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うわっ…子の出産、辛すぎ…!

1. はじめに

 この記事は、妻の妊娠~出産までの状況やそれに対する対応、夫としての心境等を備忘録兼同じ立場になる方への参考としてまとめたものです。
 次項目の注意点を十分に理解した上で読んでください。

2. この記事についての注意点

・当記事の内容はあくまで“ 一例”です。妊娠やつわりの影響、度合いは非常に大きな個人差があることをご理解ください。

・私の心境を「つらい」「苦しい」等表現しておりますが、妊婦がそれ以上につらいことは十分に理解した上での表現です。

・この記事は内容を妻に確認してもらい掲載許可が出ております。

・所々主語が抜けていますが、誰に対する内容かは察してください。

・ 記事の内容は我々夫婦の主観的なものです。状況を比較して競うようなコメントは絶対にしないでください。

3. 妊娠週ごとの状況

この項目では、妻の様子やつわりの影響、それに対する私の対応や心境等を妊娠週ごとにわけて記します。

< 3~4週目 >
 妊娠の影響はほぼ確認されなかったが、この時期はやたらと眠たがっていた。この時期は妊娠前と同等の生活ができていた。

< 5~11週目 >
 この時期が最もつらい時期だった。内容が濃いので細分化して記載する。

●概要
 つわりの影響が顕著に出始めたのが5週目からだった。倦怠感や匂いへの拒絶反応が大きくなり、“ 何もできない”状況が始まった。
“ 何もできない”とは、気持ち悪くて動くこともできず、普段は気にならない臭気(悪臭と言えないもの)に敏感に反応して吐き気を催したり、テレビ画面や本の文字等を見ていても気持ち悪くなる状況である。
妻がそんな状況なので、家事は私が帰宅後や休日に行うようになった。
 仕事後の家事や妻に対するケアが肉体的にも精神的にも大きな負担だったので、この時期は本当に苦しかった。睡眠での回復が間に合わない程に疲労が溜まり、仕事中や通勤中の集中力が著しく低下し、普段はしないミスが多発したり「ヒヤリハット」の回数が爆発的に増加した。
私は車通勤だが、集中力が損なわれている自覚がある状態での運転は本当に怖かった。

●妻の食事について
 妻の体調や食べられるものは日々変化していた。誇張ではなく、日によって状況が変わる。昨日「これしか食べられない」だったものが翌日には全く受け付けなくなるということは多々あった。
 そのため、毎日仕事が終わる頃に妻からその日食べられそうなものを聞き、それを買って帰る生活が続いた。ただ、食べられそうだと思ったら無理だったというパターンもある。食べられそうなものがあれば良いが、「何が食べたいかわからない」と言われた場合は一般的な例や過去の傾向を参考にして選定しなければならない。
 こうしていろいろ考えた上で良かれと思って買ってきたものがことごとく食べられなかったときの私の精神的ダメージはかなり大きかった。妻は何も悪くないことなんて百も千も承知のはずなのだが、わかっていても苛立つことがあり自身の余裕のなさを思い知った。
 「食べられないもの」の中には水も含まれていた。水道水はもちろん、市販のミネラルウォーターも飲めない状況だったので絶望していたが、なんとポカリスエットだけはかろうじて飲むことができたので助かった。そうはいっても美味しく飲めるわけではなく、ギリギリ吐かないという状況だった。

 余談だが、食品以外の日用品が不足していると仕事後の買い出しが複数店舗に及ぶことがあった。前述の通り疲労が蓄積した状態で買い出し回りをするのは帰宅時間も遅くなり、かなり負担の大きな作業となっていた。

●妻の体調について
 前述の通り何もできないまま食べては吐くを繰り返す状況だった。嘔吐が酷く、食品を全く摂取できない状況も多かったため、数日おきに点滴を打っていた。ただ、点滴を打って数時間はいつもよりひどい吐き気を催すらしく、その恐怖から点滴をものすごく嫌がっていた。だが、胎児に栄養を与えなければならないのでなんとか説得して点滴に行かせるというのを繰り返していた。点滴に対する拒絶反応がすごかったので、この説得がとても大変だった(時間的にも精神的にも)。
 続いては体調管理について。妻の体調は私が見て判断できる領域ではないので、下記の項目を妻自身に報告してもらった。(項目を考えておくと疲れてても確認漏れが少なくなるので)
  ・前日と比較した体調
  ・嘔吐の頻度や様子
  ・吐かずに摂取できた食品(嘔吐物中に何があったかの確認)
  ・出血の有無
  ・その他異常の有無

