高円寺「まら」経営陣が語る山形料理の魅力
こんにちは、midizine編集部です。7月27日(火)、MID INC.のYouTubeにて配信中の散歩番組『ぷりさんぽ』の最新エピソードが公開されました。ナビゲーターを務めるMCぷりぷりが訪れたのは高円寺の山形料理店「まら」。
当店以外にも、高円寺を中心にカレー屋や手打ちそば、など多彩な飲食店経営を展開する「株式会社どりーむずかむとぅるー」の代表、清水幸佑氏、副社長の高橋勇氏の2名をお招きし、同社の歴史や2人の関係性、山形料理について語ってもらいました。
両氏は2009年1月11日、高円寺で1号店となる「音飯」をオープン。MCぷりぷりが「DJぷりぷり」として活動していた頃で、3者はその頃から交流がありました。
音飯は元々、野外フェスの屋台として始まります。やっと実店舗を構え、9~10年頑張った後、「まら」をオープン。店舗として小さかった音飯から、規模が大きくなった様を「メジャーデビューした」と高橋氏は語り、「シーモネーターがSEAMOになった感じ」とも表現しました。
MCぷりぷりは音飯の魅力について「音楽や美術、お笑いなど畑違いの人が同じ場所にいるカオス感」と語り、まらとしてメジャーデビューしてからは「その幅がさらに広がった」と評しました。
高橋氏はそんなまらについて「公共性が出てきたので狙いも変わった」とした上で、新店舗ミクロ(黒黒黒)について「シーモネーターに戻っている」と話しました。
昔からラーメン屋を開くことが夢だったという代表の清水氏が、自分でメニュー開発を行い、満を持してオープンしたミクロ(黒黒黒)。高橋氏によると「音飯をオープンした頃の初期衝動を今でも持っている」清水氏の美学が詰め込まれています。清水氏は弟子に「好きなラーメン屋トップ100選」「ラーメン屋に置きたい漫画トップ100選」を挙げる、といった課題を課すなど、スパルタ教育も行っているのだそうです。
高橋氏によると、サブカル寄りの店舗を出すと、ユースカルチャーと関連付けられ客層も若者がメインになるので単価は下がる。それまでは中年層を相手に5~8千円の単価でやってきたものの、ラーメン屋は単価が1~3千円となり、客層も若者を想定しているので、ミクロには惜しげもなくサブカルチャーが盛り込めているのです。
今後の展望として、「ラーメン・カレー部門はポップカルチャーと親和性が高い」とし、それらへ注力すると同時に、まらではより本格的な音楽もやっていきたいと語っています。そして、山形の海産物がメジャーではない点について指摘し、「それらのルートを開拓したい」とも話しました。
山形は「山」とつくだけあって、8割は山。そしてその魅力は「四季の濃さ」だと高橋氏は言います。そして、キノコや山菜など四季折々の食材が魅力。そのせいか海が比較的マイナーな扱いを受けがちなようです。自分たちの仕事について「もっとルーツを知ってもらいたい。自分たちがどんな世代で、どんな想いでやっていて、何が好きなのかを伝えるのが仕事だと思っている。山形の高いものも、音楽などのカルチャーを伝えるのも同じで、2つ頑張りたい」と同氏は言います。そしてもう1つの目標として、まらの公共性が高まってきたことから女性雇用も増やしたいと考えているようです。
高橋氏と清水氏の出会いは新宿のとある飲食店で仕事をしていた時のこと。しかし、店長に昇格されたタイミングで清水氏が「バックれ」、実質一緒に仕事をしたのは1ヶ月程度だったようです。その後も友人としての交流は4~5年続き、2人で店を出すことになった時、清水氏は辞めてしまった店の社長に謝ったそうです。
どりーむずかむとぅるーの専務や、「椿」(高円寺)の店長や、「こあら」(高円寺)の料理長など、高橋氏と清水氏が働いていた店の出身者は多く、独自のネットワークがあるようです。その一方で、同社にはリクルートで入ってきた人はあまりおらず、ほとんどが客や昔の友達。これについて、高橋氏は「リクルートもしっかりやりたい」という意思を表明しました。
「肉そばのチェーン店やることが夢」であるという高橋氏。その他にも「ひっぱりうどん」など山形独自のメニューについて触れ、山形には「まだ多くの隠された名物が眠っているので、こちらとしてはおいしい状況」と語りました。
また、高橋氏はまらで扱う日本酒「吾有事」(わがうじ)を紹介。杜氏(とうじ)としてデビューしたのが25歳(当時20代は全国でも8人)という阿部氏によるブランドです。
最後に高橋氏はまらで販売中の「つったい肉そば」(冷たい肉そば)ミールキットを紹介。これは太めの田舎蕎麦麺、つゆ、肉、ネギ、七味唐辛子が入っており、「山形の人はみんな大好き」という名物を自宅で再現することができます。漫画家・長尾謙一郎先生のイラストシールもついており、950円(税込)で販売中です。
そして、特別ゲストとして、撮影当日たまたま別席で食事をしていた水道橋博士氏も急遽出演してくださりました。博士からは自身のYouTubeチャンネルで配信中という番組「アサヤン」(阿佐ヶ谷ヤング洋品店)の告知がありました。お笑いにのみならず、多彩な分野から豪華なゲストも参加し、見応え抜群の内容になっております。
博士も大推薦の「まら」、今後もその活動から目が離せません!
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