9月入学に関する小・中・高校の教職員向けアンケート、結果をまとめました(詳報)
アンケートの概要
・対象:全国の小・中・高校の教職員
・実施期間:2020.5.24(日)18:00-25(月)9:00
・実施方法:インターネット調査(Googleフォーム入力)
※主にFacebookとTwitterで呼びかけ・拡散
→いろいろなLINEやML、口コミで広げていただきました。
・有効回答数:1276件 / 回答数:1306件
・回答者属性については以下の図を参照してください
小さくて見づらいかもしれないのでこちらにも数字を書いておきますね。
●校種別で見ると・・・
小学校(48.8%=623人)、中学校(23.7%=302人)、高校(21.5%=274人)、特別支援学校(4.5%=58人)、その他義務教育学校2人、中高一貫校5人、中学校・高校との表記が1人、夜間学校1人、おルタナティブスクール2人、無回答1人となっています。
●年代別で見ると・・・
30代(35.2%=449人)、40代(23.4%=299人)、20代(18.9%=241人)、50代(17.8% =227人)、60代(4.7%=60人)となっています。
●地域別に見ると・・・
大阪・東京・神奈川・福岡・愛知・兵庫などから多くの回答が寄せられています。これは、単純に人口が多い県、ということなのかもしれませんが、感染が拡大したエリアの方が多く回答してくださったと見ることもできるかもしれません。北海道も、人口と比較して考えると若干回答数が多いように思います。
※ちなみに大阪が突出していますが、これは私のホームグラウンドで教職員の知り合いが関西(特に大阪)に偏って多いためですm(_ _)m
全体の結果は【反対53.2%、賛成24.1%、どちらとも言えない22.7%】
校種別に見ると・・・?
大きな傾向は変わりませんが、中学校・高校で賛成の割合が若干大きくなっています。これは受験や就職などの進路への影響や、部活の大会の中止など、生徒へのマイナスの影響がより大きい校種と言えるかもしれません。
また、特別支援学校で反対の割合が大きくなっているのは、発達特性のある子どもたちにとって、慣れた学校生活のパターンが崩れることによってネガティブな影響が大きいと判断した先生が多かったのでは、と想像しています。
年齢別に見ると・・・?
こちらも大きな傾向は変わりませんが、若い教職員の方ほど賛成の比率が高いようです。特に20代・30代では反対が50%以下、賛成が25%以上となっています。より生徒に近い(担任をしている確率が高い)若手に賛成が多く、より組織全体の動きを考えているベテランが反対が多い傾向がある、と言えるように思います。
地域別に見ると・・・?
以下、回答数が20を超えている自治体のうち感染状況が異なる自治体をピックアップして見比べてみました。( )の中の数字は、その自治体の調査時点での累計感染者数です。
●感染拡大エリア:東京(5152)・大阪(1781)・北海道(1054)
●中間エリア:宮城(88)・滋賀(100)・大分(60)
●感染者が少ないエリア:徳島(5)・鳥取(3)
●感染拡大エリア:東京(5152)・大阪(1781)・北海道(1054)
●中間エリア:宮城(88)・滋賀(100)・大分(60)
●感染者が少ないエリア:徳島(5)・鳥取(3)
それぞれに割合のブレはありますが、【半分強が反対、約1/4が賛成、約1/4がどちらともいえない】という傾向はそれぞれのエリアで大きくは変わっていません。ただ、おおまかな傾向としてサンプル数が少ないところほど反対の%が高いので、反対の立場の方が積極的にアンケートに協力してくださったと言えるかもしれません。もしくは、都会よりは地方(感染者が少ないエリア)の方が反対の立場が強いと見ることもできるかと思います。
賛成の理由を見てみると・・・(詳細)
▼テキストマイニング の結果から
テキストマイニング とは、AIで頻出ワードを解析し、結果を見える化・マッピングしたものです。大きい文字ほど頻出したワード。青が名詞、緑が形容詞、赤が動詞です。
【入試/学力/保障/確保/行事/取り戻す】などのワードから、コロナ休校の 影響で生まれた学習の遅れや、このままではできなくなる行事や保障をするために賛成している人が一定数いることがうかがえます。
【海外・世界ー合わせる・行きやすい/受け入れやすい】など、グローバルスタンダードとしての9月入学に合わせることへの前向きな意見が多いことがうかがえます。また、【遅れー学習ー取り戻す/授業ー行事ー確保】など、学校生活の期間が短くなったことへの対応策としての期待が見えるかと思います。さらに、【入試ー時期ー寒い】から、入試時期が変更されることへの賛意がうかがえます。