産科の先生曰く「本人の体調は本人にしかわからない」とのことで、上記の確認は妻本人からしっかりと正確に聞きとるよう心掛けた。
 ここで注意が必要なのは、「周囲への気遣いから体調を正しく伝えられないこともある」という点だ。例えば、深夜に具合が悪くなっても「こんな時間に病院に連絡したら迷惑をかけてしまう。」という意識から体調不良を言い出せないことが挙げられる。
 妊娠中はマイナス思考に陥りやすく正確な判断力が失われることが多いため、普段そういう判断力に問題がないからといって油断してはいけない。上記の例に関しても、産科の先生からは「どんな時間でも、休診日でも、心配なことがあったら必ず連絡してください。」という優しい言葉をいただいていたし、命に関わることなので気遣いよりも人命を優先すべきだと私も考えているので、その点をしっかり伝えながら体調を聞くようにしていた。
 しかし、どれだけ説明しても妊娠中のマイナス思考下ではそんな気遣いがなくなることはないので、責めるような言い方はせずになだめながら状況を聞いて適切な対応を促す必要があった。ひとつのことを聞き出すのにものすごい時間を要するので、深夜にこの状況になると私の睡眠時間は削られ、体力回復どころか消耗し切った状態で朝を迎えることもあって非常につらい状況だった。

●夫として辛かったこと
 私は普段、妻の笑顔にものすごく支えられていたんだなと痛感した。この時期の妻は常に体調が悪いため、当然表情も暗く、顔色は誰が見てもわかるほどに悪かった。そしてこの時期は、妻の笑顔をほとんど見ていなかった。
これが本当につらかった……。
愛する人がずっと苦しい表情で隣にいる。私が何をやったところで、その表情が晴れることはない。だからといって私が表情を曇らせては妻の不安に繋がるため、可能な限り暗い顔をしないよう努めた。

●この時期に重要なこと
 何よりも“話を聞くこと”が大事だと思った。
 妻は前述の通り何もできない状況で、いつ終わるかわからない気持ち悪さの中で過ごしており、「一日がとてつもなく長い」と毎日口にしていた。
そんな状況の妻が唯一気を紛らわせることができたのが私と会話している時間だと言っていた。妻の口から出るのは弱音や不安な気持ちばかりだったが、話し相手がいなければそれらが発散されず、どんどん暗い気持ちが膨れ上がっていくとのこと。会話の中で励ましの言葉をかけることで、ほんの少しだけど気が紛れているようにも見えた。
 妻が何もできない状況だからこそ、唯一できる会話で妻を支えることが大事だったと感じた。

<12~13週目>

 この時期はつわりが落ち着き、簡単な作業ならできるようになり、食べられるものの種類もかなり増えてきた。水も飲める。
貴重なやすらぎのひととき。

<14~16週目>

 つわりの第二波がやってきた。
 5~11週目よりは軽かったが、毎日吐き気を催し、時折嘔吐するようになった。室内でおとなしくしていれば体調は落ち着くようだったが、それ故に外出や娯楽への欲求が強まり、いざ外出すると具合が悪くなるという状態だった。出かけなかったらそれがストレスに、出かけたら体調不良に、というジレンマ。
 体調不良の程度は、安静時はじんわりと体調が悪い感じで、外出や家事を行うと吐き気を催すような感じ。目安として、ドライブ20分程度で具合が悪くなり帰宅する感じ。
 「自宅で安静」が大事な時期だったが、5~11週目よりつわりが軽度であるという意識からつい動いてしまい体調を崩すことが多かったので、私がしっかりと警戒し、無理をさせないように気を付けていた。

<17~21週目>

 つわりの第二波が治まってきて、安定期の兆しが見え始めた。とはいえ、まだ常にじんわり具合が悪い様子。
 本来は食事のバランスを細かく調整したり、適度な運動を行う時期なのだが、まだ完全に安定期に入ったわけではなかったので「無理せず」を意識して家事をがんばってもらった。
 18週目あたりから胎動を感じ始めた。胎動といっても、この頃は私が妻のお腹に耳を当てると「胃腸とは違う音がする」という程度のもので、動いてるという感じではなかった。
20週目あたりからは「動いてる感」がわかるようになった。

<22~31週目>

 安定期突入!
 安定期とはいえ、妊娠しているので当然行動には制限がかかる。特徴や注意点は以下の通り。
  ・動きすぎるとお腹が張るのでNG。
   日によって度合いが異なるので細かい状況確認が必要。
  ・貧血と思われるめまいや吐き気が度々見られた。
   突然のめまいで動けなくなることがあったので、料理中の包丁や
   道路横断等に厳重警戒。あと鉄分補給が大事。
  ・食べすぎると胃腸の圧迫により眠れない程強烈な腹痛が生じる。
   腹八分より手前を意識し、食事は細かくわけること。
  ・空腹時に具合が悪くなる。上記と併せて食事管理が難しい。
  ・前触れなく急に不安になったりマイナス思考に陥ることがある。
   それに伴い夜眠れないことが多かった。
  ・状況判断ができなくなるときがある。
   赤信号なのに横断歩道を渡ったりする。
   本人はちゃんと信号見て渡ったつもりだったとのこと。

