コンサルスライド完全マニュアル
お疲れ様です、中堅です。
本noteでは、日本を代表する説教系コンサル垢である中堅が、コンサル・社会人あるあるの「イケてるスライドが書けない」悩みに関して、国内外コンサルファームの実際の公表スライドを素材に、徹底的に解説します。
と、語り始めると、次のような疑問を抱かれるのではないでしょうか。
①スライドライティングには既に定番本があるので、わざわざnote買わなくていいんじゃない?(定番本あるじゃん論)
②スライド本って、結局、簡単なグラフや表の例とかばっかりで、実際の仕事に使えるような素材になってないんだよね。プロジェクトで使われた実際のスライド見るしかなくない?(本じゃ学べない・実スライド至上論)
③スライドライティングって、理屈やルールとしてはわかるんだけど、実際にスライド書こうとすると全然書けないし、お手本を読んでもピンとこなんだよね。結局、失敗を繰り返しながら、センスとかを体で学んでいくしかないんじゃない?(結局センス体得論)
その疑問、ごもっともです。
私も、超わかります。私自身も、そうやって挫折を繰り返していたからです。繰り返した挫折の量だけで言ったら、日本屈指といっても過言ではないでしょう。
だからこそ、偉そうに分析しますが、この「あるあるの疑問(ないし悩み)」って、相互に関連していて、
①定番本あるじゃん、と思って読む(定番本あるじゃん論)
↓
理屈は理解する
↓
実際使ってみる
↓
本をめくりながらやってみるけど、ぴったりくるようなものがない
↓
②本じゃ学べないんじゃないか、と思い、先輩たちから実際のスライドを取り寄せてみる(本じゃ学べない・実スライド至上論)
↓
しっくりくるスライドがあんまりないし、あんまり頭に入ってこない
↓
③結局、プロジェクトで失敗を繰り返しながら、「センス」を体で覚えていくしかないんだな、とあきらめる(結局センス体得論)
という繋がりを辿るわけですよね。
こうした迷いの道を彷徨っているうちは、ほんとーに、マジで道のりが長いものです。私も、一向に「客に出せる」スライドが描ける気がしなかったです。
しかし、そうやって何年か苦労して、ある程度のランクになって、それでもやはり自分自身、スライドの描き方に悩みながらも、人に教えたり、膨大な枚数のスライドをレビューしたり、(泣きながら一晩で)何十枚もスライドを描けるようになってから、ある日、不思議なことが起こりました。
あんなに何度読んでも全然頭に入らなくて、全然再現できなかった定番本や、他のプロジェクトのスライドを見ていて、ふと、「おおー。なんか、昔よりめちゃくちゃ頭に入るし、学び多いんじゃん!」と、前よりも数段高い解像度・理解度でスライドライティングの技術を吸収できている自分に気づいたのです。
これ、周りの人にも聞いてみたんですが、割とコンサル道あるあるだったりするようで、ほとんどの人が「ああ、そういうもんだよね」みたいな反応でした。
実はこうした現象は「Readiness for Learning」(学習準備性)の問題として知られており、要するに「学習する側にちゃんとした準備ができていないと全然頭に入りません!」という、全人類に共通する「学びの悩み」らしいです。
でもこれって、「わからないときに読んでわかりたいのに、自分がある程度わかるようになってから読まないとわからない」という、初学者にとって地獄みたいな現象ですよね。
だって、「スライドが下手だから、上手に描けるように勉強しているのに、"下手=準備ができていない"せいで頭に入らない!」という絶望的な状況なわけで、そうやってまごまごしている間にも、先輩たちから「なんで本に書いてあることもできないんだよ!」って怒られちゃうわけなので、もうやってられないです。
そうやって怒る先輩たちも、かつては「スライド描けない族」だった瞬間があるはずなんですが、人間ってホント理不尽ですね。
彼ら/彼女らだって、
✓土日含め、昼夜を問わず先輩たちに怒られ、
✓スライドを破り捨てられ、
✓「修正は朝まででいいよ」と突き放され、
✓朝イチのレビューで目の前で超高速でスライドを全描き換えされ、
✓8:30amからのクライアント定例に滑り込みで間に合う
(byマネージャーの恐ろしすぎる実力)
みたいな毎日を2年くらい積み重ねて、目の下にバカでかいクマを作りながら、苦労に苦労を重ねて描けるようになったはずなんです。
しかし、今日のように、コンサルであっても45時間労働、土日勤務禁止、みたいに言われる世界では、こうした昔のような「コンプラ無視のブートキャンプ」みたいなトレーニングは、滅多に受けられなくなりました。(あるところにはありますが…)
