試みて初めて「機会にアクセスできない子ども・家庭」が見えるようになり、その子や家庭をケアするスタート地点に立てるんです。
この状況で、積極的アクションをとらないと言うのは、一番「差が出る」のです。意識が高くて財力がある親は学校が何もしなくても手立てを講じるからです。「差が出るから」と積極的アクションをとらないというのは、しんどい家庭のみならず、どの子のこともケアしない、ということに他なりません。こぼれる子が出たら、そこをすくいあげることを考える。それだけ。アクションしないというのはつまり、「全員こぼれてる状態」のことです。
子どもの安心安全・学習権が損なわないためには、考えうる最大限の手立てを講じてください。お願いします。

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保護者・生徒との連絡の方法

▼選択肢A:LINE公式アカウント

LINE公式アカウントが、無料で学校プランを提供するという発表がありました。個人的にはこれが最もいいと思います。

 " LINE公式アカウントは、LINE上に独自の公式アカウントを開設できる法人向けサービス。LINE上で「友だち」になった相手にメッセージやクーポンなどを配信できる。
 今回提供する学校プランは、メッセージの送信数に関係なく無料で利用可能。学校側は、学生や保護者に対して必要な情報を配信したり、個別の問い合わせにチャットで答えたり、アンケート機能を使ったりできる
 LINEは「直接会話をしたり印刷物を配布したりすることなどが難しい状況で、円滑な情報発信・取得に役立てていただける」としている。"

なぜLINEがいいか。他にもいろんなアプリやサービスがあるとは思います。ただ「新しいツールを使う」こと自体が負担になる、人によっては難しくて使いこなせない可能性があるのでLINEがベストだと思います。以下は2020年3月時点の調査です。保護者の7割り以上は使っているので、導入が比較的スムーズかと。もちろん、使用していない人もいるので、メールと併用。かつ、メールも見られない人は電話、となると思います。

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※画像はこちらから拝借 ↑

「LINE公式アカウント」であれば、クラスごとにも連絡ツールを整備するのも可能で、担任ごとの管理もできます。また、一般のLINEのグループチャットとは違い、保護者側からは発信できないので、荒れる心配もありません。
※ 高校生の場合は、同じ方法で生徒との連絡方法がつくれるのではないでしょうか。(スマホ保持率が高ければ中学生でも)

SNS・チャット系のツールは他にもいろいろあります。ご参照ください。

選択肢B:メール / メルマガ

保護者にメールアドレスを提供してもらい、リスト化し、学校のメールアドレスからBCCで一斉送信する。もしくはメールマガジンを作成し、そこから配信する方法です。すでにそういうシステムを持っている学校は強いですね。

BCCメールのメリットは、手っ取り早いこと。デメリットは、間違ってTOやCCで送ってしまったりすると個人情報の管理的に問題。
メルマガのメリット個人情報保護の観点と、ツールによってはブログのように画像やタイトルを入れたりできて、見やすいデメリット導入がちょっと面倒

メルマガ配信システムはいろいろ種類ありますので、例えば以下のサイトなどを参考にしてください。(無料のものでいいと思います)

選択肢C:ホームページでお知らせ+問い合わせ対応

大阪のとある高校では、保護者や生徒に向けたお知らせを、ホームページに都度掲載し、学習についての指示もここで出す、というかたちにしたようです。ホームページについている問い合わせフォームの機能で、健康状態などの状況把握もしているとのこと。生徒や保護者の側から、心配なことや不安なことがある場合もフォームから連絡、とのこと。もとある仕組みを活用してこういうことも可能です。

選択肢D:電話

AもBもCも選べない!という場合は、この方法。ただ、学校はコールセンターではありませんから、電話の台数に限りがあります。「電話待ち」の時間が発生しますし、保護者の方と電話がつながったはいいけれど、話したいことがいっぱい溜まっている保護者の方との電話がなかなか終わらなくて・・・ということも多発するでしょう。先生の業務が非常に逼迫すると予想されます。働いている保護者にとっても、「仕事中など都合の悪い時間にかかってきて困る・・・」ということもあるでしょうし、口頭であるために勘違いが起きたり、「言った/言ってない問題」に発展するリスクもあるでしょう。今の混乱期や、ケアの意味では電話は必要になってくる場合があると思いますが。私は、連絡方法としては、あくまで補完的な手段と考え、なるべく避けたほうがいいと思います。