1つ1つのコメントの中身を詳細に見て、大きく意見を分類しました。項目ごとに、代表的なものをいくつかそのまま掲載します。
1. 授業時数確保が困難。詰め込み授業や盛夏の授業になれば子どもの負担が大きい。対話的な授業がしたい。
詰め込みなどは生徒、教師共に負担が大きいため。夏休みを短縮するとすれば、夏にはエアコンを使用するため換気を行ないながらというのは難しい。
授業時数の確保のため夏休みの短縮や行事の中止など、全て子どもにしわ寄せがいっている。これ以上子ども達にストレスや不安を与えたくない。
距離を保って活動するのは難しいため。
3月が年度末だと夏休み短縮や土曜授業などが学習習熟度の高くない児童にとって大きな負担。不登校児童の増加が懸念される。
詰め込んで急いで学習を行うことは,厳しい状況の子どもたちが置き去りになる。
夏の暑い日に窓全開してエアコンつけてマスクをつけて授業などできない。
第二波がいつやってくるかも知れないし、シェアして使う実験道具を使って実験観察することを禁止しておきながら、学習内容を短い期間に完結させるなど不可能。前年度の未履修分の内容も指導せねばならず、かつ土曜日も授業をするなど、教職員の勤務のことどうするつもりなのか。話し合いしない、共同して学習しない、声を出して発表しない、ただの詰め込み教育をしてどうするのか。
家庭や学力的にしんどい子ほど失われた時間を取り戻すのには丁寧な教育が必要。教える内容はほぼ変わらないため、授業の速さについていけない子が多く出てくる。低学年で分からなくなったら、ずっとひきずる。例えば九九をうろ覚えで進級してしまうと、割り算も分数もできない。学校の春休みは短く、学校、学年、クラスをどう作っていくか充分論議されないまま新年度が始まっていた。9月に始まりになれば、1ヶ月は準備に当たることができ、落ち着いた状態で新年度を迎えることができる。春休みの必要がなくなり、授業時間確保と夏休みを確保できる。これは以後ずっと。子どもにとって、解放される夏休みは大きな意味があると思う。
2. 学習の遅れを取り戻し、広がってしまった教育格差を是正したい。
学力保障と「人格の形成」を大切にするためには、時間が必要。授業時間数を確保すれば良いという短絡的な発想は避けるべきだと考えるため。
あまりにも家庭、学校、地域による差が大きすぎる。今回の休校を国家として責任を取る方法として考えるべき。
現時点で学校間の学力格差が生まれているのは確実。受験生のことはもちろん、他の生徒にとっても、9月からもう一度体制を整え、学習環境を確保するべき。また、就活や就職といったものにも影響してくるが、社会全体で支えてあげるべき。
遅れた分をゆっくり学ばせてあげたい。
2020年度内に履修するべき内容を2021年3月までで扱い終えるのは不可能だから。
すべての子どもの学習権を守れると思ったから。
学校に戻っても制限があり、オンラインで行うにもまだ整っていない。子ども達の一生に1度しかない1年の中で、失われるものが大きいから。
感染拡大防止に細心の注意を払いつつ、授業時数を確保し、遅れを取り戻す。普段の学校ではない毎日の中で、焦りと負担とストレスで心がどんどんすり減っています。無理のない程度で進められるように9月入学も視野にいれていいのかなと思っています。
3. 行事なども含めた教育活動をゆとりを持って行いたい。学習以外のことも保障したい。
行事が実施できてなさすぎる。知徳体の育成が、日本において学校で育まないといけないことだが、これらが現状だと育まない。議論が知の部分に偏っているのも気になる。
長引く休校のため、児童の心のケアに重点を置く必要があると感じる。そのため、教育過程をこなすのではなく、授業時数にゆとりをもって、行う必要があると考えるから。教科書や行事等の準備するべき課題は多いが、だからこそ、一刻も早い決断を望んでいる。
部活動の大会や行事を体験してほしい
思い出に残る行事などもほぼ全てなくなってしまうのはかわいそうだから。
高校3年生は一生に一度しかないから。高校最後の学校生活、学校行事を体験させてあげたい。
休校時期で叶わなかった経験をなかったものにするのではなく、そのままスタート時期をずらして本来の教育活動を施してあげるべき。今年度を9月から一年間とすれば、今回の自粛期間も意味のあるものとし、可愛そうな思いを子どもにさせずに仕切り直すことができる。置き去りにする子どもの代をつくってはいけない。
児童生徒たちの社会的スキルの学習機会を保障する。3月から3ヶ月間学校生活を過ごせなかった分の学力補充は、家庭学習では補えないので、進学や進級の延長をして、学ぶ仲間と共に過ごす時間と機会を保障する。
