ユリゲラー
子供の頃に人は人格が作られるというが
僕の子供の頃はオカルトブームでした。
ゆとり世代ではなく、オカルト世代と
言われた子供でした。
そのため、雑誌の「ムー」や日本テレビの
UFOや雪男、宇宙人に幽霊に妖怪と、
とにかく日常が不思議大好きが蔓延していました。
そんな時に衝撃だったのはユリゲラーの出現です。
なんでも超能力でスプーンを曲げるという・・・・。
かなり長い番組の最中
彼は一本のスプーンを持ち座っている姿だけで
番組を成り立たせてしまうのです。
落語家は座布団一枚で勝負しているといいますが
ユリゲラーさんはスプーン一本です。(最高のコスパです)
自分も大人になったら、名刺に超能力者って
肩書きに書こうって決めたのもユリゲラーさんの影響です。
そんなユリゲラーさんの番組が話題になり
何度も日本に来日してきてはスプーンを曲げ散らかし
高視聴率を叩き出していたわけです。
当時、小学校にスプーンを持っていって
みんなで曲げるブームも起こりました!
雑貨屋さんではスプーンが品切れ現象となる日々が続きました。
そんなある日のユリゲラーさんは
新しい技を披露しました。
それは、TVのカメラに向かって視聴者に
TVの前に壊れた時計を持ってきてください
私の超能力でその時計を直しますというのです・・・。
え〜〜〜!!!
僕と兄貴、父と母とおばあちゃんで
真剣に熱くTVを見ていた時に出た、突然のユリゲラーからの要望に
一番熱くなったのは母でした。
すぐに、家の裏の倉庫に行って持ってきたのは
ソフトボール程度の大きさの丸い時計でした。
しかもその時計は表面は時計のふりをしているが
裏の配線は引きちぎられ、電池を入れる部分も壊れている
時計のふりをした素材ゴミでした。
いつも冷静な親父が、「それは時計じゃない、ゴミだぞ!」
と怒鳴ったのを覚えています。
とにかく、電池をはめ込む部分が壊れているため
電池が入らないのでは、確かにゴミでしかありませんでした。
しかし母はその時計(ゴミ)をTVの前に置いて
念力を送るユリゲラーを熱く見守っていました・・・・。
番組はその後エンディングを迎えて終了。
時計(ゴミ)を見るともちろん動くわけはないわけです。
( ´•д•`; )
親父が、まぁ念力で日本中の壊れた時計が動くわけないし
超能力なんてあるわけはないと言い切りました。
最後はしっかりと親父がまとめた感じで、家族は安堵の顔を・・・・
とっ、その瞬間に家中が凍りつきました!
突然です、カッチ、カッチ、カッチ、カッチ・・・・。
時計(ゴミ)が動き出したんです!!
これには家族中で悲鳴に近い歓声が響きました!!
え〜!!!
中でも一番狂喜乱舞したのは母でした!
やった!!私の想いが通じた!!
あなたの想いって、念力はユリゲラーの力です。
・・・・・
当時ユリゲラーに対して多くの疑問や
アンチの人がいたと思いますが
こんな奇跡が実際に我が家で起こったということを
ここに残しておきたいと思いました。
ユリゲラー、あなたの超能力は
本当に我が家を熱くした。