その愛は私以外で


 その愛は私以外でいい、そう感じた時にはそっと距離をとるようにしている。出来損ないの愛は、むなしい。タイムセールでばらまかれた愛は、帰り道に落っことしてしまう。そんな愛なら、別にいらない。ただ一人でも、ずっと心のどこかに置いておける気持ちをくれる人の愛がいい。100パーセントの愛を毎日違う誰かに渡すなんて、私たちには出来ない。だから、愛の受け渡しは大切にしたいなと思う。受け止める余裕のある人だけ聞いて。半端な好奇心で覗いても正しさはない。見当たらない、それなら私以外でいい。その愛は、私以外でいい。もっとちゃんと愛が分かる人がいい。相手の顔を思い浮かべている。整然と並べられた言葉よりも欲しいものは、その人のあたたかさ、言葉じゃなくても良かった、それで。自分だけに向けられた言葉がよかった。冷たいよ、振り絞るように喉の奥から出た声が私を突き刺して、そうか、これって冷たいのかと知った。冷たい、人間味に欠ける、クールだ、うんそっかもう分かった、よく分かったから、あとはさよなら。私よりももっと上手いこと言える人がいる、その人の状況に誰よりも共感して寄り添うことができる人がいる、同じ経験をしていてより良いアドバイスが出来る人がいる、誰よりもその人のことを理解して愛を注ぐことができる人がいる、だから、私の愛じゃなくていい。私の出る幕ではないと思えば、すっと半歩下がる。ねえ、それも愛じゃない?愛と呼べない?やっぱりあなたはそれを冷酷だと言う?それなら私はずっと冷たい人のままでいいよ、それ以外の正しい優しさがわからないから。すきだよ。生きるのやめないでね、喋るのやめないでね。


#チーム午前二時 、12月4日


チーム午前二時:2020年12月3日、夜中に思いつきで突如発足。部員一人。夜中に起きている人は誰でも入部可能。フィクションもノンフィクションも雑談も日記もハッピーもネガティブも全部。内容も設定もブレブレ。クリスマス付近までは毎日投稿の予定。あくまでも予定。




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