そんなんじゃ生きていけないよ
8月になり、夏休み。
夏休みなのに集中講義はあって、
早起きして大学に行くけれど
講義だけで、アトリエは閉まっている。
ガーン。
制作できない大学など、ただの森ではないか。
今日はそんな集中講義も最終で、
花火大会の日でもある。
去年は浴衣を着ていったけど、
今年は講義の後だから浴衣は無理かな〜
とか思いつつも
とっても楽しみにしていた。
恋人と、ビールを飲みながら花火大会に行こう
と話していた。
でも今日、彼が人に頼まれていた用事のために
花火の場所から反対の方へ行かなければならなくなり、
一緒に行くのが難しい状況になって、
楽しみは消えた。
わたし一人でも楽しめないかと
ビールでも買おうかと思ったけど
お酒を飲む気にも河原へ行く気にもならなくて
トボトボ家路についた。
案外、家のすぐ側の交差点から
大きく花火が見えたので
立ち止まってぼんやり見たけど、
一人で見ても気恥しいやら
感動が薄いやらで
5分と見ていられず帰った。
とても悲しいのに
涙もうまく出なくて、
ワーッと泣いてしまうなどすれば
スッキリケロリとできそうなのに。
もやもやズキズキしたまま
味のしない夕食をとって
花火の音が聞こえないようにイヤホンで耳を塞いでいた。
こんな事で落ち込んでもいられないと
思うのだけど、
予定が狂った喪失感と
楽しみにしていた反動の虚しさ、恥ずかしさで
一気にダウンしてしまった。
なんて弱いんだろう。
耳元で、幼い時 母からよく言われた
「そんなんじゃ生きていけないよ」
という言葉がリフレインする。
これは、虫が苦手すぎて
あまりにも怖がるわたしに対して
母がよく言っていたのだ。
そんなんじゃ生きていけないよ
そんなんじゃ
生きていけない。
生きていけないのだ。
本当に、ろくに生きていけていなくて
ごめんねお母さん。
短期のアルバイトでもして
頑張りたかったけど
採用も非採用も連絡が来ない。
働くことすらできない。
うんと制作するから許してください。
生きていかせてください。
親と神様に祈ることしかできない。
ああ心身が健康になりたい。
体のガタを恐れずに動きたい。
今年は浴衣や水着を着れるのだろうか。
着たいなあ、夏。
でも、あわよくば。
つくりたい、学校がなくとも。
それが一番だ。
そう思いつつ生きる夏。