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No.7《エントリーシート対策》       【面接選考を突破する際のエントリーシート(ES)や面接カード内容の重要性】について思うこと

いつも私の記事をお読みいただきまして、ありがとうございます。

前回は公務員試験で課される集団討論の対策についてお話ししましたが、本日はそれと合わせて行っている面接指導&ES(面接カード)添削に関して色々と感じることを述べていきたいと思います。

私は、これまで現職を通して長野県職員を始めとする県内の各種公務員採用試験(主に行政職)を受験する100名以上の大学生の対策指導を担当してきました。今年も無事に役割を終え、1つの区切りとしてこの5年間を振り返って率直に思うこと、それは「ESや面接カードのガクチカ(学生時代に最も力を注いだこと)や自己PRで書かれているエピソードの8割が、クラブ・サークル活動、アルバイト、学業で、ストーリー内容も非常に似通っている」ということです。

これについては、就活のリアル『就活で話す学生時代の経験 選択理由や学んだことが重要』という記事の中でも、

◆ 企業が「アルバイト経験」を重視すると回答した割合は27%、『サークル』では7.9%にとどまり、学生との間に大きなギャップがある。
◆ 人事担当者からは「アルバイトやサークルでリーダーを任されたというエピソードがすごく多い」「何か、派手であったり華々しいエピソードや成果を語らなければ価値がないと思っているのでは」といった声を聞くことも少なくない。

就活のリアル

と書かれており、採用を担当する方が私と同じ印象を持っていることへの納得感と同時に心疚しさを感じました。

というのは、コロナ禍によって現大学3・4年生の方々については、大学4年間の半分以上制限された生活を強いられ、その中で経験できた数少ないエピソードとして最も伝えたい上記内容をガクチカや自己PRに選び、苦心しながら書いているワケですから・・・。
実際に、読み手に対する配慮を一緒に考えながら文章添削はするものの、結局は他の学生さんが作成した内容と文章構成やキーワードがとてもよく似た、いわゆる鉄板エピソードのガクチカや自己PRに仕上げざるを得ませんでした。

もちろん、上記エピソードは否定されるものではなく、評価すべき大切な経験や能力であると思いますが、私の指導力が低いことは重々承知している上で結論を述べてしまうと、ガクチカや自己PRにクラブ・サークル活動、アルバイト、学業のエピソードを書いた8割グループの中で、
最終合格に至った学生さんは4割前後です。
その一方、この8割グループに属さない、全く異なるエピソードを書いた学生さんの結果はというと・・・、
9割前後という高い確率で最終合格していました。

この高い確率で最終合格を果たした、つまり、採用担当者が高評価した2割の学生さんはエピソードとは、一体どんな内容のものだったのか?個人情報保護の観点から詳細をお伝えすることはできませんが、当該エピソードの概略だけであれば公開可と3名の方から許可をいただきましたので、それらをご紹介します。3名の方が自身の経験をもとにエピソードに選んだ内容は

☆自分と全く地縁の無い土地で募集していた短期の地域おこし事業に協力隊として参加したこと(2019年卒 コロナ前)
☆時に命を落としかねない危険と隣り合わせの状況下でメンバー一丸となって協力し合い、目的地へ到達できたこと(2021年卒 コロナ禍)
☆買い物や通院弱者と呼ばれる高齢者が多く住むアパートへ自ら引っ越し、高齢者住人と積極的に接点を持つことで、孤立化・孤独死をさせないように取り組んだこと(2023年 Withコロナ期)

また、同じ面接選考を受け終えた学生さんに行ったヒアリングで分かったことは(これも個人的に情報収集&分析した結果ですが)、上記3名を含めた2割に属する学生さんは8割の方々と比べて、
面接での質問数は「10問前後」、時間は「10分程度」多かったようです。

これを読まれた方の中には、「じゃあ、そのような経験をしたことをエピソードに書いて添削してもらい、さらにしっかり面接対策を行えば合格できるの?」や、逆に「そういう非日常的なエピソードを書けなければ、不合格の可能性が高いってこと?」など、これから受験予定の学生さんには疑問や不安以上に不快な思いをさせてしまったかもしれません。そのように感じられた方には、大変申し訳なく思っております。

しかしながら、この3人の方々は、ガクチカや自己PRで書くために経験したエピソードではなく、全く内容は異なるものの、書いた文章を読み進めていくと「覚悟を持った挑戦心」「周囲と支え助け合う協調性」「最後までやり遂げる責任感」をそれぞれ身を持って経験しており、それが官公庁(もちろん民間企業)でも求められる人物像として高く評価され、最終的に合格に至った、

言い換えれば、就職活動を始めるにあたり、自己理解を通して学生自身が大切にしている志向、価値観、強みなどを認識した上で、それらを活かし発揮できる場所を自ら探して主体的に活動する、そこで培った経験を志望する業界や職種で貢献していきたいという姿勢に対し、それを目の当たりにした人事担当者は、「熱意」や「可能性」を持った魅力的な人材として採用したくなった

つまり、就活市場における売り手と買い手の思惑が一致したという決して複雑な仕組みではなく、極めてシンプルな手法による勝利結果だったのではないだろうか、私はそのように感じています。

たまたまですが、私がこの記事を書き終えた直後にまいどなニュース12月25日『ファーストキャリアで人生の6割以上が決まる』 約8割の大学生が回答・・・ 2024年卒業予定の2767人に調査』の最後に「ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)として話せるエピソードは現時点でいくつあるか」についての調査結果が掲載されているのを見つけました。今回私が書いた内容と重なる点があると感じましたので引用させていただきました。是非ご参照下さい。

最後に、お願いの意味も込めて、公務員(特に地方公務員 行政職)を志望する多くの学生さんにお伝えしたいことは、「採用担当者の目に留まるようなガクチカや自己PRを作成するだけのために、不本意・無理強い的な経験(エピソード作り)をすることは決してお勧めしません!!」ということです。結果的に、ご本人が苦杯を喫するだけでなく、活動を通じて関わった方までご迷惑をかける可能性が大きいですから。。。くれぐれも衝動的にはならず、無理のない範囲で一助言として受け取っていただき、やってみるかをご自身で最終判断してもらえれば幸いです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆様良いお年をお迎え下さいませm(_ _)m