よみのくにのいずみのほとり

高校生の時に読んでいた

谷川俊太郎の詩に出てきた、

黄泉の国の泉のほとりという言葉が

ずうっとひっかかっていて、

その言葉のかたちを考えていた。

いのちが、やってきて、かえる場所。

私の身体は私だけで成り立ってるのではないし、

自分の存在とはなんなのか、よくつかめない。

わたしはちいさな粒子で、

この世界に融けてしまうことだって

消えてしまうことだって

忘れられてしまうことだってできる。そう思う。

それでも、この世界に、

絶望をしてるわけでもないし、

やさしく柔らかく孤独を知って、

誰かを愛しながら生きたいと思う。

いつか死んだ先でもそのあたたかさを持ち続けられるように。

わたしの愛する人が、わたしをおぶって、

黄泉の国の泉のほとりを

何周でも歩いてくれることを想像する。

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