 26週目あたりから胎動が激しすぎて気持ち悪くなったり、睡眠を妨げられたりすることがあった。元気なのは嬉しいけど、妻は「愛おしさより苦しい方が上。」と言っていた。

<32~33週目>

 基本的には前項と同じ状況。
 この辺りから子宮の痛みが強くなり始めた。痛みがない時間の方が少なく、夜はこの痛みによりほとんど眠れない状態だった。痛みの原因は「恥骨痛」とのこと。
 トコちゃんベルトを付けることで歩行時の痛みはかなり軽減されたそうだが、ベルトを長時間付けるとお腹が張るため、運動せずに安静にすることが多くなった。

<34週目~出産前>

 精神の不安定さが過去最大級だった。
 何をやっても何を見ても面白さを感じず、イライラしたり不安になったり寂しくなったりを繰り返していた。この時期は毎日涙を流しながら泣いていた。さらに、そういった状況で私を困らせていることが申し訳なくなってさらに泣くという負の連鎖に陥っていた。
 仕事から帰ると毎日泣かれ、夜は激しい痛みや不安感から起こされるという日々を続けていたこともあり、私の疲労も心身共に蓄積していった。
 また、味覚が変わり普段の食事が全然おいしくなくなって食事が苦痛になったとも言っていた。この点も精神の不安定さに拍車をかけていたようだった。
 こんな状態が出産直前まで続いたので、5~11週目と同等の辛い時期だったと感じている。精神的辛さだけで言えばこっちの方がきつかった気もする。
 あと、足がものすごくむくんで痛くて歩くのがつらい状況だった。普段履いてる靴が入らなくなるレベルでむくんでいたので、見ていて痛々しかった。

<出産>

 ここでも大変だった。いろいろあって最終的に帝王切開となった。以下に流れを説明する。

(1) 母体、胎児共に出産可能な状態になっていなかったので促進剤を使用することになった。

(2) 促進剤により陣痛が3~5分おきとなり、痛みもかなり大きくなる。しかし、出産可能な状態にはならず。(この状態が8時間程度)

(3) 促進剤の使用を中断し、翌日帝王切開することに。予定時刻まで待機になったが、5分おきの陣痛と激しい痛みは継続。痛みにより、一睡もできずに予定時刻まで過ごす。(この状態が18時間程度)

(4) 帝王切開の準備を整えた後、手術を実施して赤ちゃんを無事出産。ただ、妻は出血が多かったことと前日の朝から約30時間もの間一睡もできずに痛みに耐えてきたため意識が朦朧としていた。

(5) 妻は出産後の授乳等を済ませ、しばらく眠った。ただ、痛み止めを入れていても手術部位の痛みが激しいため、とても苦しんでいた。翌日も痛みは残っていたが何とか動けるようにはなったとのこと。

以上のようにいろいろあってとても大変だった。

 ここでどうしても伝えておきたいことがある。出産立ち合いするなら上着を用意しておくこと!
分娩室は冷房をすごく効かせてあった。妊娠直前の妊婦は体温が高くなるんじゃないかな?妻は寒くないと言っていたが私はめちゃくちゃ寒かった。私は元々冷房の風が苦手で、冷房の効いた部屋に長時間いると体調を崩すタイプの人間だった。立ち合い初日、朝からいろいろやっている妻を隣で励ましていたが、昼頃には猛烈に具合が悪くなり、一旦帰宅して風呂に入って寝た。二日目の朝、万全ではなかったがなんとか動けるまで回復したので再度産科へ行き立ち合いを行い、無事出産となった。
そして早めに帰って早めに寝た。
 分娩室はめっちゃ寒いから立ち会うなら上着を持っていけ!冬服がいるぞ!
まあ院にもよるし、冷房苦手じゃないならそんなことないだろうけど。

4. あって良かった・助かったもの

 本題が終了したので、続いてはお役立ちアイテム紹介です。妻の妊娠期間中にあって良かったものや助かったものを紹介していきます。もちろん、万人に当てはまるわけではないので、あくまで参考として。

