祖父、初めてのお盆。

8月も末日。お盆に帰省したときのこと。


父方の実家のお盆は知っていたけど、  

母方の実家は今年亡くなった祖父のご縁で初盆として仏教のアレコレを学んだ。

 (母方の家、今まで宗派など特にはっきりなかったらしい) 

迎え火 送り火の松明、父方のほうではお墓で焚いてたんだけど、

 母方のほうは家の前で焚いたので 、

 (あ、これよく見るタイプの迎え火のやり方だ)って思った。 


でも叔父がおもむろにガスバーナー持ってきて 

ガンガン燃やすからワイルドな迎え火 送り火だった。

アウトドア用品を活用する方針。

風情の無さが、笑える。

祭壇に備えているものが焼酎 日本酒 日本酒 マグロの刺身 祖母のおはぎ 焼酎 みたいな祖父の好きなものがたくさんあって大変楽しい気持ちになる。

祖父もきっと楽しい。


終戦記念日の今日は、祖父はこの盆最後の晩酌になるだろうと 

送り火を焚きながら話したりしていた。 

家もそうだけどわたし自身も仏教の割合が高いと思うので

(信仰とはまた別で慣習等の由来が)

靖国神社をテレビで見て、以前訪れてみた時の、

場所への違和感というか、空気の強さを思い出していた。 

神社のことは寺のことよりあまり知らない。 

送り火の途中、護国神社からは、みたま祭の花火が聞こえてきた。 


お盆って、死がふんわりしたものに包まれてるような橙色系の期間だなって思った。 


そういえば、わたしが大学入試の合格祈願にお参りしたのは神社だった……

お願い系は神頼みがよいですね。

仏も死後のこと拝んだり、薬師如来とかは生きてる人を救ったりするけど、

盆の先祖たちにナムナムするのは、挨拶だし、

施餓鬼だったので、むしろこちらが霊魂を救う役割もある。 


初盆の法要の後、葬儀前のお棺の中の祖父のことを思い出していた。 

祖父の頬はひんやりしていてでもものすごく柔らかくきれいだった。 

生前の優しさとはまた違った優しい顔をしていた。 

祖父の頬に触れた感覚を手が覚えている。忘れたくない感覚。 

そして祖父の祭壇の前で昼寝をした。 


15年程前に亡くなった祖父と今年初盆を迎えた祖父 

もうわたしに おじいちゃんと呼べる人はいなくなってしまったのだ。 

わたしの父と母の2人も自分の父親がもういないということだ。 

不在が示している存在感は大きい。 

お盆に2人の祖父が帰ってきたのかは分からないけれど、

時が経っても目を閉じれば

どちらの祖父も座ってお酒を飲んでいる姿が思い起こされる。

いつだって思い出すことができる。

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