ただただ、目の前の、目先の時間が欲しいです。私は受験生の学年の担当で、でも未だに受験の範囲や内容については国からも府からも発表がなく、担当生徒と共に、出口はあるけど先の見えないトンネルを走らされている気分です。ー中略ー学習指導要領の見直しという意見もちらほら見かけますが、また今から3〜4ヶ月かけて学習指導要領を見直す?で、発表はいつ?その間にも授業は進めなければなりません。それに、学習指導要領を見直しても教科書の再印刷は間に合いませんよね?ということは結局、学習指導要領が変わっても現場としては、学習内容はそれほど減らせないのではないでしょうか?だったら、とりあえずまず、出口だけでも延ばして欲しいと思うわけです。そして、学習指導要領を見直すのであればいついつまでに、受験に関する発表を行うのであればいついつまでに、これらをはっきりと示してほしいと思うわけです。
4. 寒い時期の入試や暑い時期のスポーツの大会を避けられる。
インフルエンザのリスクが低い時期に入試が行わる方がフェアだと思うので。
冬の体調を崩す時期に、一発勝負の受験をしなければならないことを避けるため。9月に運動会をやっているが、暑い時期に練習をしなければならず熱中症の危険があるため。
6年を持つたびに思いますが、体調を崩させないように苦慮します。せっかく頑張ってきたのが、インフルエンザや発熱などで台無しになるのは、一年受け持った身からすると大変残念です。換気はもちろん、加湿器を個人で購入して焚くなど、最大限には注意しますが、それでも万全ではありません。また、これから新型コロナが寒くなるたびに流行する病に変容するかもしれません。リスクは少ないほうがいいです。
スポーツに対する取り組み方を再考するいい機会であるから。例えば、「夏の甲子園」と言われるように、なぜ熱中症になる危険が高い時期にわざわざ野球を行う必要があるのかといった課題や一年中子どもたちを同じスポーツでがんじがらめにする忙しいスポーツのスケジュール全体を見直すべきであるから。
5. 国際基準に合わせるチャンスであり、この機を逃すともうできない。
海外への進学がし易くなること。海外から日本へ進学しやすくなること。これらが理由で賛成です。通信制の高校に勤めているのですが、生徒の選択肢は増やしてあげたいと思っています。
海外の多くの国は9月入学で、夏休みをリフレッシュ、短期留学、職業体験に充てやすくなる。
グローバルスタンダードは9月。少子高齢化が進む中、優秀な人材を育成するには留学のしやすい環境を整えるべき。
グローバル化も進み、これから先、海外との交流はもっと増えると思うので、海外との入学時期を揃えた方が、海外にも行きやすく、海外からも来やすくなると思うためです。また、このような事態にならないと、国は大きく変わることはないと思うので、変えるなら今しかないと思うためです。
グローバルスタンダードに合わせるならこのタイミングしかない。グローバルスタンダードにすることはこの先の国際化の中でも大切なことだと思う。
6. 受験に不利な中3、高3生を救いたい / 進路が心配。
受験生はこのまま来年3月に卒業を迎えても、学習の質と量が確保できず、進学先などで新たな問題が生じる可能性が高いため。
私が担任をしている高校三年生では、高校三年生で初めて習う科目もあり、明らかに遅れを取り戻せない。
中学校3年生のためです。行事も縮小で、卒業(3月)まで勉強を詰め込まれるのは酷と思うからです。
新型コロナの第二波が来て休校になった場合、現在想定しているスケジュールでは最終学年でもカリキュラムを終えることが難しいため。
また、入試を控えた学年が現行スケジュールではたとえ教育課程を終えられたとしても準備不足のまま入試を受けなければいけないため。高校3年生は特に浪人と比べて不利になることが考えられる。
実技で受験する人は進路に影響するから。
9月始まりの上で今の高3&中3&小6達の受験対策準備にしてほしい。受験の月はもちろんずらしてあげてほしい。
7. 夏休みの時期が学校の年度の区切りとなることにメリットがある
夏休みを挟むことにより、新学年への準備時間を確保できる。
夏休みの時期に次の年度の準備が出来るため。異動となってもその時期は引っ越しラッシュと重ならないことが想定されるため。
8. 今こそ大きな変革を。教育を見直す機会に。
システム自体を再構築できる。
現時点では、必ず日本に混乱が起こる。国内におけるメリットは少ない。それでもやらないと、将来の、今よりもっと少子高齢化が進んだ時代に、日本の政治・経済・社会を維持するためには必要である。
変えるとしたら今しかない気がする。できればあわせて少人数学級の編成と合わせてやってほしい。どちらにしろ、コロナの「おかげ」で、何かひとつでも制度がポジティブに変わったところがみたい。