・ポカリスエット
 水が飲めない妻を助けてくれた救世主。ありがとう、大塚製薬。

・冷凍食品、レンチン系食品
 主に妻用ではなく私用(妻は味覚的、嗅覚的にNG)。妊娠期間中はとにかく“時間”が足りない。妻に対する対応だけでも時間が溶けていくのに、買い物や調理、後片付けに余計な時間は割きたくない。そんな私の救世主がこれらの食品だった。長期保存できるので買い溜めができ、レンジに突っ込めば出来上がる。最近は種類も豊富なのも良い。
 ただ、ずっとこれらを食べ続けてると体には良くない感じになってたので、上手に調整するのが大事だなって思いました。久々に妻の手料理を食べたときは涙が出るほどおいしく感じたので、冷凍食品の限界もなんとなくわかりました。
こういうと妻の手料理がおいしくないみたいに聞こえそうですが、そうではなくて濃すぎず薄すぎず絶妙な加減に調整された料理は万人向け調整の冷凍食品では勝てないなって話です。

・食洗器
 先ほども「時間が足りない!」と言いましたが、こいつもそれを助けてくれるやつです。食器を突っ込んどけば乾燥までやってくれる。これでどれほどの時間が浮いたことか。
 何度でも言いますが、時間は他に替えがたい財産です。それを作ってくれる便利なものがあるならどんどん使いましょう。
 同じ理由で洗濯乾燥機とかあったらもっと楽だろうなぁって思いました。

・スポーツサンダル
 妊娠後期の足のむくみで靴が履けなくなった妻はこいつに助けられました。普通の靴だとサイズを大きくしても足先のむくみにより入らなかったり、さらに大きくすると足首周りがぶかぶかになり転倒のリスクが高まります。
 スポーツサンダルは各部の締め付けを調整できるため、むくんだ足でも履け、足回りの安定感も保てる優れものでした。もちろんこれを履いたところで足の痛みが治まるわけではありませんが、普通の靴より何倍も歩きやすいので助かりました。

5. おわりに

 妻の妊娠、出産を隣で見て、サポートして感じたことは……
「人間ってなんでこんな不便な方法で子孫残すようになったんだよ。」です。
産まれてきた子供は愛おしくてたまらないし、たくさんの苦痛を耐え抜いた妻はとても立派だと感じます。
ただ、こんなに大変なら二人目はムリだな……って思います。少なくとも今は。

 妊娠、出産はものすごく大変なものです。そして人によってその度合いは大きく異なります。私たち夫婦のようにずっと苦しい状態の人もいれば、あまり苦しさを感じない人もいるし、私たちよりさらにもっとずっと苦しい人だっているはずです。
 だからこそ、この記事を読んだ人は軽々しく他人に「子供産まないの?」とか「妊娠なんて楽だよ。」とか「そんなに苦しいわけない。」とか言わないであげてください。それぞれの家庭にはそれぞれの幸せがあるし、同じ家庭内でも個人によって意見が違うかもしれません。同じ痛みでも、それに耐えられる人もいれば耐えられない人もいます。夫婦でしっかり話し合って決める人もいれば、夫婦間で話し合いができてなくて苦しんでる人もいると思います。いろんな人がいろんな境遇でいろんな評価軸を持って生きています。
自分の思い込みや想像力のなさで誰かを傷つけないよう、十分に気を付けてください。

妊娠、出産はものすごく大変なものなんです。


このまま締めると湿っぽくなっちゃうんで、最後に産まれたばかりの我が子を見たときの私の感想を箇条書きにして締めたいと思います。


・手がかわいい。思ったよりめちゃめちゃ動く。ぐーぱーぐーぱーする。

・くちゃってなった時の顔が妻にすごく似てる。愛する人に似た顔を好きにならないわけがない。

・私のことをめっちゃ見てくれる。かわいい。30cmくらいの範囲は見えるらしい。たぶん私のことが好きなんだと思う。

・私がだっこするととても気持ちよさそうにする。たぶん私のことが好きなんだと思う。

・結構足をバタバタする。それで妻の腹をボコボコしてたんだなって思うとあの苦しみも納得できる。かわいい。

・私が話しかけると私の声をしっかり聞いてる気がする。お腹の中にいるとき、毎日しつこいくらい話しかけてたからたぶん好きなんだと思う。

・かわいいおててをしゃぶろうとして口をあむあむしてた。でもうまくあむあむできてなかった。不器用なのかもしれん。妻も不器用だし。

・手も小さけりゃ爪もさらに小さかった。そんな爪でいったい何が守れるというのか。私が守ってやらなきゃな。守ってやるからな。

・当然だが歯がない。私は自分の唇を噛んで口内炎になることが多いので、歯がなければそんな心配ないなって安心した。元気な歯を生やせよ。

・重かった。わりと重いので重かった。ずっとだっこしてると腕が疲れる。重さを感じるのは私を信頼してその身を委ねてくれてるということだ。

・温かかった。体が温かい子は優しい子だって私が言ってた。この子は優しい良い子になる。知ってる。

・ガラス越しに私を見つめる瞳がまっすぐだった。たぶん私のことが好きなんだと思う。


以上!

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