#1 - 1 エネルギー安全保障はどうなっている?🇯🇵日本編
エネルギー安全保障とは(定義)
Internationl Energy Agency (IEA) によると、エネルギー安全保障とはエネルギー資源を合理的な価格で継続的に入手するための保障。エネルギー安全保障は考慮する期間によって重点が異なってくる。長期的な安全保障は将来の安定的なエネルギー供給に向けての対策であり、再生可能エネルギー設備への投資は最たる例である。一方、短期的な安全保障は突然の需要と供給のアンバランスに早急に対応ができるかという点に重きが置かれる。
日本のエネルギー安全保障について🇯🇵
政府のエネルギー関連資料は経産省のHPで確認ができる。
https://www.meti.go.jp
エネルギー問題に興味が出てから、経産省の資料の面白さに気が付く。中で擦り切れるまで働いてくれているであろう役人の皆様に感謝…
クリーンエネルギー戦略 中間整理には、まさに私たちが前回「#1 エネルギーの今と未来について分からないことあれこれ」で議論したエネルギー逼迫問題や、ロシア産エネルギーからの脱却について、政府がどのように検討しているかが書かれていた。
日本担当Mの視点で課題と対策をまとめるとこんなところ。
日本のエネルギー安全保障の課題
短期的課題
ロシア依存の脱却
石油(4%, シェア5位)、石炭(11%, シェア3位)、天然ガス(9%, シェア5位)をロシアから輸入している
需給バランス問題の解消
東日本大震災以来原子力発電所が稼働しなくなっている
電力自由化で採算は良いが不安定な再生可能エネルギーが増え、採算は悪いが安定して発電できる火力発電が稼働をやめている
需給を最適化するための電力ネットワークが未整備
長期的
脱炭素
2050年までにカーボンニュートラルを実現する必要があり、需要に見合う供給を行うための電源確保が必要
安全保障上の課題をどのように解決するのか?
日本は欧州と比べると、水素やアンモニアを利用した発電に対しての期待値が高いようだが、化石燃料を使う火力発電のため環境活動家や団体からは見直しの声も上がっていたりする。一方で、環境先進国のドイツも、ロシア問題に対する緊急措置として石炭火力発電を増やす方向に舵を切っている。
直近、IHIさんがアンモニア100%燃焼で温室効果ガスを99%以上削減されていたり、アンモニアの製造は80%が国内で賄えていたりと、欧米のメインストリームとは方向性が違いつつも、独自の方向性でエネルギー安全保障が高まる動きをしているように思える。
ちなみに…
欧州が化石燃料に揺り戻している一方で、日本が支援していたバングラデシュでの石炭火力発電事業が中止されている。これについては賛否両論がある。
いろんな意見に目を通す中で、「先進国がまだ化石燃料への依存度が高い中、電力供給の手段の見直しを発展途上国に強いるはどうなのか」とか「環境活動家は欧州を手本としていたが、実際ロシア問題により欧州は化石燃料回帰している。欧州から非難されていた日本のアンモニア利用による脱炭素も悪くないのでは?」とか、私自身の中にもいろんな思いが渦巻くようになりました🤔