スライドライティングは、「センス」のあるなしがまともに出ますから、ちょっと書かせてみて、全然できなければ、「いいや、俺が描いておくわ」となって、全然任せてもらえません。
結果として、訓練する機会も時間もなく、リサーチや集計だけを淡々とやるように指示され、「スライド描けない人」の烙印を押され、いつまでも「スライドが描けない」状態が続き、いつまでもマネレベルの実力が身につかず、プロジェクトや上司が変わるたびに、「え、そんなスライド描けないの?」といわれる…。
マジで地獄のサイクル、アリジゴクですね。"Readiness"を高めようにも、そもそも機会がないのですから、一生抜け出せない無限地獄です。
しかし、そうした「スライド描けない族」であっても、コンサルや一流ビジネスパーソンとしてこの広い世界に羽ばたいていくためには、なんとしてでも"Readiness"を獲得し、翼を授からなくてはなりません。
では、どうしたらいいでしょうか。
方法はいろいろあると思いますが、「ゴールから理解する」という意味では、次のルートが最短なんじゃないでしょうか。
・基本的な原則を理解する
↓
・「原則」を体現した実際のプロジェクトのスライドを見てみる
↓
・ただ自分で見ただけでは"Readiness"がなくてわからないので、「何がどういいスライドなのか」を解説してもらって、補助輪付きで「理解」する(★)
↓
・こうして"Readiness"がある程度できた状態で、実際のプロジェクトに臨み、使ってみる
↓
・プロの上司に「原理原則を守ろうとしていて、箸か棒にはかかるスライドだな」と思ってもらって、ちゃんとレビューしてもらう
↓
・実践を経て、呼吸をするかのようにできるようになる
一番重要な★のところをやってくれる人がいれば…。
多くの若手がそう思って、流れ星に願いをかけるのではないでしょうか。
本noteのコンセプト
というわけで、「かゆい所に手が届く」、「自分がジュニアの頃に本当に必要としていたnoteを提供する」をモットーとしている私は、次のコンセプトで本noteを作成してみました。
国内外から探してきた「実際のプロジェクトのスライド」をサンプルに、「原則」を解説する(前編:スライドの原理原則)
「原則」には「例外」がつきものなので、「例外」もできるだけ取り上げる
なお、取り上げるスライドは、全編にわたってWeb上で公表されているものに限り、必ず引用URLを付すなどして適切に「引用」し、著作権を害さないようにする(心配な方は、無料部分の最後のディスクレーマーをご参照ください!)
加えて、「今日から」使えるように、スライドパッケージの要素(背景・目的、目次、グラフ、フローチャートetc.)別に、実例を紹介する(後編:パッケージ要素別実例)
グラフや計数表の表現については、特にテクニカルなので、特筆してみる(中編:グラフ・計数表)
こうした中で、スライドの「どこがどういいのか」を言語化し、再現性や理解を高める
(実は結構ある)「良くない」スライドも、反面教師的に取り上げ、理解を高める
今の時代、Youtubeなどで解説された方が楽しく・効果的に学べるので、有効活用してみる
これらを上から下に読むことで、一通りの「スライド作成の鉄則やパターン」の基礎を、短期間で身に着けることを可能とする
すなわち、実践レベルの「本物」のスライドを題材にしつつも、解説付き=補助輪付きの状態で、"Readiness"を培う
自分で言うのもなんですが、自分自身がジュニアの頃に欲しかった、まさに「夢の教材」爆誕です。
ちなみに、本noteの分量ですが、多少重複的に登場するスライドもありますが、初版時点で100例あります。まさに「100本ノック」です。
※ちなみに、コツコツ増補を繰り返して、ついに200例超になりました!もちろん、「これで足りないとは言わせない」というつもりはないので、「こんなのないの?」というリクエストがあれば、例によって例のごとく、DMなどでお知らせください。(2024/8/29追記)
さて、それでは準備はいいですか?
では、本編に入っていきましょう。
圧巻の「実物スライド」100本ノック(→増補を重ねて200本ノックに進化)を開始させていただきます。
※以下、目次ですが、これだけでも「さすが、200例超分の分量」という感じですね…。
ディスクレーマー(著作権関係の説明)
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