選択肢E:ポスティング

・・・はさすがにしないかな・・・?時と場合によって、何かの事情によって、よっぽどの必要性が生じた時には、いいかもしれませんが、基本的には「ない」ですよね。。

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学習の方法

次に、学校の「本分」であるところの学習です。あえて、授業と書かなかったのは、今は「非常時」なので、いつもの授業をいつものやり方で全部やることは不可能だと私は思うからです。分散登校ができるかどうか、によってもかなり対応が変わってくると思いますが、いったん、一番厳しい「分散登校すらできない状態」を想定して書いています。

選択肢を書く前に、前提として「判断」しないといけないことは、【新しい学習内容に取り組むかどうか】です。現時点で文科省は「取り組んでください」とも「取り組まないでください」とも言っていません。ただこう言う議論はすでにあります。

基礎自治体の教育委員会によっては、休校中の「登校日」に授業はすべきでないとしているところもあります。長期化する際にここがどうなるかはまだ不透明です。

個人的には、「取り組んだほうがいいんじゃないかな(取り組むデメリットがない)」と思います。ただ、上記の通り、いつものやり方で全部やるのは不可能と思っているので、教科書の通り進めるのは手放していいい、というか手放したほうがいいと思います。漢字だけ全部出しちゃう、とか、後で紹介するオンラインの学習コンテンツでカバーされているところを休校中の課題にする、など柔軟に判断して、「自分のレベル・ペースで取り組める課題を出す」→「取り組み方や分からなかった時の解決方法をあらかじめ示しておく」→「先生は進捗の把握や、困ったときのサポートをする」というイメージ。

ちなみに・・・オンラインを使う場合は、初期の使い方やセッティングのサポートなどは個別に必要だと思います。国や自治体ごとの判断にもよりますが、デバイスやwifiがどうしても確保できない場合のみ、学校に来て、デバイスを借りてネットを繋ぎ、個別学習に取り組むという方法がいいと私は思います。(この方法なら、三密を避けることも可能だと思います。)

eboardさんがオンラインでの授業のパターンを整理してくれてます。この記事もおすすめです。

以下、選択肢を書きますが、ここに関しては、すべて組み合わせるのが一番いいと思います。どの選択肢にも長短があるので。

選択肢A:オンラインの個別学習サービスを使う

個人アカウントを作成し、スマホや PCなどで自分のレベル・ペースで学習できる eboard / qubena / すららなどのサービスを活用する。学校ごとに導入することが可能で、現在、いずれも無償提供されています。
※すららは学校数に限りがあるようです。

ちなみに、他のサービスにはあまり詳しくないのですが、例えばeboardだと、先生アカウントから、生徒の学習の進捗状況をリアルタイムで確認することができます。なので、滞っている子には個別に連絡してサポートする、というようなことが可能です。おそらく他のサービスも同様のことができるのではないでしょうか。

選択肢B:動画を視聴して学ぶ

これは、先生が動画を撮って配信するパターン(Youtubeなどで配信)と、民間で作成されている既存の動画授業・教育コンテンツを先生が紹介・指定して子どもが視聴するパターンがあると思います。私は、休校中に先生たちがすべき/先生にしかできないことはたくさんある(コミュニケーションとセーフティネットの方が、生身の先生にしかできない)と思うので、貴重なマンパワーを動画作成に注ぎすぎることは避けた方がいいと思います。

民間で作成されているもので有名どころは「スタディサプリ」でしょうか。

以下の、経産相の #学びを止めない未来の教室 のページには学校向けに無償提供されているサービスがまとまっていますので、使えそうなものを探してみてはいかがでしょうか?

選択肢C:教科書+ドリル+プリントなど教材を配る

これは、比較的イメージしやすいかと思います。「自分で教科書を読む(もしくはB=動画視聴との組み合わせ)」→「ドリルやプリントに取り組む」。シンプル。答えを配るかどうか、進捗の確認をどうするのか、など議論のポイントはいくつかありますね。 

教材は、文科省が使えるものをまとめていますし、自治体によっては、教育委員会単位でもダウンロードできるものを用意していたりするようです。確認してみてください。

私としては、A(主)&B・C(従)がベストかなと思っています。
連絡の手段としてLINEが導入できていれば、B・C&LINEで進捗報告というのもできるかもしれません。分散登校が可能な場合は、C(主)&B(従)&登校時に進捗確認やサポートというのもできますね。

