力不足でモヤモヤしていたわたしのエンジンを全開にしたのはmics!カチノデのインターン・石川にインタビュー
ライター・デザイナー・ビデオグラファーの複数のプロダクションから成るフリーランスクリエイター経済圏『mics(ミックス)』。WEBメディア、ブランディング、デザイン、映像など、さまざまなジャンルのクリエイティブ領域を横断して、名古屋スタートアップ株式会社、チームどみにおん、株式会社カチノデが合同で事業を行っています。
今回は、カチノデのインターンである石川菜々子に、名古屋スタートアップのライター吹原がインタビューしました。
石川 菜々子|プロフィール
1999年生まれ、名古屋市出身。愛知県立芸術大学美術学部に在学中。専攻はデザイン。カチノデのインターン生。
大学の外の世界に出てみたいと思っていたところに…
吹原:カチノデに、インターンとしてジョインするに至ったきっかけを教えてください。
石川:2017年の夏休みに「未来マトリクス(※)」の合宿に参加して森さんと知り合い、その後声をかけられたのがきっかけです。未来マトリクスでは、企業と学生が一緒にモノづくりに取り組みます。そのときは、学生が何人か集まってチームを作り、「モビリティ」をテーマに未来の乗り物を考えたんです。それを企業さんにプレゼンして、気に入ってもらえたら、実際にモノにしていこうという流れですね。森さんは、メンターとして参加していました。
※未来マトリクス…未来の視点をもつ学生と、ものづくりのメッカである中部地域の企業が持つ高い技術力をつなぐプラットフォーム。アイデアと技術をつなげ、実現化する支援を行っている
吹原:なぜ未来マトリクスに参加しようと思ったんですか?
石川:そのときは、自分がデザイナーとして何ができるのかがかわからなかったので、とりあえず行ってみようと思って参加したんです。
吹原:その合宿が終わったあと、森さんから声をかけられたんですね。
石川:「micsのインターンが始まるんだけど、参加してみない?」とLINEがきて。「やります!」と返信しました。
吹原:インターンをしようと思った決め手は何かありますか?
石川:未来マトリクスで、自分の力不足を感じたんです。大学ではいろんなことを教えてもらえるのですが、先生の評価をいただいて、それきりになってしまうんです。だから、自分の作品が世間ではどう見えるのかがわからなくて。外部とのやりとりもなかったので、外の世界に出てみたい、何かに手を出してみたいと思っていたときに、森さんからちょうど声をかけられて。micsのインターンには、ライターさんなどいろんな方がいらっしゃると聞いたので、何か刺激がもらえるんじゃないかと思ったんです。
吹原:確かに、micsには三者三様のスキルを持った、個性的なメンバーが集まっていますね。2017年の夏からということは、インターンになって1年半ぐらいですね。ちなみに、大学ではどんなことを勉強しているんですか?
石川:1年生の間は、基礎科目を履修するので、いろんなことを勉強していました。2年生の終わりからは領域が4つに分かれて、いま私はメディア領域を専攻しています。まだ間もないので、これから深く学んでいくというところですね。
吹原:何か目標や目指す職業があって、今の大学や専攻を選んだのでしょうか?
石川:絵が好きだったから、デザイン科を選びました。メディア専攻にしたのは、いろんなことを広く勉強できそうだと思ったからです。実は、最初からデザイナーになりたいと思っていた訳ではないんです。デザイナーとして仕事をしたいと思うようになったのは、結構最近なんですよ。
最近、大学で就職セミナーがあって、実際のデザイナーが来て話してくれたりするんです。プロのデザイナーさんは広い視野を持っていて。最初から最後まで、全体を通して物事を見て仕事しているのが、すごくかっこいいなと思って。私は物事をひとつひとつ個別で見ているので、視野が狭くなってしまうんです。
吹原:結局はつながっているのに、ということがありますよね。
いつでもどこでも、エンジン全開で!
吹原:カチノデのインターンになってみて、何か学んだことはありますか?
石川:みんなそれぞれが普通に作業をしているとき、いたるところで会話が始まって。どんどん新しいアイデアが生まれてくるんですよ。入ったばかりのころ、私はあまり発言ができなくて、モヤモヤしていたんです。「どうしてこんなにアイデアがぽんぽんと出てくるのかな?」と思って。
吹原:わかります! micsでは、次から次へと、おもしろいアイデアや企画が生まれていますよね。
石川:そうなんです。そのときは自分に“引き出し”がなかったので、意見が全然言えないし、会話にもついていけなくて。そのうち、他のみなさんが、何かおもしろいことはないかと日々考えて、観察されているんだということに気づいたんです。常にエンジン全開でいるというか。それからは、私も「いつでもどこでも、エンジン全開でやっていこう!」と思うようになりました。
吹原:私もアイデアを出すのが苦手なので、よくわかります。頭だけで考えようとしてしまうけれど、日々の観察やおもしろいことを探す姿勢が重要なんですね。勉強になりました。今はどうですか?
石川:以前は、いつも死んだ目でいたんですけど(笑)。今は、ものごとをいろんな方向から見て、おもしろさを見つけられているように思います。
吹原:今は、インターンでどんなプロジェクトをしているんですか?
石川:勉強会が多いですね。インターン以外だと、江坂さんの企画した「デザインクエスト(※)」にも参加しています。今はそれで、ひたすら手を動かしています。
※デザインクエスト…クリエイター4人1組のパーティ単位で挑む、クラウドソーシングサービスを使ったチームワーク訓練のコンテンツ。成果をポイントにしてランク制度を導入したり、武器を決めたり、酒場で打ち合わせをしたりという要素を盛り込んで、デザイン案件をRPGのクエストになぞらえて経験を積んでいく
吹原:すでに、クライトアントを相手にする案件もやっているんですか?
石川:今、森さんと一緒にやっているものがあります。以前、実は他にもお仕事をいただいたことがあるのですが、そのとき私の手が遅くて…森さんから「今回は次の人にやってもらうね」と言われてしまうことがありました。またそこでも自分の力不足を感じてしまいました……。
吹原:今は、その力をつけるために、ひたすら手を動かしているということですね。
いつかは自分も…
吹原:micsという組織の中にいて、どんなことを感じていますか?
石川:micsは、いろんなところで“おもしろいもの”がぽんぽんと出てくるので、それを聞いているだけでも楽しいですね。いつかは自分も役に立ちたいというか、そういうおもしろいクリエイティブを発信する側に行きたいです。もう、「がんばって、micsについていきます!」という感じです(笑)。
吹原:これから、どんなクリエイターを目指して勉強していきますか?
石川:ディレクションをできるようになりたいです! 先ほどもお話したとおり、私は視野が狭いので、物事を個別で見てしまいがちです。全体を見渡して、この企画は世間からどう見えているのか、この企画をやることでどんなメリットがあるのかを考えられるようになりたいです。
今、江坂さんがデザインクエストでディレクションをしていて、私はそれに沿って制作しています。いつか、江坂さんがやっているディレクションを自分でもできたらいいなと思いますね。
吹原:では最後に、micsでのインターンを考えている人に一言お願いします。
石川:行動あるのみ! 全力でがんばってください。
吹原:ありがとうございました。
写真=杉下 康平