今年度末を6月か7月に延ばすことで学習機会を保障。夏休みを年度末にして宿題の無い自由な休みに。子どもから大人までが4月に一斉に新生活を迎えるのではなく、就職も進学も進級も、能力や状況、自分の意思でタイミングを決められる自由な社会への転換の好機。
教育を抜本的に考え、大胆に変えるチャンス。オンラインとオフラインの選択制など、今までにない教育改革を創造するチャンス。日本社会が、コロナから学び、日本社会システムの抜本的な改革ができる。経済界、会社のテレワーク、人口の分散化、新しい文化ので創造等。新しい日本に向かうチャンス。
工業化モデルのまま9月入学という手段をとるだけでは教育そのものの変化につながらない。一方で、何か動かないと学校教育が変わらない。その一つのきっかけにはなってほしいのと願っている。標準授業時数や現在行われている学校教育を見直すことになればいいかなと賛成の立場です。
9. 感染リスクを下げるため。今後も休校になる可能性があるから。
年度内に学習を終えることが困難であると考えるため。第2波第3波が来ることを考えると特にそう思う。繰越しも可能との通達はあるが、勤務校の自治体では特に繰越しの話は出ておらず、混乱が生じると考えられる。
学校でクラスターが発生することを防ぎたい。
コロナ感染のリスクを避けるため。
生徒への指導や設備の管理を含め、教員に感染対策の準備時間を与えるため。
反対の理由を見てみると・・・(詳細)
▼テキストマイニング の結果から
【現場/負担/混乱/影響】などのワードから、9月入学になった場合に学校現場にかかる負荷が懸念されていることがうかがえます。また、【議論/少ない/ほしい/短い】などから、もっと時間をかけて考えるべき案件であるとの批判が一定数あることがうかがます。
【対応ーできるー考える】などから、4月入学のままでできることがあるという意見が一定数あることがうかがえます。また、【子どもー負担ー教員ー大きい】などから、学校現場や子どもたちへかかる負担の大きさを懸念が見えてきます。さらに、【社会ー影響ー変えるー制度ー変更】などから、学校に留まらず社会全体への影響の大きさや変えるなら学校だけではダメで社会の制度も変えなければならないという意識がうかがえます。
1. すでに混乱している現場がさらに混乱する。負担が大きい。
ただでさえコロナで教師も生徒も生活が変化してしまい、その変化に心身の準備もないままに対応せざるを得ない環境におかれているのに、さらにまた9月からという変化はキツすぎる。学校という場所は生身で未熟な生徒を相手にしているのだから、少しずつ変化させていかないといけないし、実施するならこれから来年、再来年に向けてじっくりと検討を重ねていかないといけない。生徒の心身の状態を最優先に考えてほしい。
移行期の学年への負担が大きすぎる。現段階では夏休みや冬休み、土曜日の活用で学力保障は対応できると思う。年間スケジュール、学校行事、各種大会に大きな歪みが出てくる。ある程度、シミレーションして時間をかけてやらないと移行期に大きな混乱をきたす可能性がある。
度重なる休校延長、オンライン教材の準備、生徒のメンタルケア等、現場は混乱しきっています。今は9月入学という社会全体に影響を与える政策ではなく、目の前の学生に目を向けるべきです。
9月入学になると新一年生の人数が増える。増えるということは、教員の数も増やさないといけないということ。今でさえ、人が足りていないのに、いつものように現場に丸投げされれば本当に崩壊してしまう。人を大幅に増やし、受け入れる余裕ができたときに9月入学を実行すべき。
多くのことを変更しなければならず、子どもたちへしわ寄せが来る。教科書、教育課程、行事など。また、今も教員が不足しているのに、教員を増やすのは無理。教室も足りない。全くメリットを感じない。今年、学習指導要領が改訂され、始まったばかりで、ホントに無理。ー中略ー学習の軽重など、今も工夫して日々指導に当たっています。現場はとにかく今、目の前の子どもたちと向き合っています。九月入学などになったら、混乱する上、子どもたちに十分な教育を提供する自信がありません。
1年生の幅が広過ぎて指導が困難であるし、年度の途中で人事異動があることになりクラスを途中で離れることになるから。
現在学校はコロナ対応でかなり混乱しており、それが児童や保護者にも深く影響しています。このような中で教育制度を大きく変えるようなことは何の得策もありません。
コロナ対応に振り回される毎日です。これ以上学校を非日常に、段取りしたことをやり直しにさせないでください。 新一年は人数が増え、クラス替えをします。空き教室はありません。先生がいますか?今すべきはコロナ対応をしながら円滑な教育活動をするために、どうすればよいか国として具体策をあげること、経済的支援ではありませんか?
