確率と余事象
アクセスありがとうございます。
今回は確率と感覚についてです。
人の感覚と確率は案外ずれているものです。
モンティ・ホール問題や誕生日のパラドックスなどが有名ですね。
これらは確率を単純な足し算(引き算)で考えてしまいがちだからです。
事前確率と事後確率の錯誤が原因と考えられます。
身近な例~サイコロ
よくある例は、6面サイコロ(どの目も出る確率は1/6とします)
を6回振れば1の目が最低1回は出てくるだろうといったパターン。
1の目が出る確率が1/6なのだから、6回振れば
1/6×6=1(100%)になるだろうという考え方になります。
でも、実際にサイコロを6回振っても
1が一度も出てこない場合がありますよね。
サイコロを6回振って1が少なくとも1回出る確率Aは
サイコロを6回振って1が一度も出てこない確率Bの逆
と言い換えることができます。余事象の考えです。
つまり、サイコロを6回振って1が一度も出てこない確率Bを先に計算して
それを1から引けばAを求めることができます。
A+B=1が成り立つため、A=1-Bも成り立つわけですね。
実際に計算してみます。
確率Bは1以外の目(2~6)が6回連続で出てくる確率と
言い換えることができます。
よって
B=(1-1/6)^6
=(5/6)^6
=15625/46656
≒33.5%
したがって
A=1-B
=1-33.5%
=66.5%
6面サイコロを6回振って1が最低でも1回出る確率は66.5%となります。
計算式を一般化する
この例を一般化すると、
「確率1/nで起こる事象をn回行うと発生する確率」
ということができます。
これを確率Pとします。
先の計算から、確率Pは
P=1-(1-1/n)^n
となります。
例:1/100のURキャラを100連で1枚引ける確率
ソシャゲとかでよくあるパターンですね。
実際に計算してみましょう。
n=100を代入すればよいので
P=1-(1-1/100)^100
=1-(99/100)^100
≒63.4%
となります。
この式の特徴
先程の6面サイコロは65.5%、
100連ガチャは63.4%と
確率がさほど変わらないように感じます。
これはこの式が指数関数であり、
あるところで収束するためです。
グラフで表すと下のようになります。
n=2の時が最大でP=75%となります。
身近な例では「コインを2回投げて表が少なくとも1度出る確率」
が上げられます。
nが少ない方がPが高く、
増える毎に確率が下がってきます。
n=10の次点で65.1%です。
ただ、指数関数の特徴としてnが増える
とPの下がる度合いがだんだんと減ってきます。
n=100以降はほぼ横ばいとなっています。
このグラフはP=63.2%でおおよそ収束します。
つまり、どんなにnを増やしても63.2%以下になりません。
人の感覚として、
63.2%という数字はある一定のラインとなるかもしれませんね。
この数字が信頼できるか否かは状況によるでしょう。
当たるリターンと外すリスクを照らし合わせて判断する形となります。
また、上であげた例はすべてが独立事象であることと、
少なくとも1度起こる確率であり、
複数回起こる確率はこの式では求められないことにご注意を。
今回のはこの辺で。