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第1回「経営資源を考える」

こんにちは。片耳の防災士ゴリィです。他にオルゴールアーティストもしています。活動ブランド「轟RADIO」はこちらです。

さて、表題の画像は完全にパクってますが、今回から「事業継続計画」について時折綴っていきたいと思います。普通の防災の記事(「防災随筆」とか「ポンコツ防災士がやってみた」)とは内容が違うのでヘッダ画像も別にしてあります。

「事業継続計画」とは?

一般的に「BCP」といわれるものです。自然災害などの「緊急事態」に会社などが陥ってしまった際に、いかに早く会社を立て直し会社の事業を再開して続けていくかあらかじめ計画を立てておきましょう、というものです。

ホントにざっくりいうと「災害で会社が潰れないよう計画を立てておいてね」というものです。

会社にはさまざまな目的があります。とにかく「お金を儲ける」ことはその通り(じゃなきゃ潰れますからね)ですが、「社員の雇用を守ろう」「地域の活力になろう」「地域文化を守ろう」等々、会社の経営者人それぞれ、自分の会社を経営する「目的」や「理念」というものは多かれ少なかれあると思います(金が儲かればいい、だけだったらわざわざ会社なんて作らずにもできますからね)。

あなたの会社にもきっとそれはあると思います。経営者がそれをどこまでオープンにしているかはさておき、会社が緊急事態に陥ったときは経営者の目的や理念に沿ったものが優先的に扱われます。

「緊急事態」という以上、「経営資源」と呼ばれるものにさまざまな制約が生まれます。限られた経営資源を優先的なものに割り当てていくことになりますので、それに従って動く社員には事前に「緊急事態になったらこう動く」をお知らせしておいた方がいいのです。

「経営資源」とは?

さて、「経営資源」とここまで何度か登場していますが、それは何か。「会社経営で使うもの」です。よく、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」と言われます。もちろん、「ヒト」は社員のことです。あとはイメージが湧きますよね。

さて、私は「経営資源」は「財産」だと考えます。

「カネ」はそのまんま財産ですね。「モノ」もそうです。「情報」は、「個人情報保護法」がスタートしたときに、よく「個人情報はお金と思って扱え」などと言われたように(あなたがもし当時を知らない若い世代だったら、そんなことを実際にいわれたんですよ)、顧客情報に限らずとも、さまざまな可能性を秘めた「情報」も立派な「財産」です。

「ヒト」、つまり社員も会社の運営の一翼を担う「財産」です。これは、「この人抜きには仕事が成り立たない」という意味ではありません(これは逆に「リスク」です)。

「会社」という組織をつくるあなたも含めた社員ひとりひとりが活気や和やかさやそういった「空気感」を作り出していて、それが経営者の「目的」や「理念」を実現する一部になっているわけです。私はそういった側面からも「ヒトは財産」といえると考えます。

いちばん重要な経営資源は「ヒト」

これは色々な考え方があるかと思いますが、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のうちどれがいちばん重要か、と問われたら私は迷わず「ヒト」と言い切ります。

「モノ」「カネ」「情報」は自分で何かをすることはありません。「ヒト」によって動かされるものです。

「ヒト」が経営者の目的や理念に沿って他の3つの経営資源を動かせば「有効」に扱われますし、そうでないとしたら「宝の持ち腐れ」のようになってしまいます。

「事業継続計画」(BCP)をあらかじめ作っておいてみんなで理解しておきましょう、というのも「ヒト」である社員があらかじめ理解した上で、緊急事態になったときに効率よく「経営の健全化にに力を貸してくれる」ようにするためのもの、と言えます。

「ヒト」を大切にする会社にBCPはいらなかったり

これはかなり暴論になりますが、「ヒト」を大事にする会社には実はBCPはいらないんじゃないか、と思うことがあります。

経営者の目的や理念を社員が理解して、社員がそれに主体的についてきてくれている、「ヒト」を大事にしている会社はそういう風土ができ上っています。

もし、「緊急事態」に陥った場合、経営者がどうしたいのかはおのずと社員レベルで判断できてしまいます。あとは、社員間でコミュニケーションをうまく取り合って事業再開に結びつける。

現に、BCPなしでも東日本大震災をはじめとするこれまでの大きな災害、もしくは最近だと「コロナ禍」をこうやって乗り切った会社って結構あると思うんですよね。

逆に、「ヒト」を大切にしていない会社はあからさまにそれが出ます。

社員は経営者に主体的についてきていないので指示待ち、そして指示を出すと「緊急事態」に乗じて反発を受ける、結果、事業再開が遅れる。

今回のまとめ:大事な「ヒト」に思いを伝える

今回、これをご覧のあなたが経営者側の立場の方なのか、社員の側の立場の方なのかは分かりません(次回以降もそうですが)が、今回は「経営者であるあなた」向けにひとつ大事なことがあります。

思いは、言葉にしないと伝わらない。

あなたが経営者側の人だとしたら、あなたの経営への思いを「ヒト」である社員にきちんとした形で伝えることがとても重要です。そこに共感してくれる人に中核になって動いてもらいたいですよね。反発する社員は去っていくと思いますが、相思相愛であることに越したことはないのです。

あなたの思いは「モノ」に語りかけても、「カネ」にも、「情報」にも、伝わりません。伝わるのは「ヒト」だけです。だから、「ヒト」が一番重要なリソースなのです(大事なことなので2回言いました)。

BCPは、「経営者のコミットメント」(意思表明)からはじまります。そこで、経営者であるあなたの思いを社員に伝えてください。

逆に、あなたが社員である場合はこの経営者のコミットメントを見て自らが籍を置く会社とこれからどのように関わっていくかを見つめ直すきっかけにしてください。

緊急事態になったら、籍を置く以上過酷な環境でも正常化に従事することになるのですから。

・・・こんな感じで、事業継続計画(BCP)についての話題を毎回書き綴っていきます。教科書のようなものは目指していないので話があちこち飛ぶと思いますがご容赦ください。

では、今回も最後までご覧くださいましてありがとうございました。おつかれさまでしたの意味で1曲オルゴールで癒しをどうぞ。
「奇形蝶」岩船ひろき(さいたま浦和出身在住「唄う書家」)

「トドろき防災」では一般的な防災知識、防災クイズ、防災解説動画等取り揃えています。近々、BCP関連のコーナーも開設予定です。
是非一度覗いてみてください。


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