2. 子どもや家庭への負担・デメリットが大きい。
メリット、デメリットは色々ありますが、経済格差により学校をさることになる可能性が高いと思います。特に、私学に通う高校生、大学生は大変になるだろう。
高3はイベントを諦め受験体制に入っている。青春を取り戻したくて9月案に期待してもコロナが収まらなければイベントは出来ず再びガッカリさせる。受験生の夏を2年も味わう。受験生期間が長いとモチベーションが保てない。受験生期間が長い分、熟の費用や学費がかかる。その分、大学に回したいとの保護者の声もある。
9月入学にした際子どもたちが享受するメリットが少ないと感じるため。伸ばしてる期間分環境による学力格差は埋まるどころか広がるし、留学がしやすくなるとは思えない。思い出の問題は伸ばしたからといって確保されるとは限らない。子どもたちが適齢期に適した教育を受けられなくなる可能性もあるし、学費が半年分多くかかるため、経済的な負担も増える。
経済的に厳しく、退学して働かなくてはいけない子が出てくる。うちの学校はかなり多い。そうでなくても奨学金を借りなくてはいけない子がほとんど。借金は結婚など、人生に大きく関わるもの。
一斉移行案においては2021年度新一年生が1.4倍の人数になることにより、入試や就職等において当該学年への負担が大きいと感じるため。
4月から始まり3月で終わる。この感覚を障害児・者が持っている。それが認識出来ているから落ち着いて活動ができている。それが全てなくなりパニックになり、通常の生活ができなくなる。
3. 未就学児とその家庭への影響を考えると賛成できない。
保育園に通う息子がおります。その子がいきなり年長9月から小学生だなんて考えられません。学童の受け入れは?まず小学校へ自分で歩いていけるのか? 教育現場としても、そんなに大勢のお子さんを受け入れる余裕が今あるのか?全くありません。
待機児童が増加する。
未就学児への影響が計り知れない。
年中がかわいそう。
保育目線でみると、待機児童問題が解決できそうな気がしない。保育士を増やすといってるけど、スペースもない(子どもが増えるならより密に)。
4. 議論が拙速かつ不十分/議論するには時間が足りない。
デメリットがキチンと評価されていない。今回の休校に対する回復措置だとすれば、あまりにも単純だと思う。6ヶ月分の人の配置や施設設備。また、同様な休校等があったらどうするのかなど。日本の就職制度(大卒高卒共に)も突然に代えられるのか?
長期的には9月入学もありだと思うが、短期で結論を出すのは危険であり、臨時休校の代替としても適切ではないから。論点整理だけでも通常は1年かかると思う。不十分な制度設計ではかえって混乱を招く。今はこんな議論に時間をかけるのではなく、どのように学びの保障を行うのかを最優先で考えてほしい。
性急すぎる。
その場しのぎの対策で行われるべきではないと考えます。
5. 日本の文化や気候に合わない。
4月入学が日本人の生活に定着しているため。
四季とともにある学校生活が、日本の文化をつくっている側面がある。
このコロナ対応時に急いで議論することではない。
日本は四季があり、それとともに学校の行事や学習内容も整理されている。それを今変えるとなると学校現場は考えられないほどの負担が予想される。それは今することではない。
日本の教育は四季とともにある。「入学式や卒業式が桜の元にある」ということではありません。学校行事で言うなら、運動会で考えると、現在は春か秋の開催ですー中略ー学習で考えてみますと、理科や生活科が大きく関わってきます。インゲンの発芽で条件制御を学んだり、比較的栽培が容易なアサガオを用いて栽培を学んでいったりします。新たな教材を探し出し、新たな指導法を模索していくことになれば、現場の教師の負担は一層強まり、本来目指すべきこと、力を入れるべきことに十分な時間を注げなくなってしまうことも考えられます。
6. 予算的にも人的にもコストがかかりすぎる。リソースが足りない。現実的でない。
そこにかかるコストでもっと創造的な取り組みができる。
かかる労力が多すぎるから。もしやるなら人員を増やすべきだと考えます。
4〜8月生まれの子供たちを移行するのに、書類変更などに膨大な時間がかかること、人員、教室の確保が必要であることなど、課題が山積みであるため。
経済的にも制度的にも難しい。
思った以上に費用がかかる。
費用が多くかかると見込まれている点。仮に教育に予算が組まれるとしても、それは入学移行の教育改革ではなく、現状の教育環境を整備するために使ってほしい。
日本教育学会や苅谷剛彦・オックスフォード大学教授の研究グループの議論からわかるように、9月入学をするとなると、莫大なコストと労力を費やされねばならず、デメリットの方が大きいと思います。これまで何度も議論されてきたにも関わらす、進まなかったのはそれだけ大変なことだからです。
7. 社会全体への影響が大きい。社会全体の改革と合わせねば意味がない。
社会や経済に多大な影響を及ぼしかねないので、賛成ではない。
社会の仕組みも合わせて変わる案が出てきていないからです。進学、就職、保護者、社会保障、年金、など子どもたちが高校・専門学校・大学から社会に出るときに仕組みが整っていなければ、子どもたちがまた辛い目にあいます。9月入学案には賛成ですが、2021年導入は時期尚早です。子どもたちが将来のために安心して自ら学ぶには、安心できる社会の仕組みが必要です。
