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渡邉帆南美「まだ知り得ぬ異世界へ(1日目)」
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こんにちは。はじめまして。渡邉帆南美です。
私は、主に京都を拠点に芸術家をしております。渡邉帆南美と申します。
まずは、少し自己紹介をさせてください。
このようなものを制作し、活動しております。
視点を変えると世界は変わる
作品は、絵画が中心ですが、デジタル、アナログ、ライトを当てて鑑賞する絵画など、様々な切り口で「可能性を探究する」をテーマに活動しております。一つの完成した視点だけでなく、多角的な視点から、固定概念を打ち破りたいという思いがあります。芸術的な視点を取り入れる醍醐味は、やはり、表現に触れた時にこれまでの価値観や視点がガラリと変化してしまう可能性を孕んでいることだと思います。生き方や、見方を変えてしまう。そして背中を押してくれる。そういった事を起こしてしまうのがアートの力です。
視点をかえる 発想をひらく
ワーケーションの【視点をかえる 発想をひらく】というテーマがまさに私の制作のコンセプトと近い事もあり、参加いたしました。生活圏なので芸術を意識もしていない方などとも話をする面白みを感じました。理想としましては、今回も地域の方と交流することで、私の視点と地域の視点を組み合わせると何が見えてくるかを見つめたいと思います。
長々とした自己紹介はこのくらいにして、滞在のご報告に移りたいと思います。
台風ですが、本当に心配しました。新幹線、京都からは、全部運休でした。
全然予定の31日には出発できずに、2日になってしまいましたが、ホスト様がご多忙な中、お問い合わせしてくださり、7日にまで滞在を伸ばしてくださり、大変感謝を致しております。ありがたい思いで向かいました。
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東海道線のみ、ダイヤの乱れがあり、遅延しておりましたが、
無事に沼津につきました!思っていたより、すごく晴れています。
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まず、ホストであるArtspace入サ岩崎商店の佐々木さんへご連絡。
到着後すぐに、ご挨拶をしたいというご連絡をしましたが、佐々木さんの午後のお仕事もあることと、他のメンバー様も自由行動中とのことで、私こそ最初に行くスポットから移動時間がかかることもあり、最初の顔合わせの時に、見送ることにしまして、ひとまず、自由行動をすることに。
「どのような旅のご予定をされていますか?」
佐々木さんにメールにて、そう聞かれた時に、
「いきあたりばったりもいいかと思っています」と答えました。
実は、先に観光マップみたいなものを見てはいたのですが、すごく社会的に意識的に見せたい場所、ストーリーをガイド通りなぞっていくと、見えないこともあるのかもしれないという、考えが浮かんでいたからです。現地の人や周りの人のおすすめなどを繋げていって、そこに向かうのもありなのかもしれないと考えたりもしました。特に考えないで歩くこと。それは、あまりに贅沢な時間の使い方です。
もし、現地の方や静岡の出身の方、いらっしゃいましたら、沼津の面白い場所をぜひ教えてください。ガイドマップには載っていない、絶対に触れることのないディープな沼津、大歓迎です。
しかし、まだ誰とも会えていませんし、一番最初にどこに行こう。そう考えた時に、滞在以前に人から聞いたおすすめスポットへ行くことにしました。現在、お世話になっているイベントのスタッフさんが静岡出身で、その方から教えていただいたおすすめのスポットである「沼津港深海水族館」へ向かうことにしました。
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奥深い未知の生物の営み
深海の生き物は不思議な容姿で、恐ろしいもの、変わったデザインのもののイメージもありますが、生態が未だに謎で、飼育も難しく、実は深海生物の水族館自体運営が難しく少ないのだそうです。
