旅が出来ない今、ぜひ訪れてほしいホテルザマンハッタン║千葉ホテル #HOTELIST
時は1920年。歴史的対戦の間に花開いた装飾様式がありました。それがアメリカ・ニューヨークで流行したアールデコ様式です。
直線的かつ幾何学的なデザインで、ジグザグの線や流線形を組み合わせた連続する模様が特徴的です。優美で洗練されたデザインは、懐かしさを包容しながらも、どこか私たちを高揚させる新しさを感じさせます。
そんな近代の装飾的造形を代表するアールデコ様式を模した「ホテルザマンハッタン」のホテル宿泊記です。まるでそこは映画で見る世界に入り込んでしまったようでした。
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アスファルトから照り返した熱気がじりじりと肌を蒸し、ジージージーというセミの鳴き声のシャワーのように降ってくる夏の海浜幕張駅。
駅からホテルまでは時間にして10分程度なのに、べたりと纏わりつく湿気をかき分けて歩いていると、じわっと汗が噴き出します。
幕張メッセへの大きな道を途中で左に逸れ、しばらくするとホテルの入口が現れます。
ホテルザマンハッタン。1991年に開業した千葉県幕張にあるホテルです。エントランスの金色の重く冷えたドアをあけると、ひやりとした空気が漏れ出してきます。
長く続く廊下はどうやらアーケードのようです。
フラワーショップ、ブライダルショップ、ジュエリーショップにパン屋……。装飾的ではありながらもシンと厳かな雰囲気の館内と、鮮やかな花々が並ぶ店先のウインドウの対比が、不思議なコントラストで目を引きます。
知らないはずなのに。なんだか懐かしく感じる。
アールデコが花開いた時代は、ちょうど百貨店が誕生した時代と同じなのですが、もしかしたら当時の百貨店もこんな感じだろうか、なんてふと思いながら淡くオレンジ色に照らされた静かな廊下を進んでいきます。
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エントランスホールに出ると、さっきまで私のことをジリジリと照り付けていた日差しが、大理石に反射して、冷房がよく効いた館内を白く照らしていました。どうやらアーケードのあるほうは裏口だったみたいです。
規則的な幾何学と、優美な曲線が彩るホール。大理石のまろやかな白色と優美な文様の金属の組み合わせに、目を奪われます。中世的な木材や石材にはない、とろりとした輝きも近代デザインのアールデコの特徴の1つなんだそう。
チェックインロビーは、数十名はいっても十分な広さがありました。ちょっとした舞踏会でもできそうです。柔らかな絨毯は踏み出すたびに沈み、私たちの足音を消しさってしまいます。静かに流れているBGM音楽も、吸い込んでしまうのでしょうか、どこか遠くから聞こえてくるようです。
ホテルマンによる丁寧かつ手際のよいチェックインの手続きを終え、部屋へと向かう途中、写真はないですが、エレベーターの籠内のデザインがまた連続する幾何学模様の奥行き感が素晴らしかったです。
実は、ホテルザマンハッタンは円形な建物で、廊下はぐるっと曲線を描いています。
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さて、今日の部屋へ。扉を開けると、日本にいることを忘れるようなロマンティックな空間が広がっていました。
ゆったりと贅沢なカーテンで、切り取られた額縁のような窓。デコラティブなウォールや家具。織り上げ天井は高く、空間をおし広げています。
まさに、どこを切り取っても絵になるとはこのことです。
部屋の間取りはベッドルームとバスルームだけのシンプルなつくりで、窓際には小さな丸テーブルとランプが置かれています。作業をするには必要最低限のスペースで、どちらかというとここでは、ゆったりおしゃべりをするのがよさそう。
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私がもっとも特筆したいのは、まるで映画の1シーンに出てくるようなバスルームです。ホテルだからこそのバスルームは、ホテルザマンハッタンに訪れたくなる理由の1つです。
真っ白な大理石のバスルームに、大きな鏡。
光がたっぷりはいる広く大きな窓。
窓の向こうには、公園と海が見える眺望。
部屋は、決して特別広くないのですが、憧れを詰め込んだようなバスルームに思わず「わぁ」と感嘆の声を漏らしてしまします。
ふと窓の外を見てみると、青空と夕焼けのグラデーションが広がっていました。手前には、公園があり、まるでニューヨーク・マンハッタンのセントラル・パークのよう。
きっとホテルザマンハッタンの由来はこの景色なのでしょう。
夕暮れ時を窓際で過ごし、夜になったら最上階のバーラウンジで食事をするのがよさそうです。最上階には1920年代の劇場を模したバー&ラウンジ「スプレンディド」があり、重厚な雰囲気の中で夜景を楽しむことができます。
翌日は朝のうちに下に見える日本庭園を散歩し、チェックアウト後はアウトレットで買い物をする。本当だったら旅行に行きたいところだけど、もしもっと手軽に特別な週末を過ごしたいのであれば、東京から電車で30分ほどの幕張にあるホテルザマンハッタンがおすすめです。
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あ、そうそう。バスルーム、お風呂タイムももちろんですが、朝の支度の時間だって、テンションがあがりますよ。
自宅のインテリアをホテルを模してみることはできても、なかなかお風呂までは難しい。これこそホテルステイの醍醐味の1つですよね。
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▼ ホテルザマンハッタン公式サイト
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▼ちょっと余談。
泊まった部屋は10階でしたが、チェックインのときに「湯量が多くて、2,3分でお湯がたまります。自動止水はないのと、部屋が続いているので、溢れるとベッドルームまで浸水してしまうので気を付けてくださいね」と言われたのですが、ほんとに部屋がほぼワンフロアで床上げがされてなかったのが個人的に面白かったです。
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