就職や人事等、世の中が9月始まりに対応していない。
社会全体が対応してくれないと無理です。工業高校では就職があります。社会直結の子供たちの対応が必要。
進学試験の時期もだが、何より就職試験の時期に企業が対応できるのだろうか不安である。そのような状態で今年の状況だけを憂い、慌てて9月入学にすると後で取り返しのつかないことになる危険が大きすぎる。
社会全体が9月からになるなら良いけど、シフト出来ないと思うから。
8. 平時に検討すべきことであって、今そのゆとりはない。場当たり的である。
仕組みについて話すほど、余裕もゆとりもないはずです。これまでも何十年かけて話し合い変わらなかった議論はそれだけ話し合うべき事項が多いことを表しています。これを今することへの大変強い違和感と、現場の教員、子どもが置き去りになるにちがいなく、混乱が目に見えて本当に怖いです。
来年は早すぎます。1年で全ての準備が出来るとは思えないです。課題をしっかり整理して、やるならもっと先に実施すべきです。
いまは、入学時期の議論をする時期ではないと思う。感染症防止対策をしながらも教育保障をすることに全力をそそぐべき。
ただでさえ今年度はごたごたしてるのにさらにややこしくしてほしくない。やるならもっと計画的にしてほしい。
今それどころではない。優先順位を見極めてほしい。
いま議論すべき内容ではないと思うから。目の前の生徒が蔑ろにされている。
9. まだどうにか対応可能。ここからでもやれることはあるし休校中の取り組みや生徒の努力が無意味になる。
学習内容を精選する、入試の出題範囲を限定することでのりこえるきとができるから。
夏休みの削減や、土曜日登校で授業数が確保できるのであれば、無理に9月入学にする必要はない。
ほとんど全国で学校は通常再開されるのに、ここから3か月をなかったことにするようなもので、もちろんそのために4月から行ってきた生徒との取り組みもどうするべきなのかもないのがおかしいと感じる。
今回の事態で小中高の最高学年生徒は本当に可哀想な被害を受けていると思いますが、私の子もそれに該当する中、家庭学習でなんとか学力維持は出来ています。受験を控えている人達も、暗記物や復習に十分時間を費やせた時間だったと思います。進路に不安な生徒もいると思いますが、あくまでも自宅で勉強しきれなかった子がスポットを浴びているだけで、家庭内で学習する術は多くの家庭にはあったと思います。日本全体を大きく動かす必要は私はないと感じます。
10 . メリットがない、少ない。問題解決にならない。
一時的とは言え、児童・生徒の、特に下学年における成長度合いの差が激しくなる。教職員の過不足を臨時採用で賄うことになり、一層非正規採用を拡大することになる。私立学校の入試の激化、それに起因する自己肯定感の喪失可能性。などなど。
目的と手段が合致していない。混乱に乗じて、以前実現できなかった「教育の国際化」を進めようとしており、今回生じている問題の解決や緩和のためではない。そのうえ政策にかかるコストに対する効果が限定的である。また、教育の国際化にあたり、9月入学はそもそも必要ではない。
費用、労力、教育的効果の点でメリットが少ないと考えるから。
大学の9月入学はあってもいいが、小中高の9月入学はメリットがほとんどない。
どの移行案であっても、子どもへの負担がメリットを大幅に上回ってしまうから。1年生は、誕生月による発達段階が非常に大きい。今よりさらに幅広い発達段階の子どもたちを受け入れるようになれば、それに対して支援をする教員が必要になる。
11. 別の対策を望む。他に先にすべきことがある。
まず第二波に備えオンライン学習の準備をしてほしい。
確かに生徒たちの学びは止まっているかもしれない。しかし、それは今まで教育にお金をかけていなかったせいである。それを棚に上げて9月入学にしたら全員平等に学べるなど馬鹿なことは言わないでほしい。ー中略ー
入学時期の問題ではなく、そこにかけようと考えているお金を現状の制度で今の教育にお金をかけてどんな状況でも生徒たちが学べる整備を行うことが第一である。
この先、コロナに終わらず次々と新型ウイルスが蔓延していく可能性が高いなかで、緊急事態に備えた授業やホームルームのあり方を模索することが必要だと強く感じている。コロナ収束に向かっている今、教育活動をストップさせずに、再開させながらその対策を講じていくことが最優先課題であると考える。具体的には、オンライン授業やホームルームの環境整備、設備投資、教員研修など。
学習内容を精選する、入試の出題範囲を限定することでのりこえるきとができるから。
12. 準備が間に合わない。
この時点で9月入学への移行や方針が全く決まっておらず、準備が終わるとは思わないから。また、今年度を伸ばしても1年後にコロナの影響がなくなっているとは考えにくいから。
私立高ですが、来年度からだと準備期間が短すぎます。すでに募集関連のイベントの日程もきまり動かせない状況です。
アベノマスクの配布というひとつの事業が全く捗らない状況を考えると、遥かに複雑な制度改革がこの9月の頭までに間に合う筈がない。
13. その他
