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大切な人

昔、庄司信也って何者なんだ?って考えたことがあった。

20年くらい前かな、クボタタケシって好きなDJがいて、クボタのイベントで初めて名前を知った気がする。
聞いたことない名前だなって思った記憶がある。

後で聞いたら拓哉とか下の世代からは絶大な支持をうけてたみたいなんだけど、不勉強なのと、そもそもオレが下の世代の作った服や音楽に全く興味が無かったから、そのまま庄司信也の名前は忘却の彼方へ消えてってた。

古市コータローの「東京」のアルバムのデザインを庄司さんがする前、拓哉と一緒に飲んだのが初めましてだったと思う。

オレの3個下、妹と同い年だとわかった。
なんとなく飲みながら話をしてるうちに博学だけど、東北の人特有の控えめなクールさは感じたね。

でも、まあ多芸で器用に色んなことができるんだろうけど、正直に言うとオレはそういうタイプの人より、ひとつのことしか出来ない不器用な生き方の人が好きだから、ぶっちゃけ、あ〜業界の人なんすねくらいにしか思ってなかった。

その評価が古市コータローの名盤「東京」のジャケットで一変した。


コータローさんが言う東京ってのは単純な意味じゃないのはファンはわかると思う。
産まれて、両親と死別して、引き離されて、戻ってきて、暮らしてる東京。
その東京があのジャケットに本当に表現されていた。
そりゃそーか、だってコータローさんが庄司さんのこと信頼してんだもんな。

コータローさんとの関係も、どっちかがフックアップしてるんじゃなくて自然な関係なのはお互いリスペクトがあるからなんだってわかってきて。

コータローさんは庄司信也のフィルターを通して時代のカッティングエッジな部分もみてるだろうし、庄司さんはコータローさんから粋な生き方を学んでってるようにみえる。

あと一寸一杯のサングラスにはホントやられた。
一生かけていくくらい気に入ってるけど、ここまでツボにハマったのも、庄司さんの人柄を知ったからってのはあるな。
初めて自分から歳下が作ったものを積極的に欲しいと思ったモノだと思うな。

それ以降、ひと月かふた月に一度タイミングが合えば飲んだりしてるんだけど。面白いよ、毎回。
通ってきたことも近くて、お互いあんま清廉潔白じゃないこともあって勝手にシンパシーを感じてる。不器用な部分もわかったり。毒の吐きかたとか。
似てる部分もあるんだなあって。

だってさ、今回コータローさんがカバーで7インチ出したじゃん?当然そのジャケも庄司さんなんだけど。
「大切な人」の裏の写真、ケツに花さしてるヤツだよ。
あれ、オレも高校の時やったもん、学ランで。写真残ってんだよね。モリッシー気取りでさ。

小っ恥ずかしいからネガ回収を死ぬまでにしときたいんだけどよ、高校の時の彼女が撮ったヤツだから回収すんの絶望的なんだよな…

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