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双方向コミュニケーションの方法

いくらオンラインで学習環境をつくったり、プリントが山盛り家にあっても、コミュニケーションがなければ、モチベーションも続きません。友達や先生と顔を合わせて、声を聞いて、触れ合えるということは、子どもたちの心の健康のために絶対に大切です。

選択肢A:zoomなどリアルタイムで大人数がつながれるWeb会議システム

これだと、【クラス会(先生と子どもたち)/ 保護者会(先生と保護者たち) / 先生ー子ども(1対1) / 先生ー保護者(1対1)】というコミュニケーションが、顔を見て、声を聞いて、リアルタイムでやりとりしながらとれます。「おーい」って、顔を見合って手を振り合うだけでも、全然違うと思います。先生や友達とのつながりを感じる。ものすごく大きいことです。授業をしようと思うとちょっと大変ですが、毎朝、みんなで「おはよー」「元気?」「今日もがんばろ〜」と言い合うだけなら最小限の機能だけ使えばできるのでかなり簡単です。毎日が大変だったら数日に1回、など頻度を決めてもいいと思います。保護者も、先生と話せる機会があると安心でしょう。

zoomは、とりあえず4月いっぱいは無料。休校が延長されたら伸びるのではないかと思います。そもそも【50人まで・40分以内】の通話は無料なので、朝の会をするぐらいだったら問題ありません。使い方は、検索すると、PDFもブログもyoutube動画もいっぱい出てきます。

ちなみにzoomはここのところ急激に利用者が増えたこともありセキュリティの脆弱性が指摘されています。その点については、東京大学の情報基板センターが「Zoomを用いたオンライン講義を安全に進めるために」という文書を出していますをしています。
※「タイトル未設定」となってますが以下リンクから見られます

それでも気になる場合はGoogleハングアウト MeetMicrosoft Teamsなどもあります。調べてみましょう。eboardさんがまとめてくれたので以下ご参照ください。

選択肢B:公式LINEアカウント / メール

これだと、【先生ー保護者(1対1)】のコミュニケーションがとれます。子供の年齢によってはある程度の人数の【先生ー子ども(1対1)】のコミュニケーションもできるかと思います。基本的には文字でのやりとりになりますが、メリットはお互いに都合の良い時に送信 / 返信ができること。デメリットは声を聞いて、顔を見て、という生身により近いコミュニケーションにはかなわない、ということです。でも、文字ベースのやりとりの方が気持ちが言える人もいるので、ツールはいろいろあっていいと思います。

選択肢C:LINEのグループチャット or オープンチャット

高校生の場合はLINEのチャットでのコミュニケーションもおすすめです。先生が管理する「3年A組・公式チャット」みたいなのを作って、ルールを決めてクラスごとに運用する。(新年度でクラスの発表も顔合わせもできてなかったりする学校も多いと思うのですが... )

↓これをFacebookで見て、おもしろい取り組みだなと思ったんですよね。

Topic‐トピック 富田林市きらめき創造館さんのページより
【トピックオンライン自習室はじめました】
いよいよ緊急事態宣言が出そうですね。
 
しかし!ポジティブな休館をするTopic富田林市きらめき創造館は「外出しない!」を応援します。
 
LINEオープンチャットで「オンライン自習室」を開設しました。
 
勉強を開始するとき、
「○○の勉強頑張ります!」
「今日は○○をやりました!」
とコメントすると、ロビースタッフが「がんばって!」や「お疲れ様!」といった応援メッセージを返信します。
リアルのトピック自習室同様、お仕事のご利用もOK!
 
「一人じゃない!」「やらなあかん!」という雰囲気を感じることができる…というだけのオンライン自習室です。
 
…もう半分ネタみたいなものですが、運営初日にして、学生さんたちで賑わっています…でも私語厳禁(笑)
  
どなたさまでも無料でご利用頂けます。
入室退室は自由なのでどうぞお気軽におためしください。

本名で登録すること、書き込んでいい時間や内容の制限、先生も見てることを前提に運用することで、大きなトラブルは回避できるんじゃないでしょうか。もちろん友達同士は勝手に連絡取り合ってると思いますが、クラスのオフィシャルな場があることには結構意味があると思います。