岩手県の休校は3月だけで教育過程の遅れはほとんどなく、今年度の年間計画がコロナ対応版に改訂されて、実施可能なことから既に進めている中で、9月にする必要はない。農業高校では、農繁期の時期に高校入試や大学受験の指導と重なり負担が多い。
この取組が「コロナで乱れた学習機会を補償する対策」ではなく、「コロナで乱れたならせっかくだからやってしまいましょう」という取組に感じるから。 こんなにも簡単に人や財源を捻出出来るのならば、全国30人学級、25人学級にした方がメリットは大きいと思う。
グローバルスタンダードという言葉が先走りしている。真のグローバル化なら少人数クラスや通年の入学、修業だと思う。全く現場のことを知らない素人の首長や評論家の発言が先行している困った状況。今すべきは学校再開の方策。方策というとすぐにweb授業という声が聞こえてきますが、基本は少人数の対面授業が可能になるようリソースを振り向けるべき。
東日本大震災の時にはこんな議論が出なかったのに、今回は急にこういう議論が出るのに違和感を感じる。
そもそも、本当に9月までに効果的なワクチンができているのか。9月以降に休校が続いたらどうするのか?一周回って1年間無しにするのか?
「どちらともいえない」の理由を見てみると・・・(詳細)
▼テキストマイニング の結果から
【メリット/デメリット】【反対/賛成】などから両方の間で揺らいでいたり、立場を決めにくいと感じている人が多いことがうかがえます。
【デメリットーメリットーどちらー言える】、【賛成ー反対】などから、両方の意見に共感するところがある、両方の意見を踏まえて立場を決めかねている様子がうかがえます。【行事ー今年度ー考えるー入試ーすぎる】、【大きいー社会ー変わる】、【生徒ー授業ー学年】などから、これらのことへの関心や実現できるのかという懸念が見えてきます。さらに【早いー決めるーほしい】から、いずれにしても早期の決断を求めたいという声があることがうかがえます。
1. どちらにもメリットデメリットがあると思うので決めづらい。
メリット、デメリットを天秤にかけられない
どちらにもメリットデメリットがあるが、早期に決定しないことが最大のリスクとなるため、議論を引き伸ばさないのが最良。
高3生の立場から、変更なしの3月卒業は反対。部活もなく引退もない、体育祭も文化祭も規模や内容が縮小される。一方で、休校分の保障として、土曜授 業や夏休みの大幅授業化で学習ばかり詰め込まれる。それは学校とは言えないと思う。あと、進路保障がかなり心配。就職も軒並み減るし、進学もかなり厳 しい。ただ9月入学にすれば、他にデメリットもあるから一概には言えない。
影響が多方面にわたるにも関わらず,目の前のことしか取り上げられず,論議が熟成されていない。メリット,デメリットをきちんと提示して選択すべき。今後の日本の教育の大分岐点であることを認識して欲しい。
文科省が、今後の学習内容の削減案を出さないまま、時数を土曜授業などで日程を増やすことを提案しているので。学習が厳しい子どもにとって、9月ス タートにした方が、丁寧に取り組めると思う。ただ、これをすると家庭環境が厳しい子どもの学費増などの課題が出てくるので、どちらとも言えない。
変わること自体のメリットはわかるが、このコロナの騒動の中、教員の不足など根本的に一年でどうにかできないことが多すぎる。そういう意味では反対。ただ、こういう有事の時でないと、こうした大変革は行われないと思うから、そういう意味では賛成。だからどちらとも言えません。
今年度のことを考えると、コロナの影響で授業ができていない期間があるので、来年3月卒業ではなく9月入学に合わせた卒業にすると、授業時間確保ができると思われる。さらに、中止(または延期)になっている学校行事も開催できると考える。ただ、9月入学にすると、高校入試や就職活動の時期もずれるため、来年から9月入学とすると制度などが間に合うのかが懸念される。また、所謂「早生まれ」の問題もあり、検討事項が多いと思う。
ただ、前述したとおり、今年度の児童・生徒のことを考えると9月入学にするなら、来年度からが良いと思う。当たり前だが、どちらにしても利点と問題点があり、決めるのは難しいと判断し、「どちらともいえない」とした。
2. 情報が整理できておらず、判断できない。
それぞれのメリットデメリットがよく分からない。
議論不十分だから。
いまいち良し悪しがわからない。
メリット、デメリットがきちんと議論されてない中で、どちらが良いのか判断する材料が少ない。財政的にも環境的にも整っている児童は困ることが少ないかもしれないが、教育的に不利な状況にある児童はどういうことに困って、どういう支援が必要なのかがはっきりしない。
自分自身が情報を集め切れていないし、勉強不足で理解できていないから。
考えても答えが出ない。
より具体的な見通し、プラス面マイナス面が提示されれば、賛成か反対かの意見も言いやすいと思います。
今年実施できないのであれば反対。理由は、来年以降だと意味が無いから。今年の卒業生への対応が優先事項だと考える。
することには賛成だが、現状踏まえると厳しい課題も多いため。
どちらにせよ、メリット、デメリットがあり、もう少し整理して、時間をかけて決めなければいけないと思います。来年でも早すぎる決断になると考えます。
3. どちらでも同じ。ただ、早く決めてほしい。
やることは一緒。
子どもたちのためになるのであれば、どちらでもやります!
