アナログバイリンガル
ある日、地球に異星人が訪れた。
異星人の見た目は地球人とよく似ており、友好的な性格であったため、歓迎と共に受け入れられた。
早速、双方の言語学者によって言語の翻訳作業が行われ、音声を認識して相手星の文字として表示されるデバイスが作られた。
それと同時に、長く付き合う上でデバイスを通さずに会話ができる人材を育成するため、言語感覚に優れた子供たちを集めてスクールが開校された。
子供たちはすぐに打ち解け、お互いの言語を交えながら少しずつ会話ができるようになっていった。
スクール生はアナログバイリンガルと呼ばれた。
やがて異星間恋愛がはじまり、ついには異星婚が認められた。
子は親の記憶と知識を持った状態で産まれたが、地球人側の記憶と知識は残らなかった。
そうして何世代かが過ぎ、異星人による地球侵略は完了したのであった。