選択肢 D:家庭訪問 / 対面 

これは【先生ー保護者(1対1)/ 先生ー子ども(1対1)/ 先生ー保護者・子ども(1対2)】。本当に地域の状況や今後の感染状況によりますが、自治体で許容されていて、かつ他に双方向のコミュニケーションの方法がない場合は、小中学校においては十分、選択肢だと思います。

選択肢E:電話 

これだと、【先生ー保護者(1対1)/ 先生ー生徒(1対1)】の声を聞いてのコミュニケーションが取れます。ただ、さっきも書きましたが、電話をツールにするのは、結構大変だと思うので、これを全家庭に向けた主たるコミュニケーションツールにするのはおすすめではありません。でも、AもBもCも導入できない。家庭訪問も、学校に来てもらうのも無理、という場合は、「毎日全員に」じゃなくても良いので、絶対電話をかけてほしいです。学習のサポート、という意味ももちろんですが、安否確認の意味も大きいです。できたら、子ども本人とも、保護者の方とも話せるといいと思います。話の内容だけでなく、声のトーンなどから伝わってくることもあるでしょう。

その他、フルパッケージで使えるツールとしては...

G Suite for Education という、Googleが出しているサービスがあります。これは、教育機関は無料使えます。ここまで書いたようなことがだいたい全部できると思っていただければいいかと。
特設サイトも分かりやすいので、ご覧ください。各ツールの使用手順を知りたい方は、「家から教えよう」ツールキット(PDF) をダウンロードください。

ベネッセが出しているClassiというのもありますね。こちらは、すでに導入している/しようとしている学校(特に高校)が結構あるみたいなので、そのスピード感を高めることができれば、かなり子どもたちのサポートとの選択肢が広がるかと思います。

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学校はセーフティネット。子ども・家庭のSOSをキャッチしてほしい

一番はじめに、結論の②として書いたように、学校は学びの場であると同時に、セーフティネットでもあります。教育の現場であると同時に、福祉の現場でもあるのです。学校でしか、SOSをキャッチできない子どもが、皆さんの現場にもいるはずです。

例えば、個別学習のツールを導入して、先生アカウントから進捗状況を確認した時に、「全然進んでないな」という子がいたら、「あれ?」「大丈夫かな?」とアンテナを立てて、本人や保護者に連絡をしてほしい。もしかしたら、どちらとも連絡がつかないかもしれない。それがもともと心配な家庭だったら、すぐに。そうじゃなくても翌日になっても連絡がつかなかったら、家庭訪問をしてください。(家庭訪問もできない場合は、児童相談所か役所の子育て支援の窓口に連絡を。)

例えば、電気やガスや水道が止まっていることに気付いたり、保護者に経済的・福祉的・医療的なサポートが必要であると感じた時は、管理職およびスクールソーシャルワーカーに相談してください。スクールソーシャルワーカーがなかなか来ない、という場合も、上記同様、児相や役所の窓口に相談してください。とにかく、学校だけで抱えないで、社会資源につなげてください。

こういうのも、あらかじめ子どもと保護者に伝えられるといいなと思います。自治体ごとに他にもいろいろあると思うので、情報提供を。

▼24時間子供SOSダイヤル  ※保護者がかけてもOKです。

▼NPO法人チャイルドライン  ※電話とチャットで相談できます。

▼オレンジリボン運動・相談窓口

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さいごに

未曾有の事態に、現場は大いに混乱し、一人ひとりの教職員も不安や戸惑いでいっぱいだと思います。子どもたちの健康・安全を守りながら、学びの保障や心のケアをする、というのは本当に難しいミッションです。でも、これが「後手後手」になると、子どもの権利が守られない状態が、今よりももっと、ただただ悪化します。

贅沢を言えば、今のしんどい状況を乗り越えることで、ずうっと変わらなかった学校の「当たり前」が変わっていくを望みますが、そうじゃなかったとしても、最悪のケースを想定しながらことに当たり、 GW明けに幸運にもコロナが収束したら、「あー、よかった!」でいいじゃないかと思うのです。とにかく、少なくとも今現在、刻々と損なわれているものを、どうにかマシにしたいのです。

学校現場にいない自分にできることは本当に限られていてもどかしいですが、「どうにかしたい」と思っている現場の方の役に少しでも立てたらという思いでこの記事は書きました。活用してくださる方がいれば幸いです。

※この後に書いたコロナ対応関連の記事もリンクしておきます。


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武田 緑|学校DE&Iコンサルタント
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