沼津港もあります、駿河湾は水深2500mという、実は、日本の湾の深さの中で一番奥が深いということがわかりました。深いほど、水圧の関係上、それに耐えられる構造の機械などでしか探索もできず(人間などは細胞が破壊されてしまいます)未知の生物があり、謎に包まれます。自然や、生物は、人間が調べる範囲は、人間が認識できる範囲に限られている。普段からそんなことを感じていますが、やはり、認識できていない世界というものがまだまだ奥底深くにはあって、生物というカテゴリの中で考えていても、沼津にはもしかしたら、かなり奥深い可能性が備わっている土地なのではないかという感想を持ちました。
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偶然、時間的にタイミングがよく、ダイオウグソクムシを触る機会にも恵まれました。ダイオウグソクムシを食べる会のようなものがどこかの県であったような記憶があります。こういったものを食べる文化や、昆虫食文化にも興味があるのですが、まだ勉強できていません。面白い情報求めています。確か皆さんエビの様な味だと言ってましたが、スタッフのお兄さんもそうおっしゃってました。
シーラカンスもあまり保存されないもので、剥製を見ながら、死骸を展示してそれを見ている人間の不思議みたいなものも感じつつ、人体の剥製も人体の不思議展か何かであったと思い出しながら、なんだかんだじっくり考えていたら、ものすごく時間があっという間に過ぎていて、周辺施設はほぼ閉まっていました。私はつい博物館などを時間かけて見てしまうので、全ての展示物の文章を読み、3時間とか滞在してしまう癖があります。笑
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そうだ、地方はこういうことがある。京都に住んでると、いつも夜間までどこかは開いているし、18時なんてこれからだという時間の感覚でしたが、17時で閉まってしまう。そういうことがあるということを忘れていました。あと呑気にバスを考えていても、時間も一時間に2本程度しかなかったり。
そして、宿に預けた荷物に予備の充電器を忘れ、帰る途中で携帯の充電が切れました。もう時間もない中、スマホも触ることなく、20分近く、ただ風景を見ながら待つ。でも何故だかすごく穏やかな気分になって、こういう贅沢な時間、過ごしてなかったんだなと、とても気持ちが良かったです。
あと、不思議と沼津の町の道の雰囲気が覚えやすく、かなりの方向音痴の私でも
なんとなく勘で帰られたのが面白かったです。
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私は、その日の空を作品にするこんなシリーズの作品もつくるので、つい空も見てしまいますが、水族館帰りで、深海生物にしか見えなかったです。
さて、夕飯はと思い、宿近くの商店街へ。
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特になんでもなく宿の周辺を歩いて見ようと思いました。
地図にある沼津仲見世商店街。
できれば、夕飯にありつきたい。ここでしか食べられないものを食べたい。
そう思って歩きましたけれど、シャッターばかりでした。
京都の新京極商店街を思い出しました。どこにでもあるような風景にも思えました。こちらは特に外国人も多く見られました。地元の料理ではなく、外国料理の店も何軒もあり、そういう海外向けの可能性がある場所なのだと感じました。
無目的に、地図を見ながら、どんなものかと、そちらに向かって歩くこと。
そこでは、別に沼津じゃなくても出会えるもの、風景、どこにでもあるものにも時間を割くということになります。観光という視点から捉えれば、一見、見なくていいもの、触れなくていいもの、すごく無駄な様に感じる時間も増えますけれど、そういうものに触れるから、同じであり、微妙に違った街の個性が見えてくるのかもしれないと感じました。
そして、結局、地元の料理を求めていましたが、雨が降り出し、コンビニのお弁当というどこにでもあるもので済ませることになりました。笑
夜は、佐々木さんから連絡があり、イベントに参加しているので来てみたらどうかとお誘いのメールいただいたのですが、全く携帯が見れず、通知に気づかず、2時間後に気づきました。とにかく現地に向かいましたが、解散後だったようで残念な結果でしたが、次回の機会を楽しみにしております。
そのような流れで、自由な一日目は終了しました。
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冒頭に書いたこの看板のように、
もしかしたら異世界の入り口かもしれない。
まだ、未知の可能性を探究できる。
そんなことを感じさせてくれる一日でした。