どちらも茨の道。どちらにせよ対応していくつもり。
いつが入学でも構わない。まずはオンラインの設備を整えることを第一にしてほしい。
(入学)時期よりも、対策への充分な時間と予算が必要。時期を決めるなら、いつからになってもいいので早く決めればそれだけ対応が早くできる。
どちらでもいいから早く決めてほしい。
4. 条件付き賛成 / 反対、具体的な要望、その他。
十分な議論を行い、段階的に、かつ全ての関係者にとってのリスクを回避した上で行うには、2021年9月までに時間が十分あると思えない。 コロナを「きっかけ」に議論が進むことはよいが、コロナの「ついで」に行うことではない。現在、学校再開や受験に対して不安を感じている児童・生徒の ケアとその対策に、まずは十分なエネルギーを注ぐべきだと考える。
9月入学という案に反対というわけではないが、ただでさえ教師の人数も時間も足りてないのに、さらに人手不足になることが目に見えている。政府、文科省は 何とかすると言うのだろうが、現状がそもそも何ともなっていない。まずは、今の教職員の労働環境を全て見直し、教育環境を整えるのが最優先。
9月入学にするという外の枠組みを変えるだけではなく、個人個人の学びの進度に合ったカリキュラムになるようにしていかなければならないと感じる。可能か分からないが、一部の人で決めるのではなく、一人一人の教員、子どもたち、保護者が考えて意見を吸い上げるシステムが欲しい。
議論は 子どもたちの学校生活をどうしたいのかが 議論されるべき。9月入学はその方法でしかない。結果、9月入学にするのか、履修主義から 習得主義に変換するのか。そこを文科省で議論して欲しい。
課題が見えないが、このままコロナ世代と言われる世代を作ってしまうのはしたくない。
9月入学はまだまだ具体性がない。が、まだまだ自粛が必要な状況や、時数が足りず、かといって内容カットなどの策も何もないこの中での学校再開も不 安。7時間授業や土曜授業では教師も子どももしんどいだけ。
アンケート結果の考察
意見の違いを超えて共通して読み取れる思い・願いとして・・・
●学びの遅れと広がった教育格差をどうにかしたい。
●学校現場は混乱しており、落ち着いて仕事に当たれる見通しを持ちたい。
●子どもたち、特に卒業年次生に満足な学校生活を過ごさせてあげたい。
●受験生の入試や就職=進路への影響についての懸念。等
【賛成・反対・どちらともいえない】のいずれの意見からも、「子どもたちが安心して充実した学校生活を送れるようにしたい」「今回のコロナ休校が子どもたち進路に負の影響を与えないようにしたい」という思いと、学校安定化への願いが込められているとコメントを読みながら感じました。
意見・認識が分かれている点として・・・
●学びの遅れを来年3月までに取り戻せると考えるか、取り戻せないと考えるか。(※この点は「夏休み短縮や土曜授業をすべきか否か」「再開後の学校生活で何を優先すべきと考えるか」と連動していると考えられます)
●三密を避けた「学校の新しい生活様式」が可能だと感じるか、無理だと感じるか。
●9月入学がグローバル化に資すると考えるか否か。
●9月入学にかかるコスト(労力・予算)を重く捉えるか、そうでないか。等
こちらのそれぞれの点については、私自身は意見を持っていますが、この記事では、ニュートラルに結果を公表することが趣旨ですので、別記事を改めて書きたいと思います。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
そして、アンケートにご協力いただいた教職員の皆さん、拡散協力していただいた皆さん、ありがとうございました!
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