「チルいの原石」のようなビアバーが魅力!コスパ最高なホテル、オンザマークス川崎
旅行と建築好きが高じて、今までに泊まったホテルの中で「今どきのホテルってこれか……!」となったホテルの紹介をしています。
▽ホテル紹介のnoteをマガジンにしました。
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2015年9月に川崎にできたホテル「オンザマークス川崎」。
4年前にオープンしたホテル、オンザマークス川崎の魅力。それは、最近SNSで流行ってる「チルい」の原石のような空間です。
その空間というのは、ホテルのラウンジとビアバーがミックスされたエントランスなのですが、「このゆるい居心地の良さを紹介したい!」と思い、今回のnoteを書いています。
そしてもう一つの魅力が「必要最低限なプライベート空間」がミニマムで心地よいということ。川崎という立地も相まって、この魅力的なホテルがドミトリーなら1泊2,000円からと、非常に安価で利用できるということです。
旅先で疲れて、ホテルでは泊まるだけになりがちな人にとって、ホテルのラグジュアリーなサービスはいらないことも多いはず。そんな人には「そうそう、このミニマムさでよかったの」となるホテルなのです。
ON THE MARKS 川崎ってどんなホテル?
BED / FOOD / MUSIC
旅行も、仕事も、忙しく楽しむ僕らの旅の発着地。
ゆっくりと安心して眠ることのできるベッドと、 賑やかに楽しむことのできるバー&ダイニングと、 旅心をくすぐる心地のよい音楽を。
僕らの旅の新しいスタンダード。
「寝る、食べる、楽しむ」
オンザマークスは旅におけるシンプルな欲求を満たしています。これらがあるだけで、旅の充実感はぐっと上がるんです。
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ここはホテルなのか、ビアバーなのか
魅力の1つは「ホテルのラウンジとビアバーがミックスされたゆるさを楽しむ空間」が広がる1階フロア。
エントランスにはネオン風サイン。奥の壁に見えるのはレコードのジャケット。
左手には自然光で明るく開放的な、レストランエリアが広がります。
明るい店内に「わぁ!」と、ときめくも「あれ?ここホテルで合ってるよね?」と少し不安に思ってしまうのは、チェックインフロントがすぐに見つからないから。
レストランを抜けた、一番奥がホテルのフロントです。
間違えてないかドキドキしながら、カレーのスパイシーな香りが漂うカウンターを横目に進むと、ようやくスタッフさんが見えてきます。
フロントで「ホテルってここですか?」と確認する人もいる、少し不思議な設計です。
本来、空間設計として、初めて訪れた人が「不安になる」ことは「わかりにくい設計」であり、疎遠されるべきものであるのですが、なぜかオンザマークスでは嫌な感じがしないのです。
むしろ、フロントに辿り着くまでに、素敵なレストランを横目に見たせいか、もしくはカレーのいい匂いのせいなのか、「夜はここでまったりしたいな~」なんて思ってしまいました。
1つ思ったのは、旅の最中の「不安」ってトキメキなんじゃないかな、ということ。旅の「次、どこ行こ」「あれ? ここでいいのかな」という体験。不安を楽しむことを私たちは旅という特別な時間に求めているのかもしれません。
もしかしたらオンザマークスでは、この不安を体験として、あえて利用したのかもしれないなんて思ったり。
ホテルとレストランが一緒に設計されたからこそ生まれる体験。だとしたら、この体験設計はずるい。
あ、そうそう。
ちなみになんですけど、エントランスの前で販売しているオンザマークスのオリジナルのハッピがかわいいです。
ゆるTシャツもかわいい。
あとは、朝食付きで宿泊すると食べられる「薬膳カレー」めちゃくちゃ美味しいです。おすすめ。
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1人1人が好きに過ごすビアバー兼ラウンジ
ホテルなのか、レストランなのかわからないシームレスな空間が広がる1階はホテルと同名のビアバーです。誰でも利用できます。
せっかく旅行に来たなら、ちょっといいものを食べたい。
けどここは川崎。なにか特産品があるわけでもないし……。ということを想定したんじゃないかと思う「燻製肉とクラフトビールのセット」。
いいよね、肉とビール。最高。
ホテルのラウンジとレストランをミックスすることで、ホテル宿泊者と街の人たちが混在することになります。各々が好きなことをしている空間が生まれていました。
ビールを片手に作業する人。本を読む人。
旅仲間と静かにおしゃべりする人。常連さんで店員さんとにこやかに話している人。
最近よくSNSで聞く「チルい」って概念が生まれる前の「チル」ってこんな感じなんじゃないだろうかと思うのです。
たしかに、2019年に求められている「チル」とは少し違うのだけども、これが「チルい」の原石な気がするのです。
本来、関与しない人たちが同じ空間で、ゆるりと活動しているのはSNSのようで、それを感じるからかもしれない。ホテルのラウンジとして置かれている囲炉裏型のテーブルは、まるで同じ1つの空間と時間をゆるく共有しているこの空間の象徴ようでした。
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宿泊スペースは2階以上。部屋は3タイプ
オンザマークスは、もともとオフィスビルでした。
