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【アルバム解説】マチルダロドリゲス 13 年ぶりの3rd アルバム「月夜のモンキーダンス」はこんな感じです。


 
「昭和月光伝」
小学生の頃、漫画と怪獣とGSが私の3大ブームだった。
GSと呼ばれたグループサウンズはロックとは程遠いストリングス主体のただの歌謡曲だが、 テレビで観たエレキギターにガキの目は釘付けになった。
ついでにミニスカートでクネクネ踊るゴーゴーガールにムラムラはまだしなかったが、ヘラヘラはした。
今でも私よりお姉さんのスタイルの良いご婦人を見かけると、昔はゴーゴーガールだったかもなぁと 妄想する。
そんな少年期に見た徳島の月と、大学時代の京都の月と、ローザの頃の東京の月と、今宵見る 埼玉の月は、大気の汚れの差はあれど、ほぼ同じ月なのだ。

「GGの香り」「おいおい老い」
まさか自分が30代になるとは!?
ロックミュージシャンは長生きしないと勝手に思い込んでた私は、その日人生が終わった気がした。
1988年3月4日 LA にて。
ところがどっこいしぶとく生きまくり加速度を増す 40 代 50 代、今や 66 歳「ロックロックこんにちは」 である。身も心もポンコツになるし(もとからだ)、周りの人たちが次々にいなくなっていくのが とても悲しい。「玉ちゃんは長生きするよ」と故大蔵さんに昔言われたが、どういう意味だ?

「甘甘リセット」
疲れたら甘い物を食べてとりあえず元気が出たふりをする。

「自由が一番」
キヨシローは歌った。「この世で一番大切なもの。それは俺の自由。」
だがコロナ禍では個人の自由が他人の迷惑になる事を思い知った。

「夫婦別姓の歌」
夫婦別姓に反対する人の気持ちが分からない。
同姓か別姓か選択する自由をなぜ認めたくないのか。
反対する人の思想はだいたい想像がつく。

「富士山太陽 SUN」
太陽と月は地球規模の絶対的存在だが、日本においては加えて富士山!
西日本育ちの私には松竹映画のセピア色のくたびれた富士山しか知らなかったが、間近で見るとなんと神々しいことか!「ローザⅡ」のジャケ写のため5 合目あたりまで行ったが、荒々しくてゴツゴツしてふてぶてしい山だった。Tシャツ短パンで登るなよ、アホども!
昔、通勤電車から眺める季節ごとの富士山のシルエットが大好きだった。

「四割増し」
4割増しても小泉今日子のそっくりさんはさすがにいないだろう。

「ぶつかりそう」
たまにスマホ見ながらヘッドホンして自転車乗ってる人を見かけるが、あれは曲芸だな。雑技団だな。

「極楽シャワー」
年を重ね、丸くなるどころか益々好き嫌いが激しくなった。
ズルをして偉そうにしてる奴が一番許せない。
こうして毎日人を嫌ったり憎んだりしていると、自分の心がどす黒く汚れていくのを感じる。
だから毎朝シャワーを浴びて身を清めリセットする。
そして今日もまた汚れちまう。

「バソキヤ」
私が生まれるわずか13年前まで日本は戦争をし、原爆を落とされ、沖縄は戦場だった。
ウクライナやガザの様な事が、また日本で起こらないという保障は無い。

「ゆらゆらはずっと」
東北大震災は 2010 年だっけ?2011 年だっけ?
うっかりド忘れした自分に愕然とした。
あの時の事を決して忘れまいと誓ったはずなのに。
もう忘れている。
スーパーで食品を買いだめする子連れの家族や日持ちのしないもやしをカゴいっぱいに詰め込んで ほくそ笑む老婆の姿は今でもよく憶えている。

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こんな曲たちを札幌「芸術の森」スタジオで録音しました。
人生で最高のリゾートスタジオでした。死ぬまでにもう一度いきたいものです。
それまではうかうか死んでたまるか!
 
 

 
月夜のモンキーダンス
マチルダロドリゲス
 
MDCL-1566 ¥3,000 (税抜価格)+税 /[CD] /2025.01.22
 
元ローザ・ルクセンブルグのギタリスト玉城宏志率いるマチルダロドリゲスが、令和におくる渾身のフルアルバム。 昭和から令和へ、震災やコロナを乗り越え、夫婦別姓や老い、自由など、時事性の高いテーマを、玉城節でエレキモーレツにお届けします。 “今だからこそできた”名曲揃い。ローザ・ルクセンブルグのファンも、そうでない人も、どんとのファンも、そうでない人も、必聴のアルバムです! 13年ぶりの3rdアルバムにして最高傑作。札幌の「芸森スタジオ」で録音。全曲、玉城宏志の作詞作曲の全12曲です。

 

 
 
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