矢野顕子のミディ作品が、全世界サブスクリプション解禁!
2024年7月25日(木)、矢野顕子がミディ(MIDI)よりリリースした、全13作品がサブスクリプション解禁となります。坂本龍一との共同プロデュースで制作された『ごはんができたよ』(1980年)や、リック・マロッタ、デヴィッド・スピノザ、ウィル・リーなどの名だたるミュージシャンが集結し、NYで録音された初のセルフプロデュース作『ト・キ・メ・キ』(1978年)、YMOのメンバーや大村憲司も参加し、「ラーメンたべたい」がシングル曲として話題になった『オーエス オーエス』(1984年)など、矢野顕子がミディに残した数々の名作が、Apple Music、Spotifyなどの各音楽配信サービスにて、全世界で視聴可能となります。
近年はマック・デマルコ(Mac DeMarco)やクレイロ(Clairo)がファンを公言するなど、新世代のアーティストたちも熱い視線を送っている矢野顕子。この機会にMIDI時代のタイムレスな作品の数々を、配信で楽しんでください。
サブスクリプション解禁となる作品
長月 神無月
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『JAPANESE GIRL』から約2カ月後のデビュー・コンサートの模様を収めた1stライヴ・アルバム。童謡から三橋美智也の代表曲まで個性的な選曲で構成された、矢野顕子による矢野顕子だけの世界。
今作は1976年9月に渋谷公会堂で行われたデビューコンサートから9曲と、同年10月に芝郵便貯金ホールで行われたライブから5曲の、合計14曲を収録。ピアノ弾き語りのわらべ歌・童謡の「あんたがたどこさ」「あわて床屋」や、本作では数少ないオリジナル曲「風太 II」を収録。また「君が代」以降の楽曲では上原裕(ドラム)・平野融(ベース)・駒沢宏季(スティールギター)・かしぶち哲郎(ティンパニ・和太鼓・パーカッション)・山上進(津軽三味線)・堅田喜三久(鼓)によるライブ演奏を楽しむことができます。
いろはにこんぺいとう
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矢野誠プロデュースによる2枚目のスタジオ・レコーディング・アルバム。
高中正義、鈴木茂、細野晴臣らが参加し、シンセサイザープログラマーとしては松武秀樹が参加。小坂忠のカバー曲「ほうろう」や、はっぴいえんどのカバー曲「相合傘」、石川セリへ提供した楽曲「昨日はもう」などを収録。イルカを担いだ印象的なジャケット写真が話題になった作品。
ト・キ・メ・キ
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アッコが贈るファンタジックなメルヘンの世界!ベートーベンあり、ロシア民謡あり、冨田勲あり、変幻自在ヤノ・アキコのスーパーマインド!
初のセルフプロデュース、ニューヨークレコーディングによる3枚目のスタジオアルバム。リック・マロッタ、デヴィッド・スピノザ、ウィル・リー、ロジャー・パウエル、スティーブ・ジョーダンなど超一流のミュージシャンたちが参加したことは発売当時話題になりました。NHK番組「新日本紀行」テーマ曲に歌詞をつけた「やめるわけにゃいかないわ」や、ベートーベンの楽曲をもとにした「ヨ・ロ・コ・ビ」などを収録。前作同様にシンセサイザープログラマーに松武秀樹を迎えたエレクトロニック色の強い作品。
東京は夜の7時
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1979年発売、矢野顕子伝説の2ndライブアルバムのCD盤。1978年に行われた中野サンプラザ・渋谷公会堂での「ト・キ・メ・キ ツアー」のライブ録音。細野晴臣(ベース)、高橋幸宏(ドラム)、坂本龍一(キーボード)、松原正樹(ギター)、浜口茂外也(パーカッション)、山下達郎(コーラス)、吉田美奈子(コーラス)が参加。オリジナルのアレンジとはひと味もふた味も違うサウンドが聴けるのは、さすがこのメンバーだからこそ。
ごはんができたよ
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『辛いとき、ほんのひまつぶしとして私のレコードをお聴きください。”ナグサミモノ”として。』(矢野顕子)
1979年のYMOワールドツアーに参加した矢野顕子。彼らは一心同体のような関係になり、その後すぐに4枚目のアルバムとなる本作のレコーディングを共同で始めました。78年~79年に矢野顕子・YMO・カクトウギセッションなどのライブセッションで既に歌われていた、肉感的なロックやポップの楽曲が多く収録されています。また恒例の童謡や歌謡曲カバー、谷川俊太郎の詩にインスピレーションを受けた楽曲なども収録されています。
ただいま。
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1981年リリース、5枚目のオリジナルアルバム。化粧品のキャンペーンソングとして大ヒットした「春咲小紅」や、小学1年生の詩集に曲をつけた「“たいようのおなら”」シリーズを収録。獣医をテーマにした「VET」や大貫妙子作曲の「いらないもん」なども収録され、味の濃い作品となっています。共同プロデューサーは坂本龍一氏、ジャケットイラストは湯村輝彦氏が担当しています。
愛がなくちゃね。
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1982年リリース、6枚目のオリジナルアルバム。『ごはんができたよ』『ただいま。』に続き共同プロデューサーに坂本龍一を迎えた今作は、スティーヴ・ジャンセン(ドラムス)とミック・カーン(ベース)とのセッションのために、その制作のほとんどをロンドンで行いました。矢野のピアノ、スティーヴの切れ味の良いドラム、ミックのベース・・・そのコンビネーションを楽しんでいるかのような矢野のフレッシュなボーカル。特にタイトル曲「愛がなくちゃね。」、「What's Got in Your Eyes」、坂本龍一&カクトウギセッションの楽曲をアレンジした「Sleep On My Baby」では、彼らのコンビネーションとフレッシュさを味わうことができます。傑作と称されるカバー曲「みちでバッタリ」や、シチズンのCM用に書かれたインスト曲「Good Night」なども収録されています。