リノベーションをして、ホテル兼レストランに改修したんだそう。
最近では古民家をリノベーションをして宿泊施設にすることも多いですが、2015年にオフィスビルを改装した事例は珍しいかも。
1階はレストラン&ホテルのラウンジで、2階以上が宿泊エリアになっています。
オンザマークスのもう1つの魅力は「ミニマムな部屋」。ドミトリー・1人用部屋・2人用部屋の3タイプ。どれも非常にコンパクトで、まさに眠るための空間です。
ドミトリーだと2,000円/泊~、部屋タイプは4,000円/泊~からと、金額設定もミニマムです。
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①1泊2,000円~!コスパ最強なドミトリー「バンクベッド」
本来、ドミトリーとは「相部屋」のこと。
外国では、少し広めの部屋に2段ベッドが置いてあるだけのオープンな空間であることが多く、通常のホテルよりも安く、リュック1つで旅をするバックパッカーのような長期旅行者に好まれています。
日本でドミトリーというと、カプセルホテルのような潜り込む個室空間を指す傾向。不思議。
1枚目…泊まれる本屋「BOOK AND BED」のドミトリー
2枚目…都市生活にフィットする宿泊機能のあるカプセルホテル「9h」
オンザマークスのドミトリーは、部屋が男女別で別れているだけでなく、女性専用フロア、男性専用フロアに分かれていました。鍵もフロアごとにあるので、初めてドミトリーに宿泊する人も安心して泊まれます。
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②1人で個室でくつろぎたい人向けの「コンパクトルーム」
「さすがに、もう少し広くないとやだな……」という人用に、個室タイプのお部屋もあります。
画像引用:公式サイト
見てください。面白いくらいに寝るためだけの部屋です。ドアを明けると目の間にベッド。あとはダイブするだけ。うん、最高。
どうせ明日にはホテル出ちゃうし、足元に荷物おければいいんです。ちょっと近未来のSF映画に出てくる宇宙船の部屋みたい。
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③2人以上で泊まるなら「スタンダードルーム」
画像引用:公式サイト
「スタンダードルーム」はシャワーとトイレが部屋にあるタイプ。シングルとダブルの2種類から部屋の広さを選べます。
2人で過ごすのに必要な最低限のスペースです。壁に囲まれたミニマムな空間って、意外と落ち着くんですよね。
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快適な共用シャワーと広いパウダールーム
バンクベッドとコンパクトルームは共用シャワーを利用することになります。
時間帯によっては、混み合う時間もありましたが、シャワーブースもドライヤーも十分な数があって、待つこともなく快適に使えました。
こういうホテルだと「共用シャワーが混んでて使えない」ってことが多々あるから、これは嬉しかったです。
余談なんですが、シャワーブースに珪藻土マットがあります。珪藻土マットがあると快適な気がします。除湿効果があるからかな。
あとアメニティも宿泊プランに入っているので手ぶらでも大丈夫なのはありがたかったです。
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ちなみに、長期旅行者のためのランドリールームも別にあります。
あと、宿泊者専用のラウンジも。こちらはレストランとはつながっていません。地下にある別のラウンジです。
電子レンジ、ケトル、冷蔵庫など、バックパッカーに嬉しい日用品も一通り揃ってます。
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旅におけるシンプルな欲求に応えるホテル
ON THE MARK とは「支度を整える」という意味なのだとか。
昨今の旅行者は、1拠点に長期間の滞在はあまりしない傾向にあるそうです。たしかにラグジュアリーさを求めるのではなく、「寝る、食べる、楽しむ」という旅におけるシンプルな欲求を満たしたい私たちにぴったりのホテルです。
旅先で、快適に眠りたい。せっかくなら美味しいものを食べたい。ホテルで過ごす時間は楽しい思い出であってほしい。
オンザマークスには、飛びまわるように旅をする旅行者の旅の時間をより豊かなものにできるようにという想いが込められているように感じました。
「ホテルの空間づくり」を通じて、私たちの「ほしい」を考えながら、まだまだ知られていないホテルや、話題になっているホテルについて紹介していきたいなと思っています。
▽ツイッターでたまにホテルのことつぶやいてます。
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▽ホテル紹介ではないですが、「オンザマークス」を企画設計運営をしているUDSの梶原会長と「TheRyokanTokyo」などを経営している現役東大生 龍崎さんの対談記事が面白かったです。
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編集協力&スペシャルサンクス:emiさん、長谷川 翔一/テキスト中毒マーケターさん、shin5さん、こばやしあさみさん
いつも読んで下さってありがとうございます! 投げ銭と売上は、ホテルステイの軍資金にさせていただいております。