オーエスオーエス
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矢野顕子と坂本龍一が共同プロデューサーを務めた7枚目のスタジオ・アルバム。デビュー作『JAPANESE GIRL』で共演したプレイヤー、リトル・フィートに参加してほしいという思いから、レコーディングの半分近くをロサンゼルスで行った今作。抜群の歌心を持つドラマー、カルロス・ヴェガと、ベースのウィリー・ウィークスが非常に安定感のあるグルーヴを披露し、リトル・フィートの鍵盤奏者ビル・ペインは「おもちゃのチャチャチャ」・「SIMON~」でナイスなオルガンやブルージーなピアノを披露しています。
アメリカンなサウンドの他に、代表曲「ラーメンたべたい」や、細野晴臣のカバーで日本的な仕上がりの「終りの季節」、現代音楽とファンクの奇妙な融合「きょうのわたくし」、未来に開かれたようなポジティブなサウンドが印象的なインスト曲「ASSEMBLY」など・・・1曲ごとにまるで違ったサウンドが立ち上がるような作品になりました。
BROOCH
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1985年に自主制作盤が発売された作品をCD化。高橋悠治の伴奏で、ラヴェルやドビュッシー等の歌曲に英語で挑戦した「矢野顕子趣味の歌曲集」。矢野のクラシックの唱法に縛られない自由な節回しと、高橋のピアノ伴奏の絶妙な美しい間合いが、楽曲に新たな息吹を吹かせ、単なるクラシックのカバーではない彼らのオリジナル楽曲のような仕上がりになりました。現代詩の巨匠・谷川俊太郎の詩を高橋の曲に取り入れた「ゆめのよる」「はこ」や、岡真史の詩を取り入れた「小まどから」「リンゴ」なども収録されています。
峠のわが家
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共同プロデューサー・共同アレンジャーに坂本龍一を迎え、東京およびニューヨークでレコーディングが行われたアルバム。ゲストとしてスティーヴ・フェローン(ドラムス)、スティーヴ・ガッド(ドラムス)、アンソニー・ジャクソン(ベース)、エディ・ゴメス(ベース)という名うてのプレイヤーが参加。またデビュー作『JAPANESE GIRL』でエンジニアを担当した吉野金次氏も参加。スティーヴ・フェローンの重く切れ味の良いグルーヴが印象的な「The Girl of Integrity」、空間を深く満たすようなエディ・ゴメスのベース「一分間」、アンソニー・ジャクソンとスティーヴ・ガッドの正確無比なプレイが聴ける「そこのアイロンに告ぐ」など、いずれも最高のパフォーマンスを収録。
GRANOLA
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1987年発売。矢野顕子10枚目のアルバム。80年の『ごはんができたよ』から続くように今作も坂本龍一を共同プロデューサーに迎えているが、82年の『愛がなくちゃね』のような東京と外国とで半分ずつ作る方法ではなく、ほとんどを東京で制作しミックスの半分だけをニューヨークで行っている。
「ふりむけばカエル」はNHK『みんなのうた』のために作られた楽曲で、糸井重里を作詞に迎えたことで矢野のユーモラスな面が上手く引き出された。「Levee Break」は『JAPANESE GIRL』のリトル・フィートやティン・パン・アレーを思い出すリズム隊が特徴的。佐野元春とのデュエット曲「自転車でおいで」はギターとエレビのコード感が美しく、どことなく暗いアンニュイな雰囲気が漂う。また、はっぴいえんどの名曲「風をあつめて」を自由に面白くアレンジしたバージョンや、同じくはっぴいえんどの「無風状態」の矢野のピアノ弾き語りバージョンなども収録されている。
good evening Tokyo
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1987年に行われたグラノーラツアー東京最終公演を収録したライブ名盤。このコンサートを期に、音楽活動を一時休業して子育てに専念すると発表した矢野顕子。そんな彼女の明るくポジティブなエネルギーに満ちたコンサートで、2時間に渡って演奏された約20曲のうち、11曲が収録されています。「また会おね」を例外として、あえて70年代のデビュー時近辺の作品とコンサートが行われた87年頃の作品が収められ、若き日の彼女と成熟した彼女という、新旧の姿を鮮やかに対比させる構造になっています。
坂本龍一、高橋幸宏、小原礼、吉川忠英、窪田晴男、そしてアンコールのゲスト大村憲司といった才能溢れるミュージシャンらをバックに、ピアノやキーボード、タンバリン、アコースティックギターを弾きながら歌い踊る彼女の、幸福感溢れる楽しいひとときが凝縮されています。
WELCOME BACK
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1989年発売。ニューヨークでレコーディングされた11枚目のアルバム。1987年のグラノーラ・ツアーを期に暫く音楽活動を休止していた矢野顕子の復帰作であり、その後の活動へのターニングポイントとなった作品です。パット・メセニー、ピーター・アースキン、チャーリー・ヘイデンらジャズミュージシャンとのコラボレーションが展開され、以前の作品に比べてジャズ色が強い